夜遅めスタートのパーティーの前に映画でも、と軽い気持ちで『グアンタナモ、僕達が見た真実』(マイケル・ウィンターボトム&マット・ホワイトクロス監督)を見たのだけれど、作品のチョイスが悪かったっぽい。めでたいことの前に見る映画じゃなかった。観賞後はかなりブルー。
全く無実でごく普通のパキスタン系イギリス人の青年3人(当時は十代)がアフガニスタンでアメリカに拘束され2年以上グアンタナモの収容所生活を強いられた、という実話についてのドキュメンタリーのようなフィクションのような。本人たちのインタビュー挟みつつ再現ドラマありつつ。で、そのグアンタナモで容疑者が収容されてる檻や拷問の様子の描写が本当に酷くて見ててものすごく悲しくなる(まじ動物園みたいだったり滅茶苦茶な尋問だったり)。プロデューサーさんが予算を惜しまなかったと言うくらい力を入れて作ったセットなんだから相当丁寧に実際のものに即してるんだろうと思うと更に。ううむ。『幸せのちから』なんて映画を作ってヒットさせてる国の現実と真実がこれかと考えるとやりきれないものです。でも見てよかったです。ラスト、収容されてた青年の1人が言った「世界はいいところじゃない」という言葉が印象に残る。
ウィンターボトム監督、『ひかりのまち』の何とも言えない暗さと痛さが私は結構好きなんですがね。

で、夜はかわいこちゃんの23歳のお誕生日を祝う会。肌ぱんぱんなのな。

かなり頑張って診察の予約時間に間に合う様に早起きしたのに、医者のやっつけ仕事感に少し傷つく。そりゃ朝っぱらから患者並びまくりで大変やろうけどさー。ぶー。それでも入院中泣き過ぎネタで私をいじることを忘れない鈴木くん。ドSめ。

と、早起きしたのでちょっとお昼寝、のつもりで横になったら爆睡してしまい、目覚めた時には日が暮れてて大ショック。でも徒歩圏内(結構頑張るけど)に映画館があるって素晴らしいですね!ということで、フラフラと園子温監督の『エクステ』を見に行く(20時以降の上映は1200円と良心的な劇場だった)。園監督、実はほっとんど見たことないんですけど最近あまりに評判がいいのでいい加減見とこと思って。
確かに、黒い髪の毛の塊って自分のものでも見た時は一瞬ドキッとするものなので、冒頭の、コンテナいっぱいの黒髪とか髪の毛マニアの死体安置所の管理人なんかは面白いじゃないかと思ったけど、せっかく役者がいい芝居してるのに(端役のつぐみと山本未来がとても良かった)、中途半端にCG使ってホラーなんだかコメディなんだかわかんない映画になってしまったのは残念(オチらしきラストシーンのセンスは微妙過ぎるし)。これなら正統なホラー映画でも充分成立したんじゃなかろうか。物語としてももうちょっとじっくり進めても良さそうなものなのに、後半無理矢理感でかし。
そして本編とはあんまり関係ないけど、キーとなるメインの死体(?)のトラウマ映像が必要以上に性的に暴力的なのがやや不愉快であった。臓器摘出だけならあんなにレイプを想起させることはないし、もしそれがあったと言いたいならあんな中途半端な表現は卑怯だぜ。あと、子どもを堕ろした云々のネタももうちょっとスマートに出して欲しかったな。
しかし、大杉漣の、あまりに節操なくハジけまくった狂人キャラの芝居には、しつこいと思いつつも笑わずにはいられなかった...。弾き語りとかずるいし!
ただのイメージだけの配役かと思ってた栗山千明が意外と普通の芝居をしてて良かった。個人的好みとしてはもうちょっと声が低くあってほしかった。笑顔が鈴木亜美に似てると新発見。
それにしても、藤沢ってきれいでいい場所ですね。住みたくなった。

今日の私はいんぐりもんぐりの歌で表すと(分かってくれる人がいるととても嬉しい)「ぽっくんは歩く身代金~」って感じで。万が一誘拐でもされると御坊茶魔並の被害額って感じで。気持ち的には亀に乗って移動してるみたいな感じで。いたらきもちって何やって感じで。好きなキャラクターはびんぼっちゃまととおりがかりきくぞうさんです。
紙切れ持ち歩くくらいなんてことないやろと思ってたけど実際やってみるとかなりのプレッシャー&スリル感。もしものことを思うと歩いてても電車乗ってても落ち着かなくて大変。いくら取締役の仕事とは言えこんな業務は2度とごめんだわさ。

