以前から言ってるように食わず嫌いは好きじゃないので、奥田瑛二監督作品『長い散歩』を体験してみることにする。
でも一応水曜を選んでみたり、どうせインテリ系ちょい悪オヤジのマッチョなドリームに満ちた映画でしょと高をくくっていたのだが、意外や意外、結構普通に良い映画だったのであった。やっぱりバイアスってダメね。
幾つか「その分かりやす過ぎるセンスはどうかと思う...」と感じるところ(母親に虐待されてる幼女が天使の羽をつけてるとか)もあったけれど、単純に主人公のおじいちゃん(緒形拳)が頑張って走ってるシーンなんかに心打たれたり。実際大変だろうに、すごいね役者さんて。
よく考えればかなり都合のいい物語も、前半は緒形拳と子役の女の子(杉浦花菜)のやりとりに説得力があったのですんなり見れた。が、ただのきっかけに過ぎないだろうけど奥田瑛二本人が出てきた途端映画の締まりが悪くなって、136分はいらんやろうと思ってしまった。あの若者の存在とか今イチ意味分からんし。
しかし、虐待だの家庭崩壊だのを扱ってる映画なわりには救いがあるのかないのかよくわからない作品で、その立場がちょっと気に入ってしまいました。母親を演じる高岡早紀も良かったんじゃないでしょうか。アキレス腱が綺麗。

夜、久しぶりにフランス料理を食べて急激な胃袋の衰えを実感する。いいことなんだか悪いことなんだか。

そして結局映画へと回帰し、アテネフランセのダニエル・シュミット監督回顧特集に行く。予想通り結構混んでたけど、観客の年齢層の低さと女子率の高さ(それでも3割位だけど)に驚く。ええこっちゃ。
処女作だという『主人の蝋燭を節約するためにすべてを暗闇のなかで行うこと』(70年)。長ったらしいタイトルに反して作品は45分。ヴェネチアにあるヨーロッパ最後の召使養成学校のドキュメンタリーで、字幕は無し。
ドキュメンタリーで字幕無しって結構キツいな、と思ったが、ファーストカットの岩肌に囲まれて踊り狂う黒いマントの男の画を見てちょっと安心。その後も、インタビューシーンと思われるところで悉くその音声を遮断するためのような音楽がガンガン流れてるし。なのでひたすらスクリーンを凝視することに集中し、迷路みたいな庭で主人と召使が歩き回るシーンのしつこさに涙。
2本目は『今宵かぎりは...』(72年)。タイトルから勝手に明るく楽しい映画を想像してたら、面白いくらい裏切られる。怖い、怖いよ。
主人と召使の立場が一夜だけ逆転する宴の話、だけど、出てくる人たちはみんな死んだ魚の目。どこからか現れる芸人達の出し物を見ても死んだ魚の目。極端なリズム、美しい芝居や歌、哀しい物語と大変素晴らしい映画だったが、こんなパーティーには絶対行きたくないと思った。
ダニエル・シュミット、わかってたけど2本見ただけで異常に体力を消耗する。上映後は講演や他の作品も予定されていたがあまりの疲労にお先に失礼してそそくさと帰宅。で爆睡。

てか、いつのまに「働くおっさん劇場」がレギュラー番組に!?1回でも見逃してるのがイタ過ぎるー。

元祖の「働くおっさん人形」。松本人志が常に言ってる「笑いと哀しみの紙一重」論ここに極まれり。本気で笑えて泣けます。必見。

そんな毎日映画とテニスばっかり見て生きてるわけじゃないんですよ私だって。ってことで、今日は1月にオープンしたばかりの国立新美術館に芸術観賞しに行く。
黒川紀章による大変立派で洗練されたかっこいい建物にひどく感心しながら、第一声に「うわー、掃除大変そう」と叫んでしまう自分がイヤ。
オープニングとして行われていた「20世紀美術探検」という展覧会を見たのだけれど、想像を超える会場の大きさ&作品の豊富さで、全部を見て回るのにかなり時間と体力を消耗したがすごく楽しかった。「めっちゃかっこいい!」と感じた作品が幾つもあったのに、悲しいかな、作品名や作者名などの固有名詞は忘却の彼方に。横文字は苦手。そんな自分がイヤ。
でもほんと、建物も内容も面白いし、素敵なレストランはあるし、ミュージアムショップには「お父さんは心配性」(岡田あーみん)が売ってるし、トイレの数は多いしで、大変充実した場所でありました。

