まあ私の身長で10キロ痩せたらジャンキー通り越して普通に可哀想な子になるのでそんなことにはもちろんならず無事昨夜9時から断食を敢行、今朝は早くから病院に行き人生初の胃カメラ体験。今まで何回医者に勧められても「イヤです絶対イヤです」で逃げ切ってたけどさすがに今回は無理だった。
でもあなた、今時って点滴で睡眠薬を投与されぐっすり眠ってる間に勝手にカメラを突っ込まれるんで痛みどころか記憶さえ一切ないほど楽ってご存知?バリウム的なものも飲まないし。文明ってすごいすね。おかげで久しぶりの早起きによる睡眠不足効果も相まっていつの間にやら検査終了、熟睡し過ぎて無理矢理起こされたりしました。あー何事もなくて良かったと安心したのも束の間、胆石調査のためだったはずなのに渡されたカルテにはでかでかと「胃炎」の文字が。みなさまも暴飲暴食には気をつけましょう。でももちろんその数時間後には「しばらく禁酒」の掟をばっさり破ってやったぜ。
そんなことより。次回の検査は大腸の撮影......。看護師さんが爽やかな笑顔で「一番早くて8月11日に予約取れますよ」と言ってくれたがさすがにそれは丁寧にお断り致しました。切な過ぎるやろ。

公開当時に見よう見よう思ってたのにうっかり入院で見逃してしまっていたダルデンヌ兄弟監督作品『ロルナの祈り』 が新文芸坐さんでやるというので。徒歩圏内の劇場だけど暑さに負けてタクシーで行ったことは秘密。
クセのある感じなダルデンヌ兄弟監督の作品、個人的には大好物でも拒否反応を起こすほどでも特にないって感じだったけどこの映画は結構好きかも。多分今までの中で一番「普通」な映画だけどそういうこととは関係なく。
国籍取得のためだかお金のためだか偽装結婚を繰り返す若い女ロルナの人生に色んなことがあまりにも唐突に起こるまくるけど何があっても徹底的に孤独な彼女に、一瞬訪れる文字通りひとりじゃない場面が大変美しく、文字通り以上に存在しない存在と寄り添う瞬間が大変恐ろしく。これは間違っても母性なんかじゃなくオカルトかもしくは祈り。ラストのベートーヴェンはずるいんじゃないかとさえ思った。
映画の中でひとりの人間をひたすら見せるという点で昨日の『レスラー』とやってることは似てるんだけど、私はこういう映画の外から見るしかできないというしんどい感覚の方がなんかしっくりくる。上手く言えないけど。
それにしてもジャンキー役のジェレミー・レニエが『夏時間の庭』の三男役のときと違い過ぎてかなりびっくりした。この役のために15キロ減量したそうで。私も今夜一晩は強制断食なのだが、10キロくらい痩せてくんないかにゃー。

渋谷での用事ついでに今更ダーレン・アロノフスキー監督『レスラー』を見に行ってみたら、劇場前で男ふたり組が見る見ないで大喧嘩してて怖かったです。
主演のミッキー・ロークの実人生とかぶりまくる落ち目なレスラーの物語、と言われても、ミッキー・ロークをそりゃ名前は知ってるし顔も他の映画でわかってるけど「ああ昔はかっこ良かったよね」と言える程どんな人か知ってるわけではなく。そんな私でもとりあえず、この映画がミッキー・ロークじゃないと成立しないんだろうなということはわかりました。老いてボロボロの体(特にお尻)とあの顔を見てるだけで泣けと言われれば泣ける(老体に鞭打った迫力あり過ぎなプロレスシーンは生傷が恐ろしくてほとんど目を瞑ってしまいましたが)。ストリッパーとの恋も娘との関係も切なくて良かった、と思うのですが、なんとなく、俳優にここまでさせてそれで何がしたかったんだろうという宙ぶらりんな疑問が残ってしまった。ギリギリな男の生き様を描くのにいちいちドキュメンタリー風に撮ってみたり日サロ行かせてみたりスーパーの店員させてみたるするわかりやすさが邪魔な気が。面白くなかったってわけじゃ全然ないんですけど。
楽屋でのレスラーたちのやりとりがなんか面白かった。きちんと裸になってストリップするアメリカの女優はすごいなあと感動した。それでもやっぱり、プロレスというスポーツ(?)の魅力は私にはまだまだ理解できなかった。なんであんなことするのんな。