そんな浮ついた状態で見たからいけなかったのか『カンバセーションズ』。K原さんありがとう。
20代の頃短期間結婚してた男女が38歳になって久しぶりに再会した一夜の物語、が御丁寧に全編分割画面(デュアル・フレームって言うの?)で表現されている。タイトルからも分かる様に84分間殆ど男と女の会話シーン。
そりゃめっちゃくちゃ手間かけて撮られたのはわかりますがね、これじゃあね、かなりよく似た設定&物語の『ビフォアサンセット』を見て出直せ!監督はジュリー・デルピーの歌声を聴いて、自分の作った物が実験的でもなければ映画でもないと気付け!と声を荒たげたくなる。この怒りは主演女優(ヘレナ・ボナム=カーター)が好きじゃないってことだけが理由じゃないはず(あの、どう見ても38歳感丸出しのヌードを披露したのはすごいと思うけど)。だって、人間なんて一度に見れるものは限られてるのに、画面を2つに割ったところでそれが作品に与える良い影響なんてなくない?気が散るだけっつーか。
なんだかなー、こういうのがアート映画とか思ってんのかなー、とハンス・カノーザ監督の経歴を見てみるとこれがかなり特殊(宗教上の理由で映画やTVを一切禁止されてた幼少時代。ハーバード卒)で、やっぱり映画教育って大事なんだななんて思ったりした。

久しぶりに日仏学院に映画を見に行ったら、チケットを買う際背伸びをしてる自分に気付く。カウンターの高さまでフランス人仕様なのね。
「世界の映画と共にある都市、パリ」という特集だということは知らなかったのだが、とりあえずエルンスト・ルビッチ監督の『生活の設計』(33年)を見る。ルビッチ大好き。数本しか見てないけど。
始まる直前、この劇場では確認必須の字幕の有無をチェックし忘れたことに気付きかなり焦ったのだけれど、冒頭の、電車の個室で男が2人居眠りしているところに美女が現れ、男たちの似顔絵を描きだす、という数分の無声シーンで「もう字幕なんてどうでもいいわ」と思える程満足(それでもやっぱり字幕付きとわかったときは安心したけど...)。
物語は、親友同士の2人の男がひとりの女性に惚れ、なんとか3人でうまくやっていこうじゃないかと協定を結ぶという大胆にモラルに反した恋愛映画。面白いのなんのって。立派な大人たちが恋のためにアホなことばっかり本気でやってる姿が笑える泣ける。窓際のカップルの姿が美しい。ってかミリアム・ホプキンスが可愛過ぎる。首のラインがたまらない。
ラストの、他の男性と結婚してしまった彼女の元に2人が現れるシーンで大爆笑して大満足。ええもん見せてもらいました。

30年代の映画の後は新作を、ということで、池袋に移動して『幸せのちから』。実はかなりのウィル・スミスファンなもので。ガブリエレ・ムッチーノという監督さんはスペイン人だそうな。
ウィル父子初共演の涙モノと聞くと、どんなにベタな話でも泣いてしまうだろうとハンカチ片手に観賞してたらかなり予想に反してびっくり。ほんとになんの躊躇もなく「一流企業に就職することこそが幸福!」というメッセージを発している映画だった。こんな、みんな思ってたけど口に出すのは控えていたことを堂々と言ってしまう度胸にちょっと感動。
母親がいなくなろうが父親が自分勝手だろうがそんな両親によって息子が下らない我慢を強いられようが、一流企業に就職すればハッピー!貧乏なんて2度としたくない!というお話です。かなり写実主義ですね。私には全くもってピンときませんけど(そりゃ本当にお金のない苦労は知らないけど、お金があったからって幸せじゃないことくらいは知ってる)。
実の父子、ってことで、もっと息子が活躍するのかと思ってたのに大して出番がなくてちょっとがっかり。ウィル・スミスが美しいフォームで走りまくる姿はかっこよかった。最後の涙を我慢する表情はやっぱりちょっと良かった。なんか面白いなと思ってたら、カメラマンはフェンド・パパマイケルだった。

昨年の12月の日記で大々的に宣伝しておきながら、今更読み終わった新藤兼人の「作劇術」...。全然賢くなかったですね...。いやあ、でももっと早く読めば良かった!と後悔する程面白かった。てか新藤さんにちょっと惚れた。
まず95歳と思えぬ驚異的な記憶力に驚き、どんな大御所監督であってもばっさばっさ斬っていく姿勢がかっこよく、そして負け惜しみとかじゃなく本気で自分がやりたいことのためにメジャーに迎合することを頑に拒否する態度に感動。こんなに凄い人だとは思ってなかったです。なんかごめんなさい(下積長子)。こんな方が今尚現役で映画を撮ってらっしゃるかと思うと「やっぱり今の若者はダメだね~」なんて言いたくなってしまう。ヤングたちにはもっと頑張って頂きたい所存。

