おニューでナウな目になって一発目に見に行く映画はもちろん、ジョージ・A・ロメロ監督最新作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』 。ワケあって休日朝イチの回に行ったのに結構な混雑で、日本も中々やるなと思った(いかにもなおっさんひとり客が8割だったけど)。
『ゾン日(なんちゅー変換や)』の監督が70歳近くになって撮った新しいゾンビ映画は昨今流行りのポイントオブビューとかいう主観撮影で、卒業制作の映画を撮影中の大学生たちがそのまま現実に起こったゾンビ騒ぎを撮影していく、でも撮影者とナレーション(編集者)は違う、 故に監視カメラやインターネットの映像が入り交じったりするという、辛うじて20代の私にも使いこなせないような現代のいろいろが盛り込まれた大変素晴らしい作品だったのでした。こんな映画が裸眼で見れるなら20万払った甲斐もあるってなもんです。
もちろんゾンビはゆっくり歩くし、次々仲間は襲われるけど肩すかしな程あっさり。酷い状況になっても友だちを助けることよりカメラの充電や撮影を優先する主人公の存在は壮大なブラックジョークとして受け止めさせて頂きました。微妙に笑えなかったけど。あ、でも耳の聞こえないおじいちゃんの登場&退場は劇場内で笑いが起きる程ウケてたし面白かった。実は全然ゾンビ映画じゃなかったというオチなラストもかっこよくて感動。この過激なおじいちゃん(監督)にはまだ退場して欲しくない。

・佐藤央さんの連載が更新されたので読んでみませう。では早速。
・で、ついにやってきましたYO、レーシック。必要書類やら印鑑やらを全忘れして一時はどうなることやらと思ったけれど、結果的には一応成功。わーわーわー。
テキトーな説明を受けた後それなりにドキドキしながら手術室に入った途端BGMがサザンだったのは100歩譲って許すとしても、時計仕掛けのオレンジ風に瞼をがっつり開かれさあオペスタートって時に合わせて曲目が「エロティカセブン」になり、しかも執刀医が軽く鼻歌で唄いながら合間に「ビューティフル!」だの「完璧だね!」だの合の手を入れだした時(その間、うわー角膜切られてる!とかひー剥がされた!とかが見えてる)にはさすがの私も人生最大級の不安に襲われたが、それでもオペはあっさり20分足らずで終了、その後目が落ち着くまで3時間程待合室でぼーっとしとかなあかんのがだいぶだるかったけど(途中で中途半端に缶コーヒーが振る舞われた)夜の7時には見事1・2の視力をゲットして帰路についたとさ。すごいねえ現代医療。
オペ当日は禁酒という教えはつい破ってしまったが、就寝時サングラス着用という指示は守ったぜ(固定するテープまで渡されたし)。はじめは自分でもその姿に笑いが止まらず困ったが意外とグッスミン。めでたしめでたし。
翌日の診察で「アイメイクはいつくらいから始めていいんですか?」という私の質問に即答で「適当」と答えるようなトンデモ病院ですが、紹介者がいると安くなるので興味のある方がいれば連絡下さい。

昨日は、薄ぼんやりと我が家に新しい家族の必要性を感じたのでビックパソコン館に。下見の時点ではDELLのお手頃価格なお手頃ノートにする気満々ちゃんだったのに、実際買うとなると何故か予算10万以上アップの最新TOSHIBA超軽量ノートになってるから不思議。でも恰幅のいいサングラスをかけた作業服姿のおにいさん(部下)を連れて行くとあれよあれよと値引きされるからこれまた不思議。みなさんも試してみて下さい。
早速持って帰っていじくりまわしてやっと本体よりも知識の方がだいぶ必要だったことに気づく。ほんまに教室通いますわ。

本日は、私がこの世で一番苦手なTHE大人との会話の会。しかもマンツーで一時間喋りっぱ。死ぬ程疲れたし12時間以上経った今でもなんでか口かっらから。出来れば死ぬまで二度としたくない。

そして明日はレーシック!ナウくなってきます!