何故よりによって窓の外から聞こえてくる選挙演説が幸福実現党なのかと頭を抱えながらフィルムセンターさんで開催中のPFFクリント・イーストウッド監督特集に。
ドン・シーゲル監督『マンハッタン無宿』(68年)、 よう考えたらいや考えなくても鈍茂監督の映画ってほとんど見たことないかもなのでどんな感じかすらよくわかってなかったのだがこれがめちゃくちゃ面白くって楽しかった。アリゾナの保安官カウボーイがNYに現れて大暴れ。今の、老犬なイーストウッド先生もかっこいいけど若き日の狂犬っぷりもだいぶ魅力的。グーじゃなくてパーで人の頭を思いっきりはたくお姿もかっこ良し。馬じゃなくてオートバイを飛ばしまくるお姿もかっこ良し。髪型はちょっとマイケル富岡みたいだなと思った。
そのまま続けてドン・シーゲル監督『白い肌の異常な夜』(71年)。一本目で抱いた西部劇なイメージを速攻裏切られる、とんでもなくおかしな男と女の性欲に満ちた映画であった。まさかイーストウッド先生が「君の胸はプリンプリンだよ...」なんて寝言を呟くなんて。すっごい面白かったんですけど。
国のために戦争で闘いながらも女を狙う男たちと庇護されるべきながらも男を狙う女たちってのが既にホラー。女の園にひとりの男、幼い少女までがしっかり女で、この映画体験がこの子の将来に変な影響を与えなかったのかとちょっと心配になった。同時上映されたイーストウッド初監督作のメイキング『The Beguiled:The Storyteller』は、普通に勉強になった。
でもやっぱりイーストウッドは最近のイメージが大きいからエロい女好きってキャラクターがピンと来ないわねーと話したら私生活にまつわる余計な情報を教えられ、ひとりでショックを受けた夜。

えっちらおっちらおっちらえっちら電車に乗って馬車道に行き東京芸術大学大学院映像研究科のOPEN THEATER なるイベントへ。芸大初めて行ったけどえらい立派なところでびっくり。試写室のスクリーンも音響もその辺のしょぼい映画館よりいいんじゃないかしらん。そんな贅沢な場所で大橋礼子監督の『SAD C ITY』を鑑賞。一年生のときに課題で作られたという長編、脚本のお題は「ハムレット」、を監督が脚色して現代劇に。こっそり予算も伺ったけど、そちらも贅沢。
どこともつかない町を舞台に進んでいく復讐劇、え、ハムレットてこんな話やったっけって不安になる程めちゃくちゃな方向に。『鬼畜大宴会』ばりに出演者死んでました。
全く個人的な事情なんですけどやっぱりビデオで撮られた室内の明るさがどーーも苦手で今回もそれに慣れきれなかったのだが、画面が暗くなるとそれだけで映画が不穏な雰囲気を帯び出す、そのパワーがなんかすごいなと感心。子どもが動いてるだけで絶対この子ら不幸なんだろうなと分かる。気持ちいいくらい「女性監督」なムードがなかったのも良かった。さすがは動物性たんぱく質派。
観賞後、初めて夜の横浜をふらふらしてみたが微妙に観光地的イメージと違って面白かった。

・アホみたいに暑くて家から一歩も外に出られないのも困ったもんだが、中途半端な低気圧に襲われて神経痛を起こしたりクセ毛がうねったりするのもほんとヤだ。こんなときに問題起こされても脳みそがついていけないので何かと無理deth。ああ淡麗グリーンラベルの国に行きたい。いいんだよ〜って言われ隊。
・と、こんな日記を読んでるみなさまはとっくにチェック済みだと思いますが、久しぶりに読み返した青野春秋「俺はまだ本気出してないだけ」がやっぱり面白かった。

突然漫画家を目指しだした42歳フリーターの俺に優しい社会作り、かなりきます。なんか、やっちゃいけないことをやっちゃった感は微妙に残りますが。
・テレビをつけたら偶然、檀れいやら内田恭子やら宮﨑あおいやら大塚愛やらのビールやらチューハイのCMが立て続けに流れ、世の中そんなにカマトト風女子と一緒に酒を飲みたがってるのかとちと驚いた。別に、諸事情により人生三度目の酒浸り期に入ってる私と飲めとは言わんし夢を見るのは勝手ですが。ただのイケメンと飲んだところで色んな意味で疲れるだけな気もするけどなあ。

  

思いっきりメジャーな後は思いっきりマイナーへとユーロスペースさんでレイトショー公開中の「映画美学校セレクション2009」 に行ってみたら予想以上の客入りにびっくり。ナメててすんません。
本日は小出豊監督『綱渡り』(00年)、内田雅章監督『蘇州の猫』(01年)、 瀬田なつき監督『とどまるかなくなるか』(02年)を鑑賞、見ながら勝手に悩める女たちシリーズと名付けてみました。瀬田監督作品以外は初見。
『綱渡り』は、これ以降に撮られた小出監督の作品とえらく雰囲気が違ってて大変驚き、こんなに可愛らしい映画を作る人だったのかと軽く動揺。面白かったです。でも監督は意地でも夫婦関係は破綻させたいんだなと思った。
『蘇州の猫』は、多分7年前に初めてそのタイトルを聞いた時からそしゅーのねこってどんなねこだと気になって気になってずっと見たかった作品。やっと見れた上、7年間待った甲斐ある素晴らしい映画でほんと嬉しかった。上映時間33分の間に、歌と踊りと猫が出てくるだけで充分満足なのにそれ以外の全てにも感動できて、幸せでございました。監督御自身の外タレ風演出にも軽く感動した次第。
『とどまるかなくなるか』、7年振りの再見なのに自分でも意外な程細かいことまで覚えてて、それでもやっぱり面白かった。重過ぎない少女映画としては一番好きかも。それにしても年頃の娘は成長が早くて恐ろしい。