ヤボ用のため新宿に出たのでついでに映画を見る気満々だったのに突然猛烈な焼き肉食べたい欲に襲われたので、急遽友だちを強引に誘って肉に溺れる。だめですね。で、食ったり飲んだりしながらダラダラ話しこんだ結果、「私たちが賢過ぎる!」という世にも恐ろしい結論に。だめですね...。

すっごい坂の上にある姉の新居に通うために電動自転車を購入しようと思ってカタログを眺めていたら「適応身長153センチ以上」の文字が。差別反対!!

2月22日は猫の日ですよ!!という報告。

映画リハビリ第一弾として、塩田明彦監督の『どろろ』をチョイス。どんなに酷評されてようとやっぱり塩田監督の作品は見ておきたくて。
でもあまも評判の悪さにちょっと憂鬱な気持ちで見始めたのだけれど、2時間以上質の悪い椅子に座って頑張った結果、結構満足してしまいました。いや、映画として面白くないってのはわからなくもないけど、それに対しては監督が無自覚ではないと言うか色々わかって考えた結果この作品なんだなというのが見ててわかるので文句言う気は起こらない。
てか、そもそも手塚治虫の原作を読んでなくて、どろろが大人であることとか差別表現が出てこないとかキャラクターの性格変わり過ぎとかいう苦情に対しては「ああそうなんですか」としか言い様がないけど、むしろ原作を全く知らない私が映画に対して普通に面白いと感じたからそれはそれこれはこれでいいんじゃないの、ってことじゃないのかしらん。隣りの女子高生泣いてたし。途中の戦闘シーンとか絶対ただのギャグやと思うし、そのギャグセンスも中々笑えたし、あれに「CGがしょぼい!」とか難癖つけてもねえ。でも柴咲コウが返り血を浴びるネタはとことん最後まで引っ張って欲しかった...。
妻ちゃんにはもうちょっと頑張って欲しいかなー、とは思った。存在に迫力なさ過ぎ。柴咲コウ、最後の芝居はほんと素晴らしいと感動したけど、いい加減に1)強気ぶってる表情2)心を許して弱気になる表情以外の演技を習得しないと先がないんじゃないかと老婆心。
ぴっちり横分け鼻でか兄さんは(映画の中では1回も横分けじゃなかったけど...)この程度の露出量なら丁度いい感じで良かった。『壬生義士伝』のラストくらいになると暑苦し過ぎて疲れたけど。それにしてもニュージーランドってすごいなあ。ほんとになんもないのね。
これはやっぱりあと24匹倒すまで続編続編で引っ張るのかな。ちょっと微妙。

と褒めておきながら、先日某監督に伺った某『どろろ』案を思い出して、ああやっぱりそっちの方が見たかったかも...、と不謹慎なことを考える。

ここ数日で時間なさ過ぎ&決断力なさ過ぎの姉に代わって、新居の家具やら家電やらをインテリアデザイナーさながら超適当に選びまくって買いまくってたら疲れた。ふう。ついでに胃の調子が治って増量計画中の姉に付き合って中華やらてっちりやら食いまくってたら確実に太った。ふう。それにしてもオーダーカーテンって高いですね。可愛いけど。
姉といると楽しいことこの上ないのだけれど、普段から停止気味の思考能力が更に停止する傾向にあるので、こんなちょっとの期間でも既に映画ボケ気味になってる頭。明日からまたリハビリ開始予定。

黒川紀章って若尾文子の旦那だったんですね。初めて知ってびっくり。

ちゃんと「ウコンの力」飲んだのに二日酔いじゃ。やっぱり朝の7時までは効いてくれないのか...。

えーっと、明日からまたyonjoが上京。今回は気合い入れて家具や家電を買うツアーに付き合わなければいけないのでもしかしてもしかしたらまた数日日記が止まってしまう可能性が有りまする。ご了承下さいな。