せっかく近所でやってるんだしと相変わらず真っ当に適当な内科の診察後、新文芸坐さんのマキノ雅弘生誕百年記念特集に足を運ぶ。
マジどうでもいいことやけどこの劇場の喫煙所はガラス張りの箱になっているので愛煙家たちは外の人から動物園の見せ物状態であり更に喫煙所に入ると周りのおじいちゃんたちからどうかと思う程ガン見されるという私限定二重構造になっているんですねーなんてことを上映前に考えながら股旅映画『弥太郎笠前篇』(52年)&『弥太郎笠後篇』(52年)をしみじみ鑑賞。
ヒロインの岸恵子(ふと菊川怜に似てるかと)より美形な鶴田浩二にやや動揺しながらも、このふたりの淡くて憎い(そしてなんかエロい)恋物語と異様なくらい続く祭りの不気味さと思わず顔がにやけてしまうくらいかっこいいチャンバラに酔っ払う。大変おもしろうございました。人間の手であんなハイスピードに人が倒されるの初めて見たかも。ひょっとこのお面やら笠やら、顔を隠すものってやっぱりだいぶ恐怖だなと再確認した。

確かに見たはずなんだが果たしていつ見たのかどんな映画だったのか既に記憶がぼんやり、そんな映画だった前田哲監督『ブタがいた教室』。ごめん。
小学六年生のクラスで一年間ブタを飼って最終的にみんなで食べよう!というしょうもない授業が実際に日本のどっかで行われたらしく、その事実を基にした物語。最初は乗り気じゃない子どもたちも最後にはPちゃん(ブタの名前)への情が移ってしまって食べる食べないの大騒ぎの巻。 土も草もない運動場でブタを飼うって既に虐待じゃね?と思わなくもなかったが、ジョージ・クルーニーもペットとして飼ってるって言うしまあいいのかと何となく納得(でもさすがに花火はあかんやろー)。
出てくる子どもたちの、演技じゃないかのような自然な態度や本気で泣きながらの大討論会(台本は一切なかったそうな)、すっごい真摯に作られてる作品なんだなあってことはびんびん伝わってくるし好感は持てた、が、これだったらほんと既に存在するらしいドキュメンタリーでよくね?とすら思ってしまった。ごめん。折角フィクションにするなら大人の存在がもっと強くないとこの映画のはじまり自体がよくわからないものになるんじゃないでしょうかと感じたのでした。教師とか両親(更には監督の)の影薄過ぎ。映画的にも話の展開的にも子どもに丸投げ過ぎ。まあそもそも、毎日違う色のチョッキを着こなすような新任教師(妻夫木)なんて始めから信用しないけど。

それにしても、大事な子役が被ってるってことで思い出した『コドモのコドモ』やら今作やら、やたらと「責任」という言葉を子どもに言ったり言わしたり。十代にも満たないうちからそんなこと負わせなくてもと思いますけどね。

どんなにダサくてもお祝いには駆けつける、ということで中原昌也さんドゥマゴ文学賞受賞記念爆音パーティーオールナイト のため夜な夜な吉祥寺に向かう。僅かながら自分が登場した本でもあるのだ、と今思い出した。大変盛況で何より。でもご本人にお祝いの言葉を伝えると何故かキレられた。
上映内容は、中原昌也×ジム・オルークのライヴが行われるってこと以外はその場までシークレット。しかし鑑賞後の今となってはもちろん全部見たから知ってるもんねと言いたいが、果たして何が上映されていたのか未だ謎なのであった...。無念...。それでもとにかくとりあえず、世界にはこんな変なものを作る人間がいるんだなと愉快な気持ちになれた一晩でありました。特にドイツ人。久しぶりに見た中原さんのライブをそれはそれはかっこよくて痺れた。夜明けのスタローンがシャウトする中原さんに見えたよわたしゃ。