先日の写真が「普通にキモイ」と不評だったことがショックだったらしいぽんずさんは最近ダイエットに目覚めたご様子。思いっきり寝てるけど。
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何かのインタビューで主演の織田裕二が「監督からは目力を抜くようにと指示された」と話してたのを読んで以来微妙に気になっていた西谷弘監督『アマルフィ 女神の報酬』 を見に近所の映画館へふらふらと。
監督の前作『容疑者Xの献身』がぼちぼち好きだったとは言え、所詮は織田裕二でしょフジテレビでしょとかなりナメた気持ちでかかったらこれが意外と。イタリアを舞台に発生した日本人少女の誘拐事件を巡る
物語上のつっこみどころは山のようにある、が、しかしわりとシンプルに、図々しくも撮られていて、鑑賞中はそちらのことに気がいっていた。
例えば織田裕二、監督の演技指導が功をなしてか従来の鬱陶しさは大きく減少。行動原理も単純で、外交官だから子どもを救いたいしテロも防ぎたい、というもの。キャラクターのアクはとても薄く、所謂芸人にモノマネされる「織田裕二」とは違っている。「予備校ブギ」以来の適役じゃなかろうか。他の登場人物も同じで、母親だから子どもを取り返したい、警察だから捜査する、という単純な行動原理で動いており、典型的なのは、織田たちと唯一行動を共にする大使館職員が、いかにも頭が悪そうな(役柄の)戸田恵梨香で、その理由を織田たちに問われると「なんか盛り上がっちゃって」なのだった。そのあまりに無意味な存在に日本の芸能界の裏を感じずにはいられなかったが。
追う側と追われる側。このシンプルな図式が示すのは「人間が動くことで映画が動く」、「映画が動けば細かな疑問点はどうでもよくなる」ということで、日本では全く知られていない外国人役者たちが演じる刑事やテロリストたちが独自の存在感を示していくのに対し、職員として大使館の中に留まり続ける日本の有名俳優たち(佐野史郎等)が存在感を失っていったことは確かだろう。
と、予想以上の満足度で、人気のないローマの道端にホームレスがひとり寝転がっているシーンなんかはとても良いと思ったのだがいかんせん残念なのは、この映画が全篇イタリアロケで撮られる必然性が全くわからなかった、ってことだろうか...。東京でよくね?

だってこないだハスミ先生がドゥルーズは大島渚を見てないからダメだって言ってたもん、ってことでフィルムセンターさんにて開催中のぴあフィルムフェスティバル「大島渚講座」にいそいそと。ドゥルーズなんて読んでないけど。
上映作品は『日本春歌考』(67年)、の前に黒沢清監督による講義あり。例の如く自分を過信した結果お話の詳細は忘却の彼方に消えつつあるが、蝉の幼虫と日食の謎とオールアフレコで撮られている今作の映画から解放された音たちについて話されてたような気がしなくもない。
この作品についても例の如く見たことがなければどんな内容なのかも全く知らずでもまあ大島渚っぽいのかなとぼんやり想像していたのだけれど、 黒沢監督が典型な歌合戦映画だとかジャック・ドゥミとか旅芸人の記録だとか言うからおおミュージカルかそれは予想外と思ったら、なんかまんまと騙された気分に。いや勿論大変面白かったんですけど。
男子学生が3本も4本も一気に煙草を吸う冒頭から彼らが雪の中を並んで歩くシーンとか教室を舞台の女学生を犯す妄想シーンとか、それこそ不思議な音の効果もあってか異様に怖かった。黒い日の丸も勿論怖かった。唄われている春歌や軍歌の意味が正確にわかったわけじゃないけれど、性の解放から朝鮮人から騎馬民族説まで、ひたすらすげえなと思わされた117分であった。撮影されてるロケ場所もみんな面白かった。
主演の荒木一郎の9:1な分け目が気になった。フォークソングを唄っている青年たちがみんなオードリーの春日に見えた。

親切な御方のご招待により、沖島勲監督最新作『これでいーのかしら(井の頭) 怒る西行』の試写に潜り込ませて頂く。ありがたや。
配給も公開も全く予定がないという今作品、沖島監督の散歩コース(世田谷辺り?)を沖島監督ご自身がいろいろお話ししながらただ風景が進んでいく(友人の言葉をパクれば「もやもやさまーず沖島版」)、だけなのに滅法面白いから不思議。 その風景自体のきれいさと沖島監督のユーモア(素かも)に飽きず、97分という尺だったがこのまま延々続いても延々見てしまいそうな映画でございました。なんで西行が怒ってるのかはよくわからない。
終了後の打ち上げにも勝手に潜入、最近お酒を飲むとすぐに記憶が飛ぶのはどうしたものか。

・季節柄仕方ないとは言えぽんず様の抜け毛の量が床やら服やらに散乱してシャレにならん!!(そら様は神経質なまでにグルーミングが趣味なのでほとんど害がない)ということでかなり久しぶりに風呂に入れてみた。今でも充分可愛い顔だけれど体つきがちょっぴり残念な彼(年齢的にも外見的にも人間になったら彦摩呂系だと思う)、キレイになったらちょっとはシュっとしてよりイケメンになるかなーと思ったけど、なんか巨大なねずみみたいになってちょっと引いた。
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そして体が完全に乾いた今、彼の抜け毛の量はシャンプー前とほとんど変わらない...。解決法求む。  
・テレビをつけたら丁度スカパーで『デトロイトメタルシティ』が始まるとこだったのでなんとなく最後まで鑑賞。悔しいかな「チョコレイプケーキ」と「お化け屋敷の十字架を全部クロムハーツに」と「ぐりとぐら」には笑ってしまったが。『スパイダーマン』は大きく出過ぎやろ。
・夜のニュース番組で生まれて初めて動画の植田まさし先生を拝見、本気で感動した。