昨年から粛々と行われていた、ロリコンでおとなしそうに見える女が好きな男に受けが良過ぎる外見(ほんと外見だけなんですけど)をなんとかしようキャンペーン。その一環としてまず髪を切ってみたら、ちょっと年相応に見える様になったと言われたのに気を良くし、今日は髪の毛を染めてみました。5年ぶりくらいに。ついでに生まれて初めて眉毛も染めてみました。
地髪のあまりの黒さに一度じゃ全く色素が入ってくれず、美容師さんに半泣きで「もう一回やらせて下さい!」と頼まれ2回連続染髪という大技を披露、3時間近くかかってしまうとハプニングもありましたが、久しぶりのイメチェンに満足なgojoさんなのでした。なんか、髪型とか髪の毛の色に固執してる女と思われるのはかなり不本意でね。

夜は、素敵な大人の男性に囲まれ、ほんま居るだけで笑いが止まらなくなるくらい怪し過ぎるタイ料理屋でおいしいご飯を頂く。楽しかったです。

そして予想外の二日酔いによりお日さんが出てる間の予定は全部キャンセル。ごめん。

夜な夜な街に出て、ユーロスペースのダニエル・シュミット監督特集最終日にはなんとか。本日は監督の遺作『ベレジーナ』(99年)。いつものようになんの予備知識もなく見始めて、あまりのギャグレベルの高さに驚きまくる。こんなアホらしくていいのかと不安になるほど。めちゃくちゃ面白かった。
スイス国籍取得を夢見る心美しいロシア娘が高級娼婦として利用され、色々色々あった挙げ句ラストには彼女が国を作ってしまうというおとぎ話のような素敵な物語...。彼女を買う国のトップたちはみんな変態プレイがお好き。笑える。でも花火のシーンや彼女が唄う場面は美しくてうっとり。そして彼女が自殺未遂を図ってからのおじいちゃんたちの活躍っぷりには声を出して笑ってしまった。旗の出し方とか。
今まで数本見たシュミット監督の作品とはやや雰囲気が違う様にも感じたけど、凄い映画には違いなく、大満足であった。

あ、先日なくしたパンフレットは無事発見されました...。

これまたぼーっとしてる間に今週いっぱいで上映終了になってたフィリップ・ガレル監督『恋人たちの失われた革命』を急いで見に行く。182分と長めなので気合いを入れて。
始まってまず、モノクロ画面の黒の濃さに驚く。ということは白がめちゃくちゃ白いんだけど。夜の街の街灯や、主演のルイくん(監督の息子)の彫りの深い顔が本当に美しい。
68年の五月革命で戦った若者たちがその後夢や理想を語りつつクスリにハマって破滅していく、特に目新しいストーリーなわけでも、映画自体も特別変わったことをしてるわけでもないのに、3時間以上ほんと退屈せず画面を凝視し続けられたすごい映画だった。見ながらなんとなく思い出したのは『夜よ、こんにちは』と『私は20歳』。
閉じこもってんだか閉じ込められてんだかよくわからないハタチの頃、現実はこんなに美形揃いではないけれど、ダンスとセックスがどうにかしてくれるわけでもなく。苦悩が見てて痛かったです。

映画に感動して久しぶりにパンフレットを購入してみたりしたのに、泥酔した挙げ句帰宅時には手元になかった。ショック過ぎます。

世間の皆様がエセ資本主義が作り上げた恋愛至上主義という幻想の思うツボにハマってバレンタインなんて騒いでる間、私は朝っぱらから病院で血やら尿やら採られてましたよ。さすがに切ないわ。

でもアテネフランセさんでは今日から楽しみにしていた松川八洲雄監督特集だし、いいもんね。
松川監督、05年のフィルムセンターの記録映画特集で『不安な質問』(79年)を見た時の衝撃は未だ忘れ難く。あんな映画を撮る人の他の作品を見る機会をずっと待っていたのさ。それが追悼特集とは悲しいけど。
と心躍らしてた割にはちょっと油断してまして。余裕のつもりで開演数分前に行ったら既に長蛇の列。こんな人気監督だとは存じませんでした...。ごめんなさい(お客さんの殆どはアテネフランセ初体験風の高齢者の方々で、階段が辛そうでした。ほんま予算の3分の一くらい出すからエレベータ設置を推進します)。
『ムカシが来た』(93年)&『飛鳥を造る』(76年)。消失した江戸時代やら飛鳥時代の建物の復元の記録映画で、両方心地よく50分程度にまとめられてるけど実はかなりの時間撮影してるよなと想像するとくらくらする。あらゆるものの音(ナレーションも)がすごくよかった。あと単純に、削った木をテトリスみたいにぱこぱこ填めていく職人さん達の技術に見惚れた。
『一粒の麦』(62年)は、未見だと思ってたけど以前に見てたっぽい。でも科学映画はいつ見ても何回見ても楽しいなー。麦さんも美味しいビールになるために色々大変なのねとちょっと同情(植物を擬人化して説明する時に、おしべとめしべが受精する行為はセックスでなく結婚と表現するのにはちょっと笑った)。
代表作のひとつだそうだが全然知らなかった『鳥獣戯画』(66年)にはかなりやられた。ただ鳥獣戯画の絵が特にストーリーがあるわけでもなく30分間映ってるだけの映画がかっこいいこと面白いこと。オペラだか合唱だかよくわからない音楽。40年以上前の映画なのに前衛的過ぎる。やばい。
『ヒロシマ・原爆の記録』(70年)は原爆投下直後に映されたフィルムを編集やコラージュして作られた作品だそうだが、ただこんな生々しい被爆者の映像を見るのが生まれて初めてだったのでかなりの衝撃であった。なむ。
で、例によって途中のトークイベントは欠席...。