Hair StylisticsのCDはもちろん毎月家に届くようにしているも、これを流すと猫たちが異様に興奮するので中々聞けず困り中。

何故私が最近あまり映画を見てないかというと忙しいとかそんなワケはもちろんなく先週末からの眼鏡着用を眼科に義務づけられたからで、眼鏡を着けるとフレームが気になって集中できないのであまり映画を見る気が進まないからだけで、何故眼鏡じゃなきゃだめなのかと言うと先日yonjoに「今時視力悪いとかマジださい」と断言されたことにひどく傷ついて年内中のレーシック手術を強く心に誓ったからで、その前の検査に備えるためなのでした。で、本日せっせと長時間病院に拘束されて色んな検査を受けまくってきたのでした。
診察室に入った途端「脅威の12ミリ以上!」と黒目のでかさを褒めたくられて何もしてないのになんかいい気分になったり「本当に今まで気づかなかったの?」と何度も確認される程実は結構な乱視だったという事実を今更知ってなんかちょっと凹んだりしましたが、検査の結果は無事オッケーということで、早速来週末にはオペってきます!12月には裸眼ライフなんて未だに信じられへんけど 、これからの人生を考えるとちょっとの恐怖とちょっとのお金とちょっとの時間を犠牲にするだけでそんな夢物語が手に入るなら幾らでもー。ただ唯一引っかかるのは、手術後数日はサングラスをかけたまま寝なきゃいけないことだけど、まあなんとか。成功の暁にはまたご報告します。うっかり失明してるとかないように皆さんで祈ってて下さい。

自分でも理由はよくわからないがやったら気になっていたこの映画がしつこく上映中だと偶然知ったのでこれもなんかの縁だとふらふら新宿に向かいターセム監督の『落下の王国』 を見に行ったのでした。9月からロードショーされてるにも関わらずかなり混んでてびっくり。前に座った女が最近流行の縦長おだんごヘアで、しばいたろかと思った。
1900年初頭らしいアメリカの陰気くさい病院で、自殺未遂の末身体が不自由になった自殺願望を持ち続けるスタントマン青年と何やら不幸な原因で腕を骨折した4歳のルーマニア少女が出会い彼がちょっとした魂胆から彼女に即興のおとぎ話を聞かせ始める。 そのおとぎ話パートの映像が殆どCGを使わず4年間かけて24カ国以上を回って撮影された!という触込みだけあってバカでかい砂漠やら宮殿やら海を泳ぐ像やらの姿はそれなりに圧巻で、美しくて贅沢なオペラ見てるみたいやなあとクールに眺めてた、つもりが、青年が自暴自棄になってお話の結末を陰惨なものにしていきそれを泣いて止める少女のやりとりに「ひとりで見に来ててよかった...」と安堵する程泣いてしまった。あは。この女の子が全然美少女じゃなくて、泣き顔もえらいブサイクで、それがまたなんか泣ける。最終的には『THE FALL』という原題が身に沁みる、とてもいい映画だったのでした。ラストの映画愛全開っぷりは予想以上のものがあってちょっとびっくりした(でもこれをやるなら冒頭の白黒シーンはスローじゃない方が良かったんじゃないかしらと思わなくもない)。
膨大なお金を使ってこんな映画を作るターセムさんは多分いい人だと思われます。石岡瑛子のどこかとぼけた衣装も可愛くて良かった。

帰りにふらりと立ち寄った近所の赤提灯的な居酒屋に犬がいて、それ自体は珍しいことじゃないので気にならなかったのだが、 そいつの私へのなつきっぷりが半端なく(それに対する店主の無関心も半端なく)、他人の中型プードル犬(めっちゃおとなしい)を膝に乗せておでんを食べるという体験は中々シュールであった。

小春日和の気持ちいい日にアラサー女がふたり昼間からビールを飲まずにはやってられないこと、それは衣替え。
ということで、一人でやり切る自信がなさ過ぎてとうとう友だちの手を借りてやっとこさ冬の準備ができたとさ。殆どがクリーニングの袋に入っててその中身を把握しきれないままですが。お手伝い頂いたお礼はもちろん大量の服、とか使ってないドライヤーとか。友だちにも「これはちょっと...」と言われた服たちは、どっかに売りにいきゃあそれなりのお金になるんだろうと思いつつどうしてもその手間が面倒くさくて。さすがにモッタイナイと思われるので「どんな服でも!」という素敵な方を今後募集。 モノはいいけどめっちゃくちゃ派手だったりします。