我ながら「人生丸ごと大型連休」って中々冴えたキャッチコピーやななんてことを考えながら日が暮れるのを待って、新宿に鈴木卓爾監督『私は猫ストーカー』 を見に行ってみた。小さい劇場とはいえ想像以上の客入り&お昼の回は立ち見だったそうで。人気らしい原作漫画は未読。
見ながら、なんか、ここまでバリバリの単館系日本映画を久しぶりに見る気がすると感じるような趣の作品でございました。別にそれが褒め言葉でもけなし言葉でもないし、ここまで猫たちが出て出て出まくる映画を簡単に否定できないというポイントを差し引いても、嫌いにはなれない品の良さ。途中たむらまさき撮影のにゃんこDVDみたいになってましたけど。さすがに猫目線カメラには笑ってしまった。
得体の知れない諏訪太郎とか猫仙人も面白いし、周りの雑音で聞き取れないセリフなんかも良かった。ヴィジュアルが生理的に苦手な星野真理のアップが少なかったのも良かった。久しぶりに見た宮崎将がえらく立派な青年になっててびっくりした。猫ストーカーになる心得も勉強になった。そして単純にこれだけの量の野良猫を撮りあげたことに軽く感動した。さすがにあの古本屋に若い女のバイトはふたりいらんやろとは思った。あと15分短ければもっと好きになったかもしれない。
観賞後はまんまと蓮実重臣の罠にハマって主題歌を口ずさんでしまい、そのまま酒ストーカーと化す。

我が家の御猫様は、本物のキャットハウスには見向きもしないのに貧乏くさい紙袋が最近のお気に入りで相変わらずの飼い主泣かせ。
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背後のいいちこは気のせい。   

昨夜とある方から聞いて、金井美恵子の「小春日和」が前田陽一監督でドラマ化されているということを初めて知り「うおめっちゃ見たい」と思ってたらビンゴに昼間スカパーで放送してた。大原麗子とつみきみほは想像してなかったけど中々面白い。

なんとなく銀座で見ときたくて最終日最終回のオリヴィエ・アサイヤス監督『夏時間の庭』 へ。初めて見たアオキのネオンにびびる。
母親が死んだ後家の遺品整理に悩む子どもたち、その遺品がオルセー美術館から貸し出された本物の美術品とのこと。数年前オルセーには行ったけれどこれらは素通りしてた模様。
『デーモンラヴァー』で私をあんなにぐったりさせた監督とは思えないような、一見静かで穏やかな映画なのには驚いたけど、良い映画で感動した。よく考えると色んなことがだいぶ不親切で銀座マダムたちは大丈夫かしらと不安になったけど、前に座ってた女性が号泣してたので多分大丈夫だったんだろう。お葬式の後(?)兄の家で話す兄弟たちの会話が、なんか凄かった。お手伝いのおばあさんが可愛かった。フランスの75歳はこんなにきれいで元気なのかと驚いた。あのアメリカ人男性がイーストウッド先生の御子息とは。
この監督の映画を見る度、この人お金持ちってのがどういうものかよく知ってはるなあと感心する。しかし日本の成金にとって遺産問題はこんな美しいものじゃないはずだとひとり不安にもなった。

こーも暑いと街に出るパワーが出ないので会社帰りに映画館に逃げ込むように近所でやってた西川美和監督最新作『ディア・ドクター』を見てみた。予告がひとつ(しかも『しんぼる』)だけだったのが大変よろしい。
医者がひとりしかいない田舎の村を舞台に、監督が書いた原作は直木賞候補にもなったらしい物語は確かに上手いお話として進んでいくのだけれど、映画全体があまりにもお話を進めるためだけに機能してるように見えてしまって途中で退屈してしまった。丁寧とも言えるんだろうけど、説明的にいちいち映し過ぎな気が。
この展開の仕方だと、中途半端な瑛太の存在がほんとにただのロハスかぶれの馬鹿な若者にしか見えない、いっそ全体を瑛太目線で語って伏線的な釣瓶の心理的葛藤なんて描かず本当に最後までどんな人間かわかりませんでしたって話の方が面白いはずだと珍しく脳内プロットを練り直したりしてみました。いかがでしょ。
八千草薫と井川遥の母娘は美しさも含め素晴らしかった。あの肌と二の腕がもう。 私の女主治医は浜口京子似でしたけど。主演は、まあ釣瓶で良かったか。田舎の景色を撮るのは木村祐一の方が上手いんじゃないかしらんと思ってしまった。

