今日までこの映画を我慢していたのはちょっとした理由がありまして、その理由が決して解決されたわけではないんだけれどあかんもう辛抱たまらん!と台風の中とうとうミラノ座で見てしまいました、ジェームズ・マンゴールド監督『ナイト&デイ』 (knightだったのね)。数ヶ月前から予告を見ただけで興奮しまくりだったがこの監督さんだったとは最近知った。
既にみなさん公開直後にご覧になって色々言われてると思うので細かいことは端折りますが、手抜きとかじゃなくてね、とにかく面白かった。超満足、お金があるっていいですね。
こんなに楽しそうなトム・クルーズを見れただけで幸せ。私も車の上に乗って高速道路に現れてみたい。もちろんキャメロン・ディアスの可愛さにも悶絶。私も前髪伸ばそうと思った。いやあよかったよかった、と当たり前のことしか言い様がないのだが、女に「最高のセックスがしたい」と言わせた直後にバイクに乗せて途中で体位まで変えて、ジェームズさん相当なエロ親父やなあと爆笑したのは私くらいかもしれないですね。
なんとなくお久しぶりなシネマヴェーラさんに行ってみたら、一階はせっせと工事中であった。
実はほとんど未見の川島雄三「シブ筋」十八選」特集にて『洲崎パラダイス 赤信号』(56年)を鑑賞してみたのですが、これ、周りの人がみんな声を揃えて「面白い!」と言うのでもっとコメディな雰囲気を勝手に想像していたのですね。そしたら戦後の遊郭地帯を巡る哀しい女とヒモ男のえらい切ない物語で勝手にびっくりしてしまいました。確かにすごい面白かったんですけど。あの遊郭の入り口にあるでっかい「パラダイス」の看板だけで十分ってくらいびっくりしてしまった。
新珠美千代演じる身勝手だけど幸せになれない女と仕事もしないくせに嫉妬に狂う青年の三橋達也の関係も切なかったけど、何かとふたりの世話をする飲み屋の女将がえらい泣けた。若い女と逃げた挙げ句勝手に戻ってきた夫を見た瞬間の顔がもう。
で劇場に行ってから作品差し替えと知りたまたま見た『花影』(61年)がこれまた既にホステスと呼ばれる時代に「最後の女中」と言われるもう若くない飲み屋の女の切な過ぎる物語で、男に馬鹿にされることで傷ついた心をまた馬鹿な男で埋めていく姿が我ながらどうかと思うくらい既視感...。あの美術家の先生までもが。銀座で働いたことなんてないのに。うおーなんちゅー映画やーとひとり身悶えながら見て、ラストのブルー過ぎる救いのなさには思わず笑ってしまいましたとさ。男たちのために死んだりしないけどさあ、池部良の微妙な上目遣いがもう。
それはそれは親切な御方のご好意により只今絶賛開催中らしい東京国際映画祭にて今年九月に亡くなったクロード・シャブロル監督の遺作『刑事ベラミー』を拝見する機会を与えて頂く。謝謝。
不勉強なあたしは実はシャブロル監督の映画を片手で足りる程しか見たことがなくなので今までの作品と比較してああだこうだとは言えないのですが、今回もやっぱりオリヴェイラさん同様、おじいちゃんって狂ってるなあと本気で感心しながら笑える、凄い映画であった。遺作で冒頭シーンがお墓ってのがまずおかしいし。
なんかやたらと有名らしい刑事ベラミーさんがある保険金殺人を解決していくミステリーに見えて実はその謎の全てがぺらぺら喋られる会話の中で解かれていって、ちょっとやり過ぎじゃないのってくらい強引に人間関係が繋がって、ちょっとそれどうなのってくらいベラミーさんがエロくって、でも最終的にはじーんとしてしまうような大人な映画でありました。主演のジェラール・ドパルデューのお腹周りが半端なく、この人ほんまに途中で心臓疾患とかで倒れんじゃないかと無駄にハラハラしてしまうサスペンスも有り。すっごい面白かったけど中々の地味具合でもあるので一般公開されるのは難しいのかなあ。でももしされた際には是非。
観賞後外に出たらすっかり冬の空気でびっくりした。秋ってあったっけ?