と一気に5本も作品を見たのだけれど、バラエティー豊か過ぎて全然把握しきれない松川監督。ショック。

黒いセーターでばっちりキメたつもりが紺色だった、という事実に会社で気づき、仕事が手につかないくらい焦る。こんな社長でごめんなさい。
あまりに落ち着かないので一旦ウチに帰って着替えてから再び街へ。アホかも。

どう考えても第一部から見るスケジュールが組めないので諦めに徹し見て見ぬフリしてたシネマヴェーラさんでのマキノ雅弘監督次郎長特集。しかしやっぱりどうしても見たい欲望が押さえきれず行ってしまう。でも今日は番外編的な『次郎長遊侠伝 秋葉の火祭り』(55年)だしいいよね。と、自分を甘やかして正解。相変わらず次郎長は最高かっこよくていい奴で強くて素敵だった。ややノリ軽過ぎ&女たらし風キャラにちょっとびびったけど、でも惚れ直した。暗闇の中刀がぶつかる時の摩擦の光だけが輝くチャンバラとか、かっこよ過ぎてずるいし。
次郎長以外のキャラクターの話も群像劇の様に差し込まれるのだけれど、森繁久彌の可愛いこと可愛いこと。インチキ臭過ぎる田中春男も見てるだけで笑えてよろし。そして女ヤクザを目指す北原三枝のきれいでキュートなことったらもう。くるくる動き回りながらひょいひょい進んでいく姿に恋に落ちてしまいました。ああ、やっぱり無理してでも全部見ればよかったかなー。

夜は、先日の日記を読んだ御方から「シュミットは立ち見ででも見ろ!ボケ!」と叱咤のメールを頂いたので、混雑覚悟でユーロスペースでのダニエル・シュミット監督特集のレイトショーに向かう。同じビルですけど。せっかく行ったのに今日は見たことある作品でしたけど(やっぱり今日も立ち見が出る程混んでた)。
15分程度の『KAZUO OHNO』(95年)と坂東玉三郎のドキュメンタリー『書かれた顔』(95年)。以前見た時はあまりシュミット監督の作品を見たことない状態だったのでよくわかってなかったけど、今回改めて見るとかなり普通というか一般的なドキュメンタリーとは異なる、シュミット臭のする映画だと気づく。なんというか、ドキュメンタリーのくせに全体的に不穏で、誰視線なのかがよくわからないと言うか。劇中大野一雄が出てくる時点で穏やかなわけないんですけど。でもあの東京湾でのダンスシーンはあまりに美しい。玉三郎の舞台(特に最後の)にも息をのむ。しかし素顔で喋ってる玉三郎がだんだん可愛く見えてくるから不思議...。杉村春子もやっぱりかっこよかった。
上映終了後には、『書かれた顔』の助監督をなさった青山真治監督のトーク。御自身の自慢を交えつつも、青山さんは本当にシュミット監督のことを愛していたんだなあと感動出来る素敵なお話が聞けた。

みなさまの祈りが天に通じたのか、姉夫婦の面接はなんとか上手くいった様です。結果、この春からyonjoは晴れてご近所さんになります。くわばらくわばら。
ということは、これからしばらくの間週末は彼女の諸々の準備や手続きなどに付き合うこととなり、日記も滞りがちになると思われます。ということは、ほんとに限られた彼女の「子どものいない週末」という時間にも付き合うこととなり、体力の方も異常に消耗されることと思われます。姉といるのはほんまにおもろいのでそれは別にいいんですけど、映画を見る時間が減ってしまうのはちと痛いかな。なんとか平日がんばるんば。