朝も早よから足立区へ。初めて行ったけどえらい遠い&ほんまに何もない場所でちょっとびっくり。目的はMRI。普通の人の一生分は体験してるだろうと思える程MRIまくってる私、それでも30分の長丁場は今回が初めて。おかげで、途中で爆睡してしまい検査技師に激怒されたり、終了後狭い筒から出た瞬間立ちくらみを起こしおもいっっっきり足をぐねって周りの機器や器具やらをがしゃんがしゃん倒しまくり、病院に行って怪我して帰るというミラクルが起こった。多分私の左足は呪われている。
そんなこんなでなんかすっきりしたくて近所に『ターミネーター4』(マックG監督)を見に行ってみたが、大してすっきりできなかった。ほんまになんにも考えず誰かがプレイしてるテレビゲームを隣りで見てるような軽くて安い感覚。『スター・トレック』の余韻の存在もでかいと思うが、やっぱり昭和生まれの私には人間の闘う相手が全面的にCGってのに乗り切れないのかも。 トラックとかバイクのCG絡みな暴走は3で充分見たし、ジョン・コナーにもそこまで思い入れないし。文句を言う程退屈ではないが敢えておススメもしませんって感じでしょーか。クリスチャン・ベイルがいつまでたってもトム・クルーズのバッタもんにしか見えないのは私だけだろうか。シュワちゃんが作りモンみたいなビジュアルで良かったねと思った。でもこのラストにはずっこけた。地球って何回核落ちても大丈夫なくらいタフだったのかよ。ああ「こいつら100%伝説」を読み直したい。

今年はもう言わんとこうと思ってたけど、やっぱりあかん。夏は死ぬべき。

漫画の映画化反対部、しかも手塚治虫記念館が出来た際には宝塚まで足を運んで訪問した程の手塚主義者である私に無断で『MW-ムウ-』 (岩本仁志監督)とは何事だと見る前から文句ダラダラ。正しく文句言うために事前に原作を買い直して読み直した真面目なあたし。
で、見た結果、えっと漫画「MW」って、戦後の日本政府と米軍とキリスト教と同性愛とトラウマと復讐を巡る壮大な全三巻(それでもあとがきに「自らの悪筆に遺憾千万」とおっしゃる手塚先生...)だったはずなんですが、映画にはその要素全てが感動的なまでに出てきません。それが良いとか悪いとか以前に作り手がなんでこの映画に「原作MW」って付けたのかがよくわからない。普通に、『イケメン殺人鬼とマッチョ刑事のはちゃめちゃ事件簿』でいいじゃん。それくらい原型無し。
ならば、それはそれで原作とは全く別のものとして楽しむという方法もあるのだけれど、この映画は原作の要素をなくすだけじゃなく故意に(と信じたい。でなきゃタチが悪過ぎる)ねじ曲げてる不愉快さにひたすら腹が立った。まず、同性愛が出てこないどころか玉木宏は女装もレイプもしない、男はひたすら強くマッチョに女はひたすら庇護されもしくは抹消されと最近じゃ珍しいくらいの異性愛主義で押してくる。制作者はさぞ正統的なホモフォビアなんだろう(そのくせ明らかに腐女子を狙ったイメージ写真集は絶賛発売中)。あと、主人公の故郷を抹消されたトラウマという要素を隠して彼を「モンスター」と呼びいわゆるキチガイ殺人鬼に収斂させた、ってそれ原作と違うどころか普通におもんない。そして、戦後という問題も隠したくせに突然ハリウッド風CGで9.11をやってみちゃった。困った困った。
主人公の玉木宏、痩せ過ぎで神父役でもないのにキリストみたいな顔になってて怖かった。逆に神父役の山田孝之、せっかくの肉体がもったいない程役立たずな存在で可哀想だった。このふたりの繋がりを肉体関係なしに描こうとしたのが全ての過ち。そっちの方が売れただろーに。

ってこんな映画は既にどうでもよく、ちょっと目を離した隙に臓器移植法改正案が通過したのですね。どえらいこっちゃ。

石を抱えた身重の体で今更J.J.エイブラムス監督『スター・トレック』 を見に行く健気なあたし。しかしこれがおお劇場で見といて良かったと思える面白さだったのでした。名画座宣言をなさったシネパトスさんでの鑑賞、不思議なくらい客が入ってた。前に座ってた女性が、なんで21世紀の今日にダブル浅野並みに前髪をかきあげる必要があるのかと尋ねたくなるくらい前髪をかきあげながら鑑賞してた。
それはともかく。
原作については、コミックだかアニメだかドラマだかそれすらも分からない程NO知識。それでも無問題に楽しかったのは出てくるキャラクターの内面的なものが気持ちいいくらいそっちのけでひたすらお話とアクションで進んでいくからだと思われ。見てて気持ちいい。舞台が宇宙なのでもちろんCGメインの映画ではあるのだけれどなんでかそれがあんまり気にならない(観賞後資料を見てだいぶ大掛かりなセットを作って撮影したと知る)。呆気ないくらい時間や空間をひょいひょいワープ、普段なら絶対ついて行けなそうな展開も「ディスコ探偵水曜日」のおかげでなんとか理解できた、気がする。舞城先生ありがとう。ワープした先がおかしな場所というお決まりのネタも外さなかったのもよろし。攻撃されてる宇宙船での出産シーンってのも中々良かった。
お母さん役の女優がウィノナ・ライダーに似てるなーと思ってたら、ウィノナ本人だった。エリック・バナにはまんまと気付かなかった。お気に入りのサイモン・ペッグが出てて嬉しかった。スポックというキャラクター、唯一感情的になる彼のビジュアルがふざけてる(失礼)おかげで深刻な映画にならず、よかったんじゃないかと思う。続編も楽しみなり。