渾身のハワイアルバムがやっと完成し(〆切があったりして焦ったけど)、ひたすらうっとり眺めてるだけで時間を忘れて映画を見逃したりして。さすがにアホかもとちょっと反省。

・岡田秀則さんの連載が更新されたので読んでみませう。多分ヨーロッパ人より柛代を見てないあたし...。
・ハワイ以降なんとなく自然に控えめだったお酒(おかげで痩せる痩せる)、が、昨夜は久しぶりにぐでんぐでん。中目黒のやたらに美味しいお店に連れてってもらった気がするが、場所も名前も料金も一切記憶に茄子。ありがとうございまひた。
・で、ぐだぐだの頭を抱えながら人のところからパクったコレで1人遊び中。
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軽い気持ちで書いた「アルビオン」という言葉が思わぬ波を呼び起こしあああ世間って狭いなあと改めて肌で感じつつ本日もフィルムセンター さんの伊藤大輔監督特集に向かい『春琴物語』(54年)を。
谷崎潤一郎の「春琴抄」が原作だけど多分ちょっとアレンジ入ってる物語(小説を読んだのが十数年前なので詳細が微妙)。自分の中でイメージしてた佐助よりもだいぶもっちゃりした役者さんの雰囲気のせいかさほど究極の愛の映画とか耽美な映画という印象は受けなかったけれどそれでもひたすら目を閉じて芝居をする京マチ子の恐ろしい美しさがなんともかんとも。雪の中一人で踊るシーンとかお座敷で佐助を探すシーンとか、一回でも似てると言われて浮かれた自分を心底懺悔したかった。今でもしたい。調べてみたら当時まだ30歳で、それまた恐ろしや。
しかし、お琴が佐助を誘うシーンの音楽が何故あんなにホラーなのか(&一回関係を持ったという事実の矛先も理解できたとは言い難い)とか見事な演奏シーンの間に何故バケツから滴る水の音が挟まれるのかとか幾つか謎は残るものの、手を結ぶふたりの姿にうるうるしてしまうのでありました。金曜の夜にこんなに空いてなくてもーと思った。

どうでもいいことやけど(私にとっては死活問題やけど)アルビオンさんの新しいシャンプーシリーズ が良過ぎてだいぶやばいですよ。サンプル使っただけでIKKOばりに髪の毛落ち着いてまじビビります、という報告。

っていうか楽しみにしてたくせに全然行ってへんやん!と今更気づき、いそいそフィルムセンター さんの伊藤大輔監督特集に向かい、『明治一代女』(55年)と『おぼろ駕籠』(51年)を見ながら、木暮実千代って確かに美人やのに幸薄そうな役が似合うよなとか橋のシーンのアップは恐ろしいなとか酒癖の悪い田中絹代も殺人を企てる山田五十鈴も中々いいなとかちょんまげになったら佐田啓二って気づかれへんしとか時代劇の推理ものって珍しいなとかこの阪東妻三郎は胸キュンやなとか考えてる間に楽しい時間は過ぎていったのでした。じゃらじゃらうるさいブレスレットを着けていってしまったため周りの人がイライラしてなかっただけが心残り。

ただ西島秀俊を眺めたいという下心のみで深川栄洋監督の『真木栗ノ穴』 を見に行ったらこれが意外と(失礼)面白くてちょっと驚いたのでした(『狼少女』は未見)。
売れない小説家が謎の女と部屋の穴に翻弄される、現実なんだか妄想なんだかわからない怪談みたいなファンタジーみたいな110分。まず、近頃の映画では見てて不安になってしまうことが多い所謂昭和の空気漂う時代感(部屋のカレンダーは思いっきり07年やったけど)が 鎌倉の雰囲気と細かい美術(メインのアパートがよろしい)によってとても落ち着いていることに感心。こんなに若い監督さん(76年生まれだと観賞後知った)の仕事とは思わなんだで、十分立派に怪しくてエロかったです。気持ち悪い自意識が目につかなくて。しかも微妙にちゃんと笑えて。
そして、私の欲望をじゅうううぶんに満たしてくれた、ちょっぴりエッチでおとぼけ課長(ほんにゃらごっこ)な西島さんのお芝居が素晴らしく。 これは『さよならみどりちゃん』以来の久々の超私的ヒットでした。パジャマ姿もヨガポーズも見ててにやけた。キムラ緑子の登場シーンには泣けた。お風呂入るとかさあずるいって言うかさあ羨ましいとは言わんけどなんだかなあと冒頭5分から悶々としてました。泣けたからいいんですけど。ただ、重要な存在にしてはヒロインがえらく弱いかなとは思った。脚はキレイやったけど。いっそ中谷美紀くらいが良かったんじゃないかと想像してみたり。
と、どうしてもいつも以上に個人的感情が先走りがちですが、映画としても大変気に入ったので 次回作も是非拝見してみたいと思ったのでした。