今日は、先週末姉のお供をして溜まった疲労&生理痛を抱えた体を休めるべくひたすらゴロゴロしながらNHKのクローズアップ現代の「好調!日本映画」を見てました。シネカノンの新しいファンドに感心しつつ、東宝プロデューサーの言葉や新しい取り組みを目の当たりにし、未見だけれど、こんなところで『どろろ』を撮った塩田明彦監督の御心労を想像して泣きそうになった。

そして早速姉の上京計画に振り回されております。
先日不動産屋巡りをした際に出会ったナイスな物件の大家さんが突然日曜に面接を行いたいと仰ってきたということでそれに合せて再びyonjo登場。再びお世話係gojo登場。
息子達の春からの幼稚園入園とかを考えるとこれ以上部屋探しに時間がかけられないのでなんとかこの部屋で決まって欲しいと騒ぎまくってる姉。私も体力的にこれ以上あちこち歩き回るのは無理。ということで、どう頑張ってもカタギに見えない姉夫婦(姉・完全巻き髪派&秋吉久美子激似フェイス、義兄・ガタイのいい体&スキンヘッド&あご髭)が閑静な住宅街にマンションを持つ80歳のおじいちゃん大家さんに気に入ってもらえる様みなさんもお祈りしましょう。

最近ちょっと目を離した隙に上映が終わってる映画が多いので、そうなる前にと熊切和嘉監督の『フリージア』を見に行く。原作の漫画は読んだこと無し。
熊切監督は色んな意味で期待してる方なので、今回の作品にも期待に胸を膨らませていたのだけれど、ううむ。
本格的なガン・アクション、それも日本の本当に普通の町並みの中でかっこいい撃ち合いをなんの違和感なく成立させてしまう映像にはめちゃくちゃ感心したし、竹原ピストルはやっぱり良い役者だと再確認できたし、西島秀俊はやっぱり良いどころじゃないもの凄い役者だとも再確認できたしでいいところもあったのだけれど、いくらなんでも物語と言うかドラマを適当にあしらい過ぎな気がしないこともないような気がしないことも。トラウマ→敵討ち法→対決という展開が原作に忠実なら仕方ないのかもしれないけど、あまりにもアクションシーン以外に迫力がなくてちょっとがっかり。『青春☆金属バット』は男女2人がアパートにいるだけのシーンでグッと出来たのに。若干キャスティングにも納得出来ない部分も有り。次回作には、いつものような狂ってるのに泣ける映画を期待。(渋谷の街頭での宣伝作戦には大いに心打たれましたが!)
初めてちゃんと見た玉山鉄二くん、役者としての良さはあんまりわからなかったけど、彼のことは出身地の一点のみで大いに支持。会えば絶対に近所のイズミヤの話で盛り上がれるはず。

私がユーロスペースのレイトショーに行かない理由はただ人が多い場所に行く体力がない、の一点のみです。立ち見とかいう噂を聞くとどうもね。なんかすんません。

昨夜久しぶりに「ぴあ」をめくっていたら、いつのまにやら殆どの劇場で明日で上映終了状態になっていた阪本順治監督の『魂萌え!』。かなり前から見るのを楽しみにしていたのになんて骨体、と急いで劇場に向かう。普段はあまりお目にかからない、マダム風一人女性客多し。
阪本監督、『顔』(00年)は大好きだけどそれ以降の作品には正直「うーむ...」と思わされるもの多数。なので今回もあまり期待はしてなかったのだが、見てみてびっくりびっくりびっくり。くり。と意味不明な感嘆詞を漏らしたくなる程面白かった。gojo大満足。『亡国のイージス』なんてマッチョ全開な映画を撮った人の作品とは俄に信じられない。
桐野夏生の原作は読んでないのだけれど、物語は、定年退職した夫と妻(60歳目前の主人公)の平和な生活が夫の急死により愛人の存在が発覚したことから一変...、と特に奇異なストーリーなわけでもない。が、主人公と愛人を巡る女の下世話さが分かりやすいけど納得出来るような表現だったり、主人公の高校時代からの同級生達との関係が見てて気恥ずかしくなるギリギリ一歩手前な演出されてて感動できたり。その他の細かいエピソードも、比較する事自体が間違ってるとしても、『顔』より俄然面白くなってるとひたすら感心。映写室やらカプセルホテルやら。
そして、映画全体を通して「女って阿呆よね。でもそれ以上に男って本当に阿呆よね。」というメッセージが伝わってくるのが素晴らしい...。この脚本を書いた監督は凄い。故に、60歳前後のおじさんは勿論、21世紀において美貌と若さを拠り所にハイパーガミーを本気で夢見てるような私の敵な女性たち(全否定はしませんが)にも是非見て頂きたいところ。
更に、宣伝文句的にはポジティブな作品風だけど、実際は『顔』同様、主人公は全く幸せになってないと言う悲惨な作品であるところもよろしい。最終的に手袋選ぶとかさ。人生はそう簡単に味方にならないものですからね。
と、そんなことより、とにかく風吹ジュンの可愛さがやばい。常磐貴子の負けっぷりが可哀相だった。この歳でこんなけ首筋出して(背中まで!)悲壮感なくスクリーンに映れるなんて。いちいちの表情がほんと良い。「ママはアイドル」の時から好きだったけど、改めて惚れ直しました。
他の役者さんも、豪華キャストなだけあってとても良かった。三田佳子も良かったんじゃないでしょうか。
いやあ、まじで良い映画だと思うんだけど、明日以降はモーニングショーになっちゃうのよね。残念。でも有楽町の劇場ではしばらくロードショーらしいので機会があれば是非是非。