吉田くんとの久々の再会を堪能した後、とうとうマノエル・デ・オリヴェイラ監督最新作『ブロンド少女は過激に美しく』を拝見致しました。
見る前にはなんちゅータイトルやとだいぶ呆れてたのですが、見た後、確かにブロンド少女は過激に美しくございました。いや、完璧な美人ってわけじゃないんだけどほんとに窓際で扇をぱたぱたさせてる姿がそれだけで十分バカ男の人生を狂わせそうな勢いで美しく、おじいちゃん(監督は撮影時100歳)のエロさにさすがの年の功を感じました。それ以外にも、もう笑うしかできないような異様な64分間で、これ以上長かったら見続けられなかったかもってくらい濃厚でございました。凄かったです。私も今度からキスする時ひょいっと片足でも上げてやろうかと思ったけれど想像したらキモかったのでやめときます。で、最終的に、映画の舞台がいつの時代なのかすらよくわからなかったんですけれども。
併映の、ゴダール監督短編『シャルロットとジュール』も、小さな部屋の中をするする動き回る若かりしポリンキー(ベルモンド)が可愛くて萌えまくった。
帰ってから見てみた浜ちゃんのドラマ、キャストが豪華過ぎて不自然だった。
で、翔太と言えばあややでしょと、今更初めての神保町シアターさんにて開催中のみつめていたい!若尾文子特集に向かい、三隅研次監督『雪の喪章』(67年)を見てみた。さすがのあやや人気で場内ほぼ満席。
金沢の雪を背景に、戦前から戦後まで波乱に満ちた女の人生をあややがこれでもかってくらい美しく演じているのだが、いかんせんフィルムの退色がひどく、画面がほとんど赤。これがもっときれいな色で雪の白がちゃんと見えたらもっとうっとりできたんだろうなあとちょっと残念ではあった。が、もちろん映画はすこぶる面白く、あややと天知茂が部屋の中で会話してるだけの場面にじゅうぶんうっとりしたんですけど。自分の息子の女癖の悪さをすごい論理でかばおうとする姑が自分の祖母(父のおかん)と被りまくって、不謹慎ながら笑ってしまった。
本日の研究結果、あややの顔を左右するのはアイラインである。冒頭の嫁入り姿から大学生になった息子を見守るおばさんになるまで、徐々にアイラインが薄くなって最終的には完全に描かない(だけ)という老けメイクは本当に見事であった。それにしても何回見てもあややは母親に見えない。
で、ひとり山田孝之祭りを開催したくなったので本日は冨永昌敬監督最新作『乱暴と待機』 を見に行ってみた。平日の夕方だと言うのに結構な混雑でした。
大好きな山田孝之と小池栄子が夫婦役ってだけで期待に胸は膨らむばかりだし、メインの舞台となるロケ地の掘建て小屋は見てて面白いし室内の映像はきれいだし不思議な音も面白いしと一応それなりに映画に対しては色々感じたりした、はずなのだが、本当にごめんなさい、私、心底本気でこういう本谷有希子的(ほとんど見てないから想像ですけど...)いかにもちょっとしたウケを狙って作られた(いかんせんそれが面白くない)馬鹿な女キャラクターの自意識空回り系お話が嫌いにすらなれないほど興味がまっったく持てなくて、見ながら途中で何かを放棄してしまった。なのでまともに映画を見たとは言えず、棄権。まあ演劇だとこういう少人数が暴走するだけの世界もまた違って見えて面白いのかも知れないけど。
それでももちろん孝之のエロくて最低な姿と腹ぼてで大暴れする栄子はすっごい良かったー。がしかしちょっとだけ浅野たーくんのムダ遣いな気がしなくもなかった。場内にはマメに笑いが起こっていたので全然いいんだろうけど。
夜、久しぶりにjijo&yonjoと会ったら、何がきっかけか知らんけどふたりともどうかと思うくらい松田翔太にハマっていて(私は兄貴派)、今この場に翔太が来たらどうするかという妄想だけで3時間以上語り合う。久しぶりに毛細血管切れるわ!ってくらい笑った。自意識以前の空回り。
タイトルくらいは知ってたものの工藤栄一のオリジナル版は見たことございません。なので今回の三池崇史監督『十三人の刺客』 は、何かと派手な時代劇として勝手に楽しんで見てみました。適度に軽くて適度に下品で、相変わらず嫌いではなかった。
二時間以上の尺のわりには前半でお話のほとんどが進行した時点でちょっと危ないなと思った予感は的中、後半のチャンバラがお金をかけまくって大暴れしてるのはわかったけれどちょっと長過ぎてダルくなってしまった。斬り合いはもっとするするしてるのが好み。その前半部分で普通のお客さんは引くだろうってくらい残酷に人が死にまくってたり時代劇なのに建物が爆発したり赤い血の雨が降ったりするのは中々面白かったけど。 「みなごろし」の文字にはちょっと笑ってしまったのだが、あれはギャグではないんですよね?