が、しかし。一応私、過去にはヨーロッパまで行ってモネやらセザンヌやらのアトリエを訪れたことがあったり、趣味で時々油絵を描いたりするのに、なんでか、美術館や写真展に行く度に「こんなハイソな場所にいることが場違いに思えて仕方ない」感を抱いて落ち着かなくなる。ムダに腰が低くなったり、なに柄にもないことやってんの私と自嘲したくなったり。これってもっと歳をとればなくなるものなのかな。それとも単にお里の問題なのかしら...。

ありがとうフェデラー、と言いたい。
全豪オープンテニスの男子決勝戦、チリのゴンサレスとの対戦にて、あそこまでパーフェクトな試合を見せられるとにわかテニスファンの私でも「なんか凄いもん見てもーた」と感動せずにはいられない。優勝するまで1セットも落とさないなんて、強いとか好調とか、そんな言葉じゃ済まされない域にいってらっしゃいます、彼は。それでいて顔までかっこよかったりするからさ、ハマるなって言う方が無理な話で。あんな、白と水色の爽やかウェアが似合う男なんて滅多にいませんよ。
相手のゴンサレスも決して悪くなかったし、試合開始直後はらしくないミスを連発してたフェデラー。それでも一切表情変えず、声も出さず、ただ黙々と自分のプレーを信じて頭と体を動かす姿は既に神々しい。プレーのスタイルも本当に洗練されてて美しく、バレエダンサーのようなフォームで190キロ代の球をばんばん打つ。しかし最後の雄叫びに彼の優勝に対する想いを感じ、見てて体が震えた。まじで。いやあ、ほんとーに素晴らしかった。

ゴンサレスのお茶目な表情と必死全開のプレーも可愛かった。小さなことを気にし過ぎる性格はもうちょっと直した方がいいと思うけど(靴ひも結び直し過ぎ)、これからがんがん頑張って欲しい(でもこの2人のラリーは球が速過ぎてたまによくわからなくなるので困る)。
島村アナウンサー柳さん(なぜか2人とも公式HP有り)のスナックトークみたいな実況解説も決勝戦らしく興が乗って楽しかった。いくらなんでも「GO!GO!ゴンサレス!!」って言い過ぎやったけど。
チラッと映ったフェデラーの恋人が意外とフツーの人で、そんなところでもフェデラーの好感度アップ。彼女のファッションセンスは如何なものかと思ったけど。

そんなに熱弁されてもテニスに興味ないし、とか思ってるでしょ。でも今日は今までフェデラーの名前すら知らなかった友達と一緒に見てたんだけど、試合が終わる頃には彼女もすっかりテニスの虜に。この、他の種目では感じられない、体と同じ位脳みそ動かしてそうな反筋肉バカスポーツ・テニス。みんなもっと見て盛り上がりましょうよー。

女友達と連れ立って3人で映画鑑賞、なんて久しぶりなのでちょっぴり緊張。見た映画は『犬神家の一族』(市川崑監督)ですけど。公開から大分経ってるのにえらい混雑しててびっくり。
同監督による76年の犬神家は見てないんですよねー。だから比較してああだこうだは言えないけど、映画の舞台や雰囲気にえらく昭和の香りがしたから多分とても忠実なリメイクなんだと思う。故に、なんでこの映画をこのキャストで07(06か)年に作らなきゃいけなかったのか、その必然性がよくわからず...。今これ作って誰が何がしたいんやろ?という思いが頭から離れず、推理について行きそびれる。
あと、わざとらしい大芝居をさせるのが狙いだとして、それだと松坂慶子や萬田久子、奥菜恵はよく頑張っていたと思うけど、重要なはずの死体の人形があまりにもちゃっちいので映画全体でふざけてんのかなと思ってしまった。昭和22年の設定なのに有り得ないモーターボートが登場するのも冗談なのかな。よくわからん。かなり歳いってるはずの石坂浩二が可愛いのには驚いた。松嶋菜々子はやはり鼻の下の線が濃過ぎると思った。