思考回路が一周して、ハワイ帰りの私をセールに向かわせるなんて西武はヒドいヤツらだ二度と応援しないと悔し涙で帰宅。

で、こちらは原作を読んでないのだけれど古マヤ智之監督最新作『ホームレス中学生』 を何故か日本語字幕付きで鑑賞。お客さんの中にモロなホームレスがいて、妙な気持ちになりながら鑑賞(入れ替え制のシネコンだから時間つぶし目的ではないはず)。
TVや本で聞くようなおもしろ貧乏エピソードは添え物程度で全体的には中学生の成長日記という印象、にしてはどう頑張っても小池徹平は中学生に見えないよなーとか 池脇千鶴も高校生には見えないよなーとか回想シーンのガキの芝居と音楽がクサ過ぎるやろーとかぶつぶつ言いながら見てた割には宇崎竜童と田中裕子夫妻の芝居にえらく涙してしまったのでした。なんでかなんか悔しいけど、この友だち家族(柄本くんと兄弟含め)はだいぶ良かった。イッセー尾形のひどい親父っぷりもさすがに良かった(カツ丼捨てるのとか)。笑福亭松之助も泣けたな。主演の3兄弟も、年相応に見えないという負け戦な割には冒頭の団地のシーンなんか結構良いじゃないかと思いました。小池くんが公園でただうだうだしてるシーンも中々(うんこ型のすべり台が団地の前にぽつんとあるのは見てて面白かった)。
と役者の芝居が良かっただけに、映画としてはちょっと親切過ぎて(特にラスト10分ダルし)うっとおしい気もしたが、ベストセラーを映画化するってこういうことかと大人に納得出来なくもない、が、しない。次回は「ホームレスヴィジュアル系」に期待。
ただ、とにかく食事の偉大さを大変美しく撮る映画だったので「ああ私もこれからはダイエットなんて言わずに食べれるものは食べておこう」と一人決意、早速深夜に酔っぱらった勢いでラーメンを食べたのでした。めでたしめでたし。

酔った勢いで猫どもにちょっかい出してたら本気で噛み付かれて引っ掻かれて左腕がとんだリスカ癖のある女みたいになってますが私そこまでイタくないですよと誰にともなく言い訳しながら、ハワイから帰国後ほんの数日な大阪での時間が暇過ぎたのでかるーく時間潰しのつもりで読んだ東野圭吾の「容疑者Xの献身」がちょっと気になったから映画版を見に行っただけでドラマとかベストセラーとかほんと興味ないですよと誰にともなく言い訳しながら、西谷弘監督の『容疑者Xの献身』を近所にふらっと見に行く。ドラマ「ガリレオ」はほんと一回も見たこと茄子。福山雅治の顔が生理的に無理。唇の薄い男は苦手。 と、はなから一切期待してなかったわりには 意外と見れる映画でちょっとびっくり。ドラマのTHE MOVIEって殆ど見たことないけど、月9の人気ドラマをここまで地味で不親切な作品にしたのは中々立派なんじゃないでしょうか。決して「いい映画!」と言う気にはならないけれど、山本英夫の控えめな撮影も手伝って、こういう映画が大ヒットするのは悪いことじゃないような気が。さすがは予算があるっぽく全然貧乏臭くないし。
主演の福山と柴咲コウが出てきた途端画面がいかにもTVっぽくなってしまうのがうっとおしくて仕方なかったけど、X役の堤真一が全然かっこよくなくてよかった。松雪泰子も、小説のイメージからは美人過ぎてどうなのと疑問だったが思った程悪くなかった(柴咲コウと松雪泰子の肌の美しさは感涙モノだった)。原作にはない雪山のシーンがすごく映えてたのにも感心。 死体描写や暴力シーンがフジテレビ大丈夫なのかと心配になる程グロかったのにも感心(ラストのオチはさすがに無理だろうと思ってたら案の定端折られてたけど)。しつこいけど、福山と柴咲コウさえいなければもっといい映画になったと思われ。このふたりがいなきゃ商売にならないんだろうけど。