恐怖!明け方激しい腹痛で目が覚めるの巻!まさかの悪夢再び今度は胃か大腸かとひたすらのたうちまわり駅前の病院にも歩いて辿り着く自信がなかったのでタクシーでひーこらひーこらばひんばひん、超音波やらレントゲンやら投影剤の結果は結局またも胆石さんが大暴れの巻だった。一応今回は前回ほどおかしなことにはなってないのでこれから詳しく検査してさっさと胆のう取っちゃいましょうという話で落ち着いたのだが、なんだかなあ。こないだ入院した時「まだお腹に石はあるけど生きてるうちに運が悪ければまた痛むかもね」的な説明だったのに、数ヶ月後にこんなことになるとはさすがに凹む。点滴打ったおかげで今は痛みはないがまたいつ襲われるかと思うとしょぼしょぼ。
それもでまあ夕方にはなんとなく元気になったので気合を入れて宅急便の段ボールを勢いよく開けたら、勢いよく指の爪が剥がれた。くせ毛用と思って購入した高級トリートメントが実は間違ってパーマヘア用を選んでいた、と風呂場で気づいた。コンビニで「ミスター味っ子傑作集」を買ってみたら、読み切りじゃなかった。なんとも不穏な20代最後の一か月の幕開け。

見に行ったのは昨日なのだがその帰りに立ち寄った呑み屋で見知らぬ男に「福のある顔してるねえ」と10回以上言われてる間に今日になってしまったシネマヴェーラさん「神代辰巳レトロスペクティブ」にて『棒の哀しみ』(94年)&『美加マドカ・指を濡らす女』(84年)。神代監督最後の映画作品&最後のロマンポルノ作品だそうな。
原作はスクリーンでもすごい存在感だった北方謙三先生『棒の哀しみ』、初めて見たけどすっげー面白かった。今まで見てきた神代監督作品とはまた違う男臭さ。ドンパチがあるわけではないやくざ映画なのに、やたらめったら怖い。奥田瑛二演じる主演のやくざ男(これがちょっとかっこよ過ぎたか。中田ボタンが似合いそうだなあと思いながら見てしまった)が話す独り言がなんか恐ろしい。刺された傷を自分で縫う男とそれを見て欲情する女てなんちゅー世界やと呆れかけたけどあまりの異様さにひたすら圧倒された。中途半端なやくざ映画にはつい一言言いたくなる私もさすが大人の男を目の前におとなしくなりやした。いやしかしナンパされたおじさんにシャブ漬けにはされたくない。
『美加マドカ…』、ストリッパーのヒモ役若い内藤剛志がえらい可愛くてびっくり。前半ほとんど男と女が狭いアパートで暴れてるだけなのに二人がひたすら動き回る姿を見てるだけでじゅーぶん楽しい。ラストの、ベッドの周りを回り続ける内藤剛志にはなんでか泣きかけた。ハイヒールモモコ顔のストリッパーも叫んでるだけやけど、なんかえらい良かった。途中で突然現れるアパートの女も全然意味わからんけどすごかったなあ。と大変満足なのですが、あの赤ん坊の扱いはさすがにちょっとどうかと…。見ながら本気でひやひやした。実際の親は怒らなかったのだろうか。

ちと寝不足だったため映画館に向かう途中で既に超おネム、これは絶対途中で寝てしまうなと思いながらの鑑賞だったのに予想以上に夢中になって無事完走できてしまったスティーヴン・ダルドリー監督『愛を読むひと』 。原作の「朗読者」、えらくブームになってたことはなんとなく覚えてるけど未読。内容に関しても全く知らず。邦題はダサいと思う。
映画開始5分後には主演の男女が全裸になってたため(ここの流れが大変良く一気に見る気になった)、15歳の青年と38歳女のラブストーリーで進んでいくのかと思ったらお話はどろどろと大戦後のドイツナチスを巡る裁判沙汰になっていきそのままかなり救いのないラストを迎え終わっていったのであった。それに絡むちょっとしたミステリーと壮大なロマンスが中々悪くなく後半の朗読シーンにはまんまと涙したり。相変わらず芝居自体は好きになれないが惜しみなく裸になったりひとり老けメイクで頑張りまくってたケイト・ウィンスレットも確かにアカデミー賞は妥当かと。芝居よりも彼女の身体自体が年齢差恋愛の切なさを表現してて、泣けた。最後のユダヤ人女性の顔の迫力も良かった。15歳の坊やも確かに萌えざるを得ない可愛さであった。
それでもやっぱり、ドイツを舞台にしたナチスを巡る映画が何故イギリス人監督とアメリカ人女優によって全篇英語で作られているのかという疑問は残る。好きだった人がSSに加担していたと言う事実を知って苦悩する主人公、大層な問題を扱ってるけどでも英米人にやられてもなあと興ざめしなくもない。