もうちょっと世間の熱が冷めてから見ようと思ってたのだけれど、キルスティン・ダンストに対する熱い想いがどうしても止められず、『マリー・アントワネット』(ソフィア・コッポラ監督)に足を運んでしまう。
久しぶりに見たキルスティンは、相変わらず、笑顔と肉体とその動きが天才的に魅力的で素晴らしかった。コスプレ劇だと彼女の魅力が半減してしまうのではないかと懸念していたのだが、何を着てもどんな髪型でも彼女はやはり存在自体が優れた才能のように輝いていた。うっとりする他なし。キルスティン以外にも、画面に映るものとりあえず全てが完璧にラブリーでキュートでポップ。本気であんな部屋に住みたい。音楽もお洒落。パグも可愛い。マチュー・アマルリックに気づけて嬉しかった。以上。
と、まとめたくなる程映画としては退屈だった~。監督の前2作がそんなに嫌いじゃない分ちょっと残念。わざとだろうけどいくらなんでも脚本中途半端過ぎるし、前半の1時間は絶対15分位に短縮出来るはず。だるい。折角のベルサイユ宮殿も全然美しく映せてない。もったいない。スチール的にキレイなシーンは幾つかあったけど、キルスティンの表情以外グッとくるとこ無し。馬車をもっと効果的に使えただろうに。やっぱり映画監督としてはダメなのか。
ってか、「ソフィア・コッポラによる新しいマリー・アントワネット像」とか言うけどさ、単に「周囲から見れば恵まれた環境にいる私。でも実はとっても孤独で寂しくて大人になりきれないの。こんな私を誰かわかって!」てな話で、これってソフィアさんの今までの作品と全く同じですよねって感じで、これってまんまソフィアさん自身のことですよねって感じで、本来ならこんな自意識過剰女(女ってのがくせ者)の自己満足を満たすためだけに作られたような映画、お金貰ってでも見たくねーよと思うはず。それを「センス!雰囲気!」の勢いだけで「ちょっと見たいな...」と思わせる。あれ、やっぱりすごい監督かも。
でもでも、女が孤独を満たすために消費行動に走るのはいつの時代もどこの国でも同じなのね...。それは深く理解出来るわ...。

ガーリームービー世界代表みたいな映画を見た後はバランスを取らなきゃなんか落ち着かなくてシネマヴェーラに丹波哲郎の姿を拝みに行く。
石井輝男監督『ポルノ時代劇 忘八武士道』(73年)。大した意味もなくガンガン人を斬りまくる謎の主人公(哲郎。ちょっと歳とっててあんま美しくなくてショック)が無法集団の仲間に入って悪行に手を貸すのだが...という物語、が始まる前に、冒頭のタイトルとクレジットの出方のかっこよさに声を上げて喜んでしまう。
その後も、キルスティンが死守していた乳房がこの映画じゃアップ過ぎて何か分からん勢いで出てくるわ、くのいち5人組が結構本格的なアクションを全裸で繰り広げるわ。めちゃくちゃ面白いけどポルノとしてはかなり微妙(この、くのいち達の消火活動からレズビアン争いに至る流れはあまりに想像の範囲を超えていて呆気にとられて笑うことも忘れてしまった...)。絶対放送禁止な阿片中毒男と梅毒女の怖過ぎるメイクのアップやら、哲郎が斬りつけた腕やら首やら耳やらがびゅんびゅん空を舞うやら。でもラスト、雪の中に哲郎が独り立ち尽くすカットがやたらかっこよかったり。いやはや凄かった。まじ恐るべしポルノ時代劇(初めて聞いたジャンルやけど)。

今気づいたけど、長っ。

日々是勉強、日々是感謝。代ゼミ派なもんで。今日も試写状片手に新作映画を一足お先に見せて頂く。
萩生田宏治監督の『神童』。萩生田監督、『帰郷』(05年7月)以来新作を待っていたし主演は松山ケンイチくんだしで見るのをとても楽しみにしていた作品。原作の漫画は読んだことないけど。でも、音楽を映画で描くってよく考えるとかなり無理のある行為だなと若干の不安もあり(そう考えると音楽漫画のヒットってすごいことですね。漫画からは音は伝わらないのに)。
がしかし、見てみるとそんな不安も吹き飛ぶ、ものすごく良く出来た少女の成長物語で、少女反対派の私も大満足。『帰郷』は、不安定さが残るけどでもいい映画という感じだったけれど、今作は120分間安定安心しきって見れる落ち着いた立派な映画だった。それは萩生田監督の演出力も勿論(多出するピアノの演奏シーンが全く退屈じゃなかったり)だけど、先日見た『松ヶ根乱射事件』も手掛けている脚本家向井康介氏の力もとても大きい気が。なんというか、些細な会話で物語を現実的に動かすのがとてもお上手と言うか。漫画みたいな話(あ、漫画か)だけど納得させられるパワー有り。単純に、美術とかがしっかりしてるのも見てて感心したり。
主演の2人もすごく良かった。松山ケンイチ、かわいい。かわE。Scawaiiですよ。『デスノート』の時とは真逆の純朴キャラに胸キュン。誠実なお芝居にも心打たれた。成海璃子、初めてちゃんと見たけど、地味だけど華のあるいい顔ですね(額がもう少し大きければ尚良し...)。この2人の爽やかな魅力のおかげで、大学生と中学生という微妙な年齢差に一切のロリコン臭が漂わない関係性が出来ててほんと良かった。ホッとした。故に、冒頭とラストの白いワンピースだけが悔やまれて仕方ない...。2人共ほんまにピアノ弾いてるのにはびっくりした(大部分は吹き替えでしょうけど)。
久しぶりに見た手塚理美もやたら良くて驚いた。モチのロン西島秀俊さんは相変わらず素敵だった。そして、安藤玉恵という女優さんは相当凄い人だと気づいた。あと、ハトリ・ミホ(チボ・マット)による音楽もナイス。
春公開予定だそうです。ちゃらちゃらした映画モドキじゃなく、こういう映画が普通にヒットすればいいのになあ。