バカ殿役の稲垣吾郎ちゃんがバカには見えたけどもっと狂っててほしかったかも。岸部一徳はずる過ぎると思った。見ながら、なんか、日本に役所広司がいて良かったなあと思った。松方弘樹が主演だと笑ってまともに見れないだろうし。そして私は多分三池監督と同じくらい役者として山田孝之が好きだ。これ以上マッチョになったら現代劇に出れないんじゃないかと老婆心。でも彼以外の若手俳優の線が細すぎるのもどうかと思ったけど。
しかしこれ、かなり単純明快なストーリーだと思ったのだが帰りのエレベーターで若いカップルが全然わかんなかったねーと話していて、ゆとり教育って怖いなと思いました。
なんで自分があんなに石井隆好きな中学生だったのか、その理由は未だに自分でもよくわからないけど93年版の『ヌードの夜』も当時やたら好きやったなあと暗黒の十代を思い出しながら石井隆監督最新作『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』を見に新宿へ。勝手に前作と同じ竹中直人主演でのリメイクかと思いこんでたら、あの続編って話だったのですね。
で、十代の頃はそんなにファンだったくせに実は近年の石井監督作品はほとんど見逃していて、今回久しぶりに見てみて過去の石井作品との違いにかなりびっくりしたんですけど最近ってこんななんですか?なんというか、以前のがっちりした映画のイメージに比べてビデオ撮影のせいかえらく若返ってる風で、冒頭から何が映ってるかようわからんみたいな画面の連続にまず戸惑い、どこまで本気なのか冗談なのかわからない登場人物たちの説明的過ぎる会話や独り言に戸惑い、メインであるはずの男と女の愛のやりとりのあっけなさに戸惑い、127分は終わっていった。自分が期待してたものと違うってのが大きいのかもしれないけどちょっと残念な結果でありましたとさ。
清純派グラビアアイドルらしい主演の佐藤寛子、評判いいし頑張ってると思ったけどこの脱ぎ程度じゃ吉高由里子クンの方が立派だった気がした。井上晴美の声が素晴らしかった。誰もが言うだろうけど大竹しのぶに胃もたれした。久しぶりに見たジョー宍戸がかっこよかった。
日曜日は、新宿にて夜のおにいさまのお誕生日会に参加。かれこれ5年くらい連続でこの人の誕生日を祝ってる気がするが、未だフルネームすら知らないと気付く。キレイな年上のお姉様(ちょっとどうかと思うくらいシルクに激似)に抱きつかれたりオカマの熱唱が聴けたり久しぶりの友だちの活躍を知れたり、楽しい夜であった。
月曜日は、渋谷にて雑誌エクス・ポのイベント「エクス・ポナイトVol.6」 に親切な御方がゲストで入れて下さると言うのでほいほい行ってみた。
オサレな若者たちに混じって色々愉快なライブを鑑賞した後(mmmと虫博士のサプライズなセッションとか他人のライブに乱入して大暴れする虫博士とか)、松江哲朗×古澤健×七里圭監督による「映画に批評は必要か?」という壮大なタイトルのトークイベントを拝聴、これはこれでもちろんいっぱい笑えたし勉強になったのだが、いかんせんイベント終了後に古澤&七里監督と飲みに行った先で始発まで展開された酔っぱらいたちの会話の方がイベントにふさわしいんじゃないのという面白さで、あれを生中継できなかったことが本気で悔やまれるくらい名言連発。まあこのタイトルで一時間のトークってこと自体に無理があったのかも知れないけど、私が独り占めするには惜し過ぎる内容だったのでいつかオールナイトでトークイベントでもやって頂きたい。女の子の唇はみんな違うんだよ。