全くもってこれっぽっちも1ミクロでさえ私の意志ではないのだが、やむを得ない事情で『ROOKIES-卒業-』 (平川雄一郎監督)を見に行く羽目に...。
感想とか以前に、137分間頭の上を大きなクエスチョンマークが浮かびっぱなしだったのでとりあえずその疑問を挙げてみる。実際はワンカットずつ一時停止しておかしい点を指摘したいくらいなのだが、そんな愛はない。
その1、これは私がルーキーズ(英語変換もダルい)ドラマ版を一切見たことがない不勉強が故なのかもしれないが、映画が始まった時点で野球部員全員めっちゃいい子。普通に高校野球目指して頑張る少年たちが中途半端にヤンキー風味である意味が一切わからない。
その2、5分に一回くらい挟まれるスローモーションの意味が一切わからない。
その3、劇中流れっぱなしの大袈裟な音楽のせいで真の盛り上がりどころを見失い、 感動ポイントが一切わからない。
その4、生徒に禁煙を勧める教師役の佐藤隆太の歯が黄色過ぎることに誰も気づかなかったのか?お金あるんだろうからホワイトニングぐらいしろ。
その5、甲子園って気合いで行けるの? 怪我をした選手の代わりに怪我人をマウンドに送るって、脚本家頭おかしーんじゃねーの?
その6、猫がニャーと鳴くように、口を開けば「夢!」「努力!」「俺たち!」と叫ぶ出演者たちを500歩譲って許すとしても、大事な試合中にそれを言うためだけにいちいち野球の流れが止まるので勝敗を見失い、途中で「ああこの映画は野球を描く気がないのか」と気づく。じゃあ何を撮りたいんだろうと考えたところ、どうやら体育会系ホモセクシャルなユートピアなんだと。事実不気味なくらいネガティブな要素や言葉が一切出てこない。てかキモい。
その7、なので今作品最大の謎、これが興行成績数十億を稼ぐ程ヒットしているという現実。結構真剣にその理由を考えてみたが、結論として日本人は白痴になりたいんだなと。現実的な問題とか人間の暗部とかそんなもんに用はなく、とにかく誰かに笑顔で自己肯定してもらいたいんだなと。恐ろしかとばい。
映画を見て久しぶりに最後の30分間本気で辛かった。市原隼人くんの最後の決め台詞は「報われない努力はないんだよ!」だけど、私がこの映画を二時間以上我慢して見た努力が報われることは一生ないと思われます。

そしてシネマヴェーラさんでの神代祭りは続く。
『快楽学園 禁じられた遊び』(80年)、学園ものだというのにいきなり学校の先生がサングラス&葉巻なのに大笑い、その後もとにかくとんでもない展開とスピードで進んでいく67分にひたすら笑い転げてたのだが、ひさうちみきおの漫画が原作のロマンポルノと承知はしつつそれでも主人公の少女のあまりにもな不幸っぷりに最後の方がちょっとブルーになってしまった...。叫び声が悲痛過ぎた。女の髪の毛を引っぱる、というのは視覚的に結構くる。知り合いの役者さんが結構重要な役で出てらしてびっくりした。
『嗚呼!おんなたち 猥歌』(81年)、女にだらしないヒモのロッカー内田裕也と彼に献身的な付き人旧名安岡力也、という設定にまた昭和をリスペクト。新宿ロフトでのライブがかっこよかった。なにもそんなに目につく女全員とやらなくてもと思った。内田裕也と絵沢萌子が夫婦ってのもなんか異様で面白かった。
ひとりの男を巡ってライバルにあるはずの女たちが一緒にいるようになりだす、ふたりでプール行くのとかお風呂入るのとかすごい切なかったしその一人がソープの客に殺されるってのもたまらなく良かったけれどこのオチはちょっとどこまで本気で冗談なのかよくわからない感じが残らなくもない。まあジョークか。
映画館を出た後に遭遇したとんでも事態に耐えた自分へのご褒美として久しぶりにHMVにてCDを大人買いしたのだが。誰か私のiPodどこにあるか知りませんー?多分百数十個あるバッグのどれかに入ってるんだろうけど。

そー言えば、スタジオボイス休刊はやたらとショッキング。田舎者の中学生にはありがたい雑誌だったのだ。

いやあああ長かった。でも本当に素晴らしい試合だった。ロディックくんありがとう。でもフェデラー様優勝で心底ホッとした。
グランドスラム史上最長のフルセット30ゲーム、フェデラーのチャンピオンシップポイントが唯一の彼のブレイク、出来過ぎた試合に私も柳さんもウディ・アレンもラッセル・クロウも大満足なはず。両者とも完璧なプレー過ぎて最後の最後までどっちが勝つかほんとわからなかったしどっちが勝っても不思議じゃなかったけど、やっぱりフェデラー。生きる伝説はやることが違うのですね、かっこ良過ぎます。もちろんロディックもいい仕事したんだし、試合終了後あんなに落ち込むことはないしそこまで若ハゲを気にすることもないと思う。ツバから汗が滴る程暑いなら帽子は脱げばいい。ガールフレンドのビジュアルは明らかにフェデラーに勝ってるんだし。
それにしても見る度謎で仕方ないのは、なんでテニス選手って数時間走り回って球打ちまくってるのにいつまでたっても息のひとつもきれないのか。体力に関しては他のどのスポーツよりも凄いんじゃなかろうか。
あと、車椅子テニスの日本人選手国枝慎吾の強さはもうちょっと話題になっていい気がするぞよ。