それにしても、セレナの試合中の雄叫びはいくらなんでもでか過ぎる。

特にスコセッシ監督のファンってわけではないけど、水曜なので『ディパーテッド』を見に行ってみる(元ネタの『インファナルアフェア』は、だいぶ前に見たけど詳細記憶なし)。
映画が始まってからずっと、妙に安っぽい照明の具合、全く重みを感じさせない話の展開と演出のテンポ、これは一体本気なのか冗談なのかと悩んでいたのだけれど、銃撃シーンのジャック・ニコルソンのTシャツを見た瞬間およよと思い、ラストカットでああなるほどと納得(あれが本気だったらある意味すごいけど)。なんとなく、軽くてゆるい(『松ヶ根乱射事件』とは全く違う意味の)撮ってみたかったのねと許せる感じ。決して面白くはいないけど。ひとつくらいかっこいいシーンあってもよかったんじゃないのとは思うけど。マット・デイモンとディカプリオがニアミスする夜の中華街のところとかさ。あと唯一のラブシーンも。あと上司が死ぬところも。話のオチに納得いかないという声が聞こえたけれど私はいいんじゃないと思った。
見ながら、私やっぱりマット・デイモン好きだわと再確認。ディカプリオは、『バスケットボールダイアリーズ』で恋に落ちた身としては複雑な気分。そんな眉間に皺寄せまくらなくても。多分もっと歳とった方がいいんだろうな。ジャック・ニコルソンは、是非ジャックくんというキャラクターグッズ(チャッキー風の)を売り出して欲しい。医者役の女優さん、初めて見たけどこれがちょっと腑に落ちなかった。魅力わからず。

夜は、新年早々友人が必見とのメールをくれた映画を見るためにシネマアートン下北沢にて小原真史監督の『カメラになった男 写真家中平卓馬』(03年)。何度も行ってるはずの劇場までの道に何故か迷い、半泣きで上映ギリギリに駆け込む。
中平卓馬というカメラマンを追うドキュメンタリー、なんだけど、私この人のこと名前くらいしか知らなくて、映画を見て初めて70年代の過激な活動やその頃病気で多くの記憶や言葉を失ったことや今は伝説の写真家と呼ばれてることを知る。
作品には、すでにおじいちゃんの中平氏がカメラ片手に自転車に乗って近所の写真を撮りまくったり沖縄に行ったりする彼の日常が映されているのだけれど、自分の行動を忘れないために煙草の箱にメモをしたり、何度も自分の過去の作品を見ながら混乱した記憶を確認したりする姿を見てると、今更ながら写真や映像の具体的な記憶としての力とその怖さを思い知る。写真と記憶と創造と沖縄の関係に執拗にこだわる中平氏を見て笑うことはできなかった。御本人、ぶっ飛んでるように見えて全然そうじゃないのがまたちょっと怖い。
ほんと「カメラになった」としか言い様のないような写真や自分との対峙の仕方、ただ圧倒されるのみ。かっこいい。アラーキーの太鼓に合せて踊る姿はかわいかった。映画から伝わる監督と中平氏の関係性も良かったな。人生とはショートホープなり。

全豪オープンテニスに夢中になり過ぎて、昼間外出するタイミングを逃す。太り過ぎ&ピアスでか過ぎのセレナ、絶対負けると思ってたのにやっぱり強いですねー。相手のイスラエルの方(名前忘れた...)も兵役中(注・女性)とは思えない内容のプレーでしたが。まったく、放送時間延長とか罪ですよWOWOWさん。嬉しいけど。