巨人よりはとりあえず西武優勝おめでとう。ああ明日から忙しい。

予告がなんとなく面白そうだったから見に行ってみただけで実はすごい巨匠さんだとは全然知らなかったシドニー・ルメット監督の最新作『その土曜日、7時58分』 (この意訳もすごい)が、おおさすが巨匠的な面白さだったのでした。
金に困った兄弟が両親の経営する宝石店を安全に強盗する計画を立てるもぐずぐずに失敗してさあ大変、なストーリー。冒頭のファーストカットが鏡をガン見しながらファックするフィリップ・シーモア・ホフマンって時点でだいぶ素敵な映画だと期待に胸が膨らんだ。 その後も、演出やら台詞やらが鼻につくギリギリ寸前のしつこくなさが大変美しく気に入った。映画の中に父子の物語が顔を出す、そのバランスも私好みで。ホフマンとイーサン・ホークが兄弟という強引さも中々。イーサン・ホークの全身から漂う情けなさと後半狂い出すホフマンはさすがだわと感心。画面がずっとヨーロッパ映画並みの暗さだったのも良かったな。体重を指摘された女はとりあえずキレるという事実が世界共通だと知れたのも良かった。
ラストがちょっとあっさりまとまり過ぎやでよと思わなくもなかったが、巨匠だからいいのかとなんとなく納得させられる。 久しぶりに地味やけどいい映画を見れて満足でした。

ってか、この「ぴあ」のリニューアルはないでよー。アテネフランセもフィルムセンターもライブ情報も載ってないなんて(その代わり誰か分からんヤツらのオススメコメントとかマジいらんし)いい加減買うのやめるべか、と言いたいがネットで上映時間とか調べるのっていつまでたっても慣れられないかわいそうなあたし。だいぶ困った。

右足親指の巻爪が巻きに巻いて指に食い込みまくった結果ぱんぱんに腫れ上がってえらいこっちゃ問題と拡張子って誰やねん問題に振り回されてたここ最近。病院と勉強は嫌いなの。

で、我ながら今更やなあと思いつつアルベール・ラモリス監督の『白い馬』(53年)『赤い風船』(56年) をやっとこさ見に行ってみたら客が私一人でちょっとびびったけど、でもこの映画たちをひとりで見れたのってすっごい贅沢で幸せな体験かもとしみじみ。
少年が白い馬と、少年が赤い風船とただひたすら一緒にいるだけの映画に涙が出てきて出てきて困った困った。砂漠を駆け抜ける馬たちが美しいこと美しいこと。とりあえず今年下半期分の馬は見た。濁った街に浮かぶ赤い風船が可愛いこと可愛いこと。ラストのヤツらには思わず声が出そうになった。馬の喧嘩とか風船の動きとかほんとどうやって撮ってるのか素人の私には検討もつかず。少年の乗馬の上手さはなんなんだ。めちゃくちゃかっこよかった。
両方のあまりに究極な終わり方(とくに『白い馬』)には一瞬驚いたけど、好きなものと結ばれるドラマティックってこういうことよねとひたすらうっとり。とにかく良かったです。

そんなホットな気分が、帰り道に見かけた新宿伊勢丹のクリスマスなウィンドウディスプレイでよりホットに。あまりの見事さに可能なら買い上げて家に持って帰りたいくらい。見てみて。