ただでさえ漫画の映画化反対部なのによりによって西原理恵子先生様のよりによってこの作品を映画にするなんてそんな冒涜行為に出たヤツはどこのどいつや監督大岡俊彦って誰やねんと見る前からクレーマーになる気満々で『いけちゃんとぼく』 に臨んだのに、最終的にはお前サクラかってくらい号泣してるから人間て不思議...。
いや最初の30分は「おっとこれは漫画の映画化最低パターン、原作のおもしろエピソードだけを集めてわかった気になってる(ex.天然コケッッコー)ってやつか」と予想通りの展開だったのだが、後半からがんがん映画オリジナルの話になって、それが特に冴えてるってわけではないけどこの監督さん西原理恵子の漫画がほんとに好きなんだなと思える良心が伝わったのでつい涙してしまったのですよ。余計なCGとか効果音とかうっとおしいものがいっぱいあったり(監督はCM出身だそーな)、言ってしまえば単なる少年の成長物語で、一歩間違うと宮崎駿アニメ的なものになってしまうところを確かにラストきれいにまとめ過ぎて映画として五歩くらい間違ってたりしてたけど、これを外したらマジ殺すと思っていた「100うみ」をきちんとやってくれてたので満足することにする。ちゃんと高知で撮影してるのも良かった。でもヴィジュアル的にいけちゃんの涙はないやろとは思った。あと色々もったいないのはわかるけど主人公の少年に喋らせ過ぎやろとも思った。せっかく映画なんだからもっと動き回らしてほしかったかな。
っていうか蒼井優。この、西原漫画の文字をセリフにするということの意味を完全に理解してる頭の良さには参った参った。薄々気付いてけど本当にすごい役者さんだと思う。うどん屋の子役もある意味すごかった(松ケンは彼を見習うべきなんじゃないだろうか)。柄本くんはチョイ役でもやっぱりなんかいい。久しぶりに見たともさかりえの顔が以前にも増して曲がっていて他人事ながらなんか心配になった。

ついロディック(マルコヴィッチ似)VSヒューイットの熱戦を朝まで見てしまったため本日も一本のみになってしまったシネマヴェーラさん「神代辰巳レトロスペクティブ」、『もどり川』(83年)。全然知らなかったけど中々上映されない貴重な作品だそうな。
大正時代を舞台にショーケン演じる孤独な歌人と彼を巡る女たちの愛憎。よく考えるとただの女好きが度を超して問題起こしまくってるだけの話なような気もしなくもないが、137分間ひたすらテンション高くショーケンが動く、女を押し倒す、女をしばく、女と心中する、その勢いにとにかく圧倒されてすっかりハマってしまった。あまりの迫力に見てるだけでだいぶぐったりしたけど、面白かったです。なんでそんな場所で吐血するのか、なんでそんな場所で欲情するのか、という愚問は途中放棄した。こんなに若い原田美枝子と樋口可南子を初めて見たけど、やっぱりすっごい綺麗。もちろんショーケンもめっちゃくちゃかっこよし。あのトラダンスを習得したいと思った。画面越しにも伝わってくる湿気むんむんな感じ、映画としては大変魅力的だがこの世界には行きたいくないなと思った。
そしてがしかし、別にわざとケチをつけてるわけじゃないけど、この話の流れだとラストは主人公が死なない方がいいやろーと微妙な不満が。ここまでやるなら最後まで最低な人間でいてほしかったというか(実際こんな自分勝手な男は自殺なんかしないだろうし)。散々酷い目に遭ったけど結局最後は妻(女)が勝った、みたいなオチはやっぱり好みじゃない。何をそんなに恐れているのか。
観賞後解説を読んでるとこれは海外の映画賞を狙って作られた作品とのことだが、劇中に頻出する和歌をどうやって外国人に伝えたのかがちと気になった。

時間の都合でどうせ一本しか見られへんしせっかく水曜やしで他のにしようかとも思ったけれどやっぱり結局シネマヴェーラさん「神代辰巳レトロスペクティブ」に行ってしまったとさ。どこかの学生さんなのか若い女性客が多めでよろし。
本日は『青春の蹉跌』(74年)。なんか、ショーケンが大学生の家庭教師で桃井かおりが女子高生の教え子って設定だけでしみじみ昭和ってすごい時代だったんだなと思ってしまった。そんなふたりの初体験シーンが妙に初々しいのがなんとも。身勝手な青年と世間知らずの少女のなんでもないお話がえらい切なくてすごく良かったす。途中で挟まれるショーケンのローラースケートとか桃井かおりの自転車とか全然意味わからんけど公開当時は一般的なヒット作だったってのに驚き。現在じゃセックスシーン以外にも女を妊娠させた男が有無を言わさず堕ろさせるって設定の時点で駄目そう。アホらし。
で、もちろん「エンヤートット」にも心打たれたけど途中で突然出てくる「プカプカ」にもやられた。ふたりがただひたすら雪山を歩くシーンはまだ冷静でいられたけど、あの転がり落ちていくところ、最近見たどのアクション映画よりもドキドキハラハラした。普通に死ぬでしょうよあれ。あそこで乳を出す桃井かおりもだいぶ衝撃でした。そしてやっぱり芹明香、ちょい役でしかも役名は「シンナーの女」だけど今日もやっぱり泣かせてくれた。監督さんようわかってはる。

たった今みんな大好き柳恵誌郎さんの解説を聞いてて気づいたけど、テニスは映画以上に「切り返しのショット」という言葉を使う。