夕方になってやっと今年初のフィルムセンター、「歌謡・ミュージカル映画名作選」にマキノ正博監督『鴛鴦歌合戦』(39年)を見に行く。お客さんの多さにちとビビる。
事前に放送があったフィルム状態の悪さを懸念するも、始まって数カット目のディック・ミネによる「ぼくは殿様~♪」という陽気な歌声に心は奪われ(バカ殿キャラも最高)、その後も幸せなオペレッタ劇にひたすら心躍る。ちょんまげ姿で唄う唄う。片岡千恵蔵の、よく考えるとただの女好きじゃね?と思えるキャラクターも素敵な音楽にのってしまうとなんだか許せて。やっぱり見て気持ちよくなる映画ってのはほんと最高ですね。生きてて良かったとすら思う。これが一週間で撮影された作品って言うんだからほんと昔の人のやることって尋常じゃない。他の映画ではあまり得意でなかった志村喬がかわいくて渋くて泣けて、歌声も良くて、今更惚れてしまった。志村喬が作ってる傘のデザインもいちいちお洒落で可愛くて感動した。
見終わった後は勿論一緒に行った友人と劇中歌を歌い上げながらビールを飲んでしまう。そんな映画。

人様の御好意に甘え甘え生き続けてる27年間。本日も懲りずに甘えまくって、早春公開予定の山下敦弘監督作品『松ヶ根乱射事件』を一足お先に見る機会を与えて頂く。ありがたやありがたや。
山下監督、実は、スクリーンで見たのって『リンダリンダリンダ』くらいで、それ以前のはWOWOWとかでチラッと見たけど、それらの作品に対して「そんなみんなが言う程おもろいかー?」とあんまり信用してなくて、『リンダ...』も、おもんないと思ったわけじゃないけどあまりにも評判が良いのがなんでか腑に落ちなくて、「それほどかー!?」と1人で反抗してみたりしてたのでした。つまり、単なる反抗期のはけ口になりつつあったのでした。
なので、お招き頂いておきながら半信半疑というど厚かましい態度で『松ヶ根...』を見たのだけれど、見てみてびっくりこきまろ。面白いったらそりゃあもう。心の中で今までの自分を山下監督に平謝り。
田舎のある人ならきっと見てて目を覆いたくなるような、地元独特のゆるーい町でゆるーい人たちがゆるーい事件を起こしてんだか起こしてないんだか。とにかく出てくるものが何もかもゆるゆる。男も女も命も罪も全ての価値が安くてゆるい。なのに映画は112分間全くゆるくないから凄い。何なんでしょう、これは。脚本も演出も、わたしまけましたわ、と回文のひとつも言いたくなる程がっつり面白い。細かいギャグもずるい!と思う程ちゃんと面白い。勢いとか感情とかじゃなく、こんな風にしっかり映画の面白さを感じられる日本人若手監督の作品は久しぶりに見た気がする。笑いながら感心しながら楽しんだけど、どこまで色んなことに冷静残酷になればこんな映画が作れるんだろうと思うとちょっと怖くなったりしたけど。
出てくる役者さんもまた良い。やっぱり新井浩文の、田舎町でホントに静かにテロのひとつも起こしかねないような目つきは見ててどきっとするし、彼じゃなかったら映画のテイストもだいぶ変わったことでしょう。キム兄も期待を裏切らず。久しぶりに見た川越美和、冒頭の無駄な脱ぎっぷりの良さから感動。ゆる人間代表みたいな三浦友和の、田舎町で二枚目なダメ男っぷりも良かったなあ。あんな男が父親やったら多分殺すけど(新井くんの双子の兄役、山中崇という役者さんは初めて見たけど、こんなメンツの中で目立てというのはちょっと可哀相か)。
と、まあ、結果大変満足したわけです。山下監督、こんな映画を撮った後に『天然コケッコー』かよと思うと、映画化大反対だった気持ちもぶっ飛び、早く見たくて仕方がない。

夜、気がつけば晩ご飯を3回くらい食べてた。食べ過ぎじゃー!ボケー!

緊急事態発生緊急事態発生。姉さん事件です。やばいです。先月のカードの明細が過去最高額を記録。やばいです。新色コスメマストバイリストなんて作ってる場合じゃなかった。冬服好きやからって調子乗って買い過ぎたっぽい。でも全然着きれてないっぽい。やばいです。でも今月もハワイで舞いまくったから来月もかなり凄そうです。やばいです。