あんまり関係ないけど、少し前までは映画の中に出てくる携帯電話ってあまりに安易な使い方しかされてなくてイライラしたけど、さすがに最近は活かされてる作品が多くてすっきり。

ぬおお、初の無断欠勤。高校は無断欠席し過ぎで留年しかけた私が律儀に書き続けた日記にとうとうボロが...。
実は、姉(yonjo)が来月から子連れで東京に越してくることになり、ここ数日彼女の部屋探しやら保育園探しやらバーニーズや伊勢丹での買い物やらに付き合ってばたばたしまくってたもので映画を見るどころでもなければ日記を書くどころでもなく。今日のお昼に彼女は一旦大阪に戻ったが、その後映画を見るパワーはとてもなく。意外と虚弱なもんで。ごめんちゃい(今回初めて知ったけど、賃貸で幼い子どもってペット以上にダメな物件多いんですね。ヒドい話や)。
ということで、来月は引っ越しを手伝ったり東京の右も左も知らない姉をサポートしたりで更に時間を取られそうなので日記が止まることがしばしばあるかもです。ご了承下さいなー。

あ、そういえば訂正。数日前にスコリモフスキー監督を知らなかったと書いたけど、作品は見たことがあったっぽい(『出発』)。固有名詞に価値を置かない人間なもんでいい加減でごめんちゃい。

ちゃんとメジャーで計って、色々考えてから注文してるのに、何故ウチに届く通販の家具たちは悉くでかいのか。
到着を楽しみにしていたハンガーラックも、朝っぱらからでかかった。絶対運送屋さんも心の中で「こいつサイズ間違ってる」と思ってるんだろうなと想像すると必要以上にブルーになった。切ない。今年こそは正しく買い物が出来る人間になりたい。
あと、今年こそは新幹線の座席に正確に乗れるようになりたい。現在20回くらい連続で間違え中。何号車かに気をつければ座席番号を間違え、座席番号に気をつければABCを間違え。名古屋辺りで乗ってきた人に注意されて移動するのもいい加減面倒。新幹線て難しいよね、という私の言葉に賛同してくれたのは今のところ姉だけですが。
あと、池袋で地下鉄の有楽町線と丸の内線の改札を間違えない人間にもなりたい。現在6割くらいの確率で間違え中。最初は笑顔で対応してくれてた駅員さんも近頃めっきりクールな対応。切ない。

我が家の前の道は通学路なので、朝帰りすると登校中の中学生達の視線が痛いです。

それはさておき。
明らかに老いつつある肉体に鞭を打って久しぶりにオールナイト上映なんかに行ってみました。boidさん企画「爆音『シネマの記憶喪失』ナイト」。近頃出版された中原昌也&阿部和重氏の「シネマの記憶喪失」に関連するイベントで、映画上映の他にお2人のトークショー有り。それでもまあチケット発売時刻(上映2時間前)に行けば大丈夫だろと余裕かまして劇場に向かうと既に長蛇の列。完売ギリギリで辛うじて整理券ゲット。お客さんのほとんどが不思議な程おサレでヤングなボーイズたち。分からん、私には彼らが何を求めて何処からやってきたのかが分からん。でも盛況なことは何より。