大して面白くないだろうと予想しながらもジャック・ブラックチェックのためにミシェル・ゴンドリー監督最新作『僕らのミライへ逆回転』 を見に行ったらうっかり泣かされる始末に。はるな愛はいらなかったと思う。

内容は、よくこんなアホらしい企画が通ったなと感心するような、小さな町のしょぼいレンタルビデオ(VHS限定)屋さんを舞台に店員たちがアホらしい理由によってデータの消えてしまった映画を自分たちで撮り直すってだけの話。それが、「この監督は自分が撮影してる現場を映画にするのが一番面白いんじゃないか?」と常々思っていたことまんまに映画にされてて、大の男たちがひたすら手作りで映画を作ってる姿が可愛くて微笑ましくて。地味な話やけど、著作権問題で大変そうやなーと老婆心。

最終的に完成したリメイクではなくオリジナルの映画をシーツのスクリーンに映して小さな部屋の中で街の人たちと見るシーンにはやられてしまった。それに続くラストはあまりにもゴンドリーさんいい人過ぎるやろと突っ込みかけたけど、これはこれで。多分真面目に映画としては全然ダメな作品なんだろうけどこっそり好きな作品。期待のジャック・ブラックが霞む程モス・デフが良かった。ミア・ファローって今こんなんやねやとびっくりした。

続いて邦画リハビリに萩生田宏治監督最新作『コドモのコドモ』を見にシネアミューズさんに行って予告の長さに久しぶりに驚く。さそうあきらの原作漫画は未読。
小学五年生の女の子が妊娠、大人に隠して周りの同級生たちだけで出産をやってのけるというおとぎ話のような(でもめっちゃ現実的に考えると可能だと思うけど)物語。主人公の女の子の顔が見てて飽きなくて、122分なんとか。
現在の子どもを取り巻く大人の問題のあれこれや登場する子どもたちの微妙な変化を表すための丁寧な時間の流れが一気に変わる瞬間、思いのほかグロテスクな出産シーン、中々良かったんじゃないでしょうか。これを見て「コドモって素晴らしい!」と言える程私は大人じゃないですけど。自己責任反対。
最終的におじいちゃんおばあちゃんに救われるってのはちょっと残念な気もしなくもなかったが、萩生田監督の前作『神童』よりは好きでした。
出てくる子どもたちやその保護者が田舎の人っぽく全然美しくないのも良かった。ここでも麻生久美子の肌は白過ぎて怖かった。ここでも塩見三省さんはえらくかっこよかった。
それにしても、こんなに可愛らしい映画でもロケ地の住民から内容が許せないと反対運動があったと知って衝撃。フィクションな物語を現実にしてるのはそっちなのかあ。

しばらく映画から離れていた頭のリハビリも兼ねてD・J・カルーソ監督『イーグルアイ』 を見て参りました。

うだつの上がらないコピー屋の店員(この映画一番の笑いどころ)が突然謎の女からの電話をきっかけに国防省やらFBIやらから追っかけられるとんでもハプニングに巻き込まれ大変なことに果たして女の正体とは!的なお話が、大して複雑でもないのになんやかんやでえらく複雑風に見せられるもんで途中で疲れてしまった。極端な遠隔操作とか監視カメラとか、つまらなくはなかったけどだいぶしつこい。始終ごちゃごちゃし過ぎで、カーチェイスのシーンは何が起こってるのか殆どよくわからなかったのでした。あと、中途半端に重要っぽい人がチョロチョロし過ぎで誰が主人公なのかよくわからなくなったり。ジェリー・ショーが主役顔じゃないから尚更。でも話を壮大にするだけしといて結局アメリカの大統領護衛官たちの射撃の腕前はマズかったというオチは笑えたので良かった。空港のベルトコンベアーでちょっと笑ってしまったのはなんか悔しかった。でも最後まで主人公の相手に選ばれた女の意味がよくわからなかった。ここでもビリー・ボブ・ソーントンは身体を張って頑張っていた。

しかし、そんなアホなと思いつつ、観賞後は歌舞伎町の監視カメラにドキドキしたりしたのでした。