勝手に『イカとクジラ』を見るなら『リトル・ミス・サンシャイン』(ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス監督)という作品も見なきゃいけない、と思い込んでたので、「イカクジ」がつまんなかったけど変な義務感にかられて「リトサン」を見に行く。
「イカクジ」同様アメリカの新人監督、家族の再生(意味わかんないけど)がテーマ、やっぱり今更興味持てねーなと斜に構えながら見始めたのだけれど、ラストにはうっかり涙を流してしまった。面白かったのである。
9歳の妹のミスコン出場のために一家がバスでカリフォルニアに向かうドタバタ(語彙が古くてごめんなさい)ロードムービー。まずこのバスが単純に見てて楽しくてよろしい。エンジンが壊れて止まれないのでみんなが飛び乗って行くのとか愉快だし(こういう感覚が「イカクジ」にはなかった。だからつまんないと思ってしまった)。泣ける映画には不可欠の(と私は信じている)歌って踊るシーンが泣けたのもよろしい。あの瞬間でこの映画における家族の意味がちゃんとわかった。壊れかけた家族に問題児の伯父さんやおじいちゃんを絡ませたのも、話を窮屈にさせないためのいい効果が出てて良かった。何とも不思議な顔の兄役の役者も良かった。妹役の少女の体型がかなり気になった(ほんまにビア樽みたいなの。『サイン』の時はあんなじゃなかったような)。それにしても、家族の中で父親=アホというキャラクター設定はいつのまに定着したのか。
家族がテーマの映画は本当に見飽きたと最近騒いでいたのだけれど、この作品を見てちょっと考え直せそうな気がします。土曜だからかお客さんが結構入ってたけど、ヒットしてる様で何より。監督は御夫婦だそうで、次回作が楽しみです。

ジム・オルークさん(激いい人)やビートたけしのお誕生日だった昨日(1月18日)、初の姪っ子が無事sanjoより誕生致しました。しかも双子なので突然2人も。しかもおすぎとピーコとも同じ誕生日。
色々問題山積の出産だったのでかなり心配していたのだけれどなんとか母子ともに無事だった様でほんと良かった良かった。これにより、私は7人の甥&姪の叔母さんになりました。嬉しいけど、来年のお年玉を考えると少し頭が痛いです。将来、彼&彼女たちにとって、東京に住んでるお洒落で自由な独身貴族の憧れの叔母になれる様日々精進しなければ。

四元奈生美という卓球選手を今日初めてスポーツニュースを見て知った。ウェアを個性的にしたい心意気は買う、が、その前にお願いだからセンスを磨いてくれ。

数日前に塚本晋也監督の映画を見た事情とは、実は、塚本監督が演出する舞台を見に行くためのちょっとした準備体操だったのだ。演劇にも塚本監督にも吉本ばななの原作にも大した興味があるわけじゃないけど、主演の加瀬亮&市川実日子がどーしても見たくて。なので今日、久しぶりに下北沢に足を運んで「哀しい予感」観賞してきました。
いやー、ほんと加瀬亮の存在に感謝。生まれてきてくれて有り難う。加瀬さんのご両親に感謝申し上げたい。まじで。
お芝居のこと、詳しく知ってるわけでも考えたことあるわけでもないけど、この舞台が演劇じゃないってことくらいはわかるぞ。見る前友人に「絶対学芸会なはず」と忠告されて、まさかと思ってたけど彼は正しかった。
なんていうか、原作読んでないけど、ただ役者を立たせて小説の文章一語一句そのまま読ませてるような舞台で、そんなことしてたらそりゃ3時間(キツかった...)にもなるわなって感じで。しかも映画の塚本テイストとは驚く程かけ離れた少女(悪)趣味なノリで。何なんでしょうこれは。誰が何を表現したくて成立してる舞台なのか一切理解できなかった(えらい豪華にちゃんと作られたセットには感心したけど)。
そんな「もう勘弁してよ~」とぐったりしてた時、加瀬亮が姉に自分の気持ちを吐露する独白のシーンで一瞬だけ目が覚めて、なんの脈略もなく突然泣きそうになった。改めて凄い力を持ってる役者さんだなとすっごい感動した。市川実日子が可哀相になるくらいの顔の小ささにも感動した(実日子ちゃんの肌の白さと目の大きさにも興奮したけど)。この役が加瀬さんじゃなかったら途中で席立ってたかもくらいの、そんな演劇鑑賞でした。とほほ。
中学生の頃から想い続けてる田口トモロヲさんとロビーで遭遇出来た。すっげー嬉しかった。