一本目に上映された作品は、タイトルとか監督名とか不明...(私が忘れただけかも...)。ネクタイを締めた立派な白人男性達が、でっかいドラを使って黙々とノイズを作っている。不愉快極まりない、鉄を引っ掻く音を爆音で聞くのもまた乙なものでありました。
二本目は侯孝賢監督の『憂鬱な楽園』(96年)。いうまでもない大傑作、ということは勿論わかってたけれど、爆音で見るとまた全然違う魅力が現れるもので。こんなに電車や雷の音が怖い映画だとは気づいてなかった。まさか普通のおっさんのカラオケを腹に響く程の音響で聞ける日が来るとは思ってなかった。久しぶりに見たガオ・ジェはやっぱり最高。
三本目はサム・ペキンパー監督の『ガルシアの首』(74年)。初めて見たのだけれど、それが爆音というのは幸なのか不幸なのか。映画の暴走っぷりにちょっとびびったけど、大変面白かった。久しぶりに見たスローモーションにはやはり痺れた。
で、シークレット上映として当日まで作品名が隠されていた四本目は、イエジー・スコリモフスキー監督の『ザ・シャウト』。監督名も作品名も初めて聞く映画だったが、いやあ凄かった。すっごいシャウトだった。爆音とオールナイトに相応しいチョイス。あまりのシャウトに寝たくても寝れませんでした。

途中で行われたトークショーは、節分なので豆まき有り、お2人は数十分間鬼のお面を着けっ放しというサービス有り。笑えた。

昨年から見るのを楽しみにしていたのに気がつけば公開終了間近になってたジョニー・トー監督の『エレクション』に駆け込む。
同じアジアなのになんでこうも違うかなってくらいいちいちマフィアの事務所やら拘置所やらがかっこよくて、全然二枚目じゃない主演俳優たちも渋くて素敵。なんか日本じゃこうは行かない気がする。なんでやろ。
伝統ある香港マフィアの会長選挙をめぐる男たちの戦いの物語。マッチョと言えばそうだけど、お互いを「兄弟」だの「契父」だのと呼び合う関係は、まあ歴史があるんだろうけどなんだか微笑ましくて許せた。香港マフィアの色々な流儀が知れて面白かったし。
ひっきりなしに扉が開いたり閉じたりせわしない画面に対し、映画自体はひとつの組織をめぐってぐるぐる同じところを回ってるだけで、どこかでぶっ飛んでくれないのかなと感じながら見てたら、そういえばこれには2があるのだと思い出す。そう考えると今回の作品全体が2への伏線みたく思えて、このまま続けてそっちも見たいなあとわくわく想像してたら、本作の客入りの悪さから2の公開が危ぶまれていると言う悲しい噂を耳にする。頼むから公開して下さい...。
それにしても、こんなに登場人物の多いアジア映画って西洋人には難解極まりないでしょうねー。私でも途中で混乱したのに。

夜は、中学生の頃から私のことを知っている年上男性という、あらゆる意味で恐ろし過ぎる友人との新年会。くわばらくわばら。

ここ数年、スクリーンで見た過ぎる映画ベスト10に入りっ放しだったダニエル・シュミット監督の『ラ・パロマ』(74年)をついに見れる日がやってきた!!天気の良い平日の午後、御茶の水の風変わりなビルの一角で27歳の女が喜びのあまり小躍りしていたのです、実は。アテネフランセ万歳。
ウキウキ気分でいざ観賞。で、撃沈。こ、こんな自由が映画に許されていいのか、ときょどってしまう程自由。なんでも有り。ぶっ飛び過ぎ。いやあ待った甲斐がありましたと思える衝撃と感動。
謎のパーティー(パーティー好きですね、シュミットさんて)で始まった映画は、突然人が死んだり唄ったり。そのまま青年と歌姫の恋愛映画に落ち着くかと思いきや次から次からおかしなことに。ラストには「なんじゃそりゃ!」と声を上げて突っ込みたくなったけど、面白かったので全然よろしい。とにかく、変な映画。今になってこんな映画体験が出来るとは、感無量。主演の女性がほんと美しい。
2本目に『カンヌ映画通り』(81年)。81年のカンヌ映画祭を巡る疑似ドキュメンタリーで、TV向けに撮られたものらしいけど、でもなんか変。基本的にムダに不穏。それが面白いんだけど。途中で現れるおばさんのダンスにぐっとくる。そして、今後はコネもなく映画祭に行ったりするのはよそうと現実的な教訓も得た。
こんな映画監督とゴダールさん、そしてフェデラーやヒンギスのようなテニス選手を輩出する国スイス。もしかして相当すごい場所?

友人に強力に勧められたので今更「大奥」漫画版をちょっと読んでみようかなと軽い気持ちで本屋に入るも完売の嵐。5件目にしてやっと手に入れる。最後の方は殆ど意地。こんな売れてるなんて知らんかったがな。