森上さん残念~。でも二回戦にしては相手が悪かった。次回に期待。

予告の時点で、端々から伝わる「インテリな僕(監督)がちょっと情けない映画撮っちゃいました。でも見る人が見ればインテリってばれるんだよね感(長い)」にむかついて、見る気は全くなかったのだけれど、周囲の評判があまりにもまっぷたつでちょっと興味を持ってしまったので見てしまった『イカとクジラ』。監督脚本はノア・バームバック。ウェス・アンダーソン監督『ライフアクアティック』の共同脚本書いた人ですって。
良いと言う人もいればダメと言う人もいるこの作品、私はダメでした~。なんかごめん。
あんまり意味の分からない手持ちカメラは気分が悪くなるから嫌い、という超個人的な事情はさて置き、勿論確信犯なんだろうけど登場する男たちのキャラクターがあまりにもうっとおしくて、劇中ではピンク・フロイドなんて洒落た音楽が流れてたけど私の頭の中じゃ『虹とスニーカーの頃』(チューリップ)の出だしがリピートされてたよ(男と女を親と子どもに変えても成立すると今気づいた)、という個人的な感情をさて置いても、なんだかなあ。
両親が離婚するってところから映画は始まるけど、離婚=問題、の理由が映画の中で納得できるシーンがひとつもないのがやだった。勝手に自明のこととして脚本進めんなよ、みたいな(そういう映画、ってか人間ほんと多いけど)。今更映画のネタにする程面白いかね、家族って。
行為の小ネタの連続で映画が進んでいくのも好きじゃない。ネタのセンスがまた全部今イチで、こんなならもっと面白い放送作家に考えてもらえばと思ったり。
と、こんな風に愚痴ろうと思えばまだまだ愚痴れるのは、単純に私の男&家族嫌いに端を発してることぐらいは重々承知してますが、私は悪くないもんね。こんなコントとも映画ともつかないようなモノ作る方が悪いもんね。
父親役がジェフ・ダニエル(『Mr.ダマー』のジムの相棒)とは気付かなんだ。弟役のオーウェン・クライン(フィービー・ケイツの息子)が可愛かったのが救い。

なんて、ちょっぴり荒れた気持ちを哲郎になだめてもらおうと、今日もお口直しにシネマヴェーラへ。
石井輝男監督の『決着(おとしまえ)』(67年)。哲郎の出番が少なくてやや残念も、若き日の梅宮辰夫のむっちりキラキラした容姿がやや暑苦しいも、あまりの面白さにすっかり上機嫌。
浅草を舞台にしたコテコテのヤクザ闘争、と思いきや、組と組が縄張りの取り合いで争ってるところに、何故かそこにほんまに無関係過ぎる謎の殺し屋丹波哲郎(二枚目)が現れるだけで映画の雰囲気がガラッと変わるからあら不思議。別にウケを狙ってるわけじゃないだろうけど、哲郎が出てきただけで劇場のお客さん(少なし...)の待ってましたと言わんばかりの楽しげな笑い声が響き、私も思わず拍手のひとつもしそうになった(多分しても誰も怒らなかった)。なんだか幸せな88分なのでした。
哲郎が出てこないヤクザ映画部分も、組長と手下の泣けるやりとり、ドスを振り回しておとしまえをつけるラストシーン、登場する意味がよくわからなかったけど梅宮辰夫と風俗嬢のラブシーンなど痺れポイント満載。雨降ってたから行こうか悩んだけど、見て良かったっす。

フェデラーさまはパーマをあてたのね。貴公子フェイスにはどんな髪型も良くお似合いです。

ちょっとした事情がありまして、久しぶりに塚本晋也監督の映画『悪夢探偵』なんて見に行ってきました。
これが、うーむ、映画リハビリ中の身には、やたら激しく揺れ動く映像とノイジーな音楽に異常に体力を消耗してしまい、疲れた。そんななのに人物達のセリフがいちいち説明的で、そのバランスの悪さに乗り切れず。ヤル気のない探偵ってキャラクターは面白いと思ったけど最終的な犯人が怪物なのか人間なのかよくわからん、と思ってたら今チラシを見ると第一弾って書いてあって、シリーズ化するってことは『デスノート』的なノリ(漫画風というか)の映画と捉えればいいのかと理解すると、『デスノート』の勝ち。さすがに陰惨な死体とか塚本晋也の独り舞台は凄かったけどさ。でもこれなら映画以外のものでも良くね?みたいな。
久しぶりに見た松田龍平がかっこよくなってて驚く。髪型がかわいかったので真似したい。hitomiさん、スタイルが良いのはじゅーーぶん分かった。演技が下手なのも分かった。でもね、映画に出るにはそんなことよりね、お肌をもうちょっとね...。あれをあんなにアップの連続で責める監督とキャメラマンはあまりにも罪深い。

と、07年の邦画初めが調子良くない感じだったので気を取り直してシネマヴェーラさんの丹波哲郎特集に行き『白昼の無頼漢』(61年)を見る。深作欣二監督の初長編だそうな。
見てみてびっくり、若い頃の丹波哲郎かっこいー。妙に英語が堪能なのもかっこいー。普通にうっとり眺めてしまった。
作品も、82分の間に日本人朝鮮人白人黒人混血が入り乱れ、ロマンス有り裏切り有り強盗有り撃ち合い有り人種差別のブラックユーモア有り純愛有りダイナマイトの爆発有りで休む暇なく楽しめた映画でした。しかもラストカットの予想外さが凄い。やられた。こんな初期の深作監督作品を見たのは初めてだったけど、機会があるならもっと見てみたいなあ。

祝、森上亜希子全豪オープン一回戦突破!

一年の最初に見る映画は、出来れば派手なハリウッド映画にしたかったのですが、何度「ぴあ」を読んでもこれと思える映画が見つからなかったので、ちょっと地味目に『ヘンダーソン夫人の贈り物』で映画初めすることにしてみました。スティーヴン・フリアーズ監督、あんまり見てないけど『ハイ・フィデリティ』はかなり好き。これでジョン・キューザックに惚れてしまいました。
1930年代のイギリスで、未亡人になったお金持ちのおばあちゃんが劇場を買って支配人を雇って色々面白い事をやって、途中なんやかんやありつつハッピーエンド(第二次世界大戦始まったからそうでもないのか)という可愛らしい物語で(実話だそうですが)、映画自体も見ながら自然と笑ってしまうような(でも泣けたりもして)可愛くて素敵な作品でありました。細かいギャグが笑えて、派手なレビューの場面ではうっとりできて、未亡人と支配人のやりとりにはハッと出来て、戦争に対する思いには泣けて。おばあちゃんや若い女の子達の衣装も素敵で見てて楽しかった。水に落ちる女の子の微妙な美しさも良かった。満足満足。
個人的な生活の新年はぱっとしなかったけど、映画生活をスタートさせるには大変幸先の良い作品でした。既に結構お客さん入ってたけど、なんか今イチ見る映画ないなーって方は是非。

久しぶりに人混み(渋谷)に出たせいか夜にはどっと疲れが出てしまい、久しぶりの23時就寝。やっぱ東京は都会やねえ。

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で、なんでこんな美しい虹(よく見ると二重!)を見せてくれた国アメリカに対して私がご立腹かと言うと、今回十数年ぶりにハワイを訪れた父が、十数年前の悪夢再び、ハワイの空港警察に拉致・数時間に及ぶ取り調べを受けるハメになったからですよ。
前回そんな目に遭ったのは、身内から見てもそのパンチパーマ&ギラギラした外見はやばいでしょとちょっと納得できる部分があって、でもそんな理由で(きっかけはほんまそれだけ)ほぼ丸一日空港に日拘束されたのは理解出来ないしそれに懲りてアメリカから遠ざかってた父の気持ちも分かる。でもそれからだいぶ経ってるし、別にその間何かやらかしたわけでもないからもう大丈夫だろうと信じてたのに、そんな過去があるからと言う理由だけでただの一般市民を入国拒否寸前まで追いやるのは如何なものかとムカつくわけです(今回は5時間近く拘束の結果、「アメリカに入れるのは今回が最後」と宣告され入国許可して頂きましたけど)。そりゃうちの父はちょっぴり前科があったりちょっぴり裸体が派手だったりするけど、こんな身長162センチ、足のサイズは23・5、もしかしたら4頭身?くらいのしょぼいおっさんに今更何ができると言うのか。所詮は自分たちが引き起こしたテロのせいで疑わしきものは全部拒否、という姿勢が意味不明過ぎてうんざり。前回は韓国籍で何故今回は日本籍なのかってアメリカ人に妙な疑い持って聞かれても説明難し過ぎるし。
ついでに、税関で指紋とられたり顔写真撮られたりするのもむかつくし、飛行機に一切の水分(なぜかマスカラまで!)持ち込み禁止もワケわかめやし、ハワイのあらゆる場所(ホテルの室内まで!!)禁煙なのも理解不能。なんだか変な方向に突っ走ってるなあアメリカ、ってのが久しぶりに訪れた率直な感想。日本もこんなになっちゃうのかと思うと切ないもんがあります。はあ。

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アロハ!!一週間滞在したハワイ、一度も砂浜には行かなかったけどホテルのベランダからの眺めはこんな感じでした。相変わらずめちゃくちゃいいとこやったけど、私はやっぱり東京が好きさ。
やっとこさ、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
新年早々(でもないか)疲れております。そして怒っております。怒りの矛先はアメリカ。敵はでかいけどむかつくもんはむかつく。でも今は疲れているので詳細はまた明日。

私としたことが、映画初めがまだであります。大阪&ハワイパワーで脳みそが溶けかけており、ただいまリハビリ中。ごめんなさい。

そうそう、年末に「07年はグレる」発言をしたところ、やめておけというご意見が複数寄せられたので、やめます。今年も真面目gojoですが、どうぞお付き合い下さい。