で、この数日の間にどこかで石川均監督『老人の恋 紙の力士』を見て結構感動したはず...。
監督のご好意により常本琢招監督最新作『アナボウ』の試写を拝見させて頂きました。多謝。上映前お気に入りのフクロウ柄のワンピースを監督に「お、ミネルヴァ書房ですか?」と言われてしまい、非常に動揺しながらの鑑賞。
20分の短編、とは聞いていたがタイトルの意味が不明。なんの映画か謎なまま見てみて納得、セックス甲子園を目指しセックス部活動に精進する女子高生の爽やかな青春映画であった(穴と棒)。これが冗談でなくほんと可愛らしいエロ映画で、女子高生の会話の雰囲気とか疾走する自転車とか、見てて聞いてて楽しかった。母親役の中原翔子さんが不思議な動きをしながら電話で話す会話がほんと意味わからな過ぎて、よくこんな脚本頭で思いつくなあと呆れながら感動した。宮﨑駿に失礼だよ、って私が言ってみたかった。
まだまだ練習中の彼女たちが本格的に甲子園を目指す続編があるとかないとか。かなり期待。
東京駅近辺の打ち上げに参加、したはずが気付いたら西荻窪にいて記憶をなくし、翌日には無事家のベッドで寝てる自分が偉いなあと思いました。
みんな大好きR指定アニメ『ハッピーフィート』のスタッフが再結集と聞けば見逃すわけにはいかないとザック・スナイダー監督『ガフールの伝説』を3D吹き替えバージョンで鑑賞。
古くから言い伝えられる伝説を信じる若きフクロウくんの成長物語、と言えばそれまでのお話やけど、とりあえず出てくるフクロウや他の動物がリアル過ぎて可愛いどころか普通に怖い。小さいときに見てたら多分泣いてた。それに悪者フクロウたちの巣窟がダーク過ぎる。月光マヒにされたフクロウたちがヤクザにシャブ漬けにされたジャンキーにしか見えない。それに家族なはずの兄貴の根性悪過ぎ。妹売り飛ばすのとか有り得ないし。と相変わらずの大人アニメっぷりには満足。
もちろんフクロウがでっかい羽を広げて空を飛ぶ姿はかっこよくて見てて気持ちよかったり、自分たちを弱い者と断言して尚戦うところと実の兄貴を殺してしまっても仲間たちを家族と呼んで生きていくのはさすが『ウォッチメン』の監督と感心感動させられました。次回作は実写新スーパーマンだそうでそれも楽しみ。そして何より、こんなにテンションの高い波平さんの声が聞けてだいぶ感激した!
夜、5年前に入院したときリハビリルームで知り合った病気仲間女子と久しぶりに食事、あの時はお互い必死で歩く練習してたのに今じゃふたりで深夜にゴールデン街で呑んだくれるんだから人間の身体って不思議ねーと大いに笑う。
原作小説は好きやったし一度お酒をご一緒したことある吉田修一さんもめっちゃいい人やったしで御本人が脚本にも参加してるという李相日監督『悪人』を結構期待して見に行ってみたのだが、原作の好きだった部分が悉く違うイメージになっていて、個人的にだいぶ残念であった。なんか、「悪人」と書いて「実はいい人」と読むみたいな話になっちゃってて。そうなるとただのダサい恋愛話にしか見えなくて。燈台に行ってからじゃなくて行くまでのふたりと周りの人間を見たかったんですけどと思ってしまった。
映画としても盛り上がる部分がいちいちわかりやす過ぎてちょいちょいダサい(イカ刺しの目には笑ったけど)。絶対に音楽は久石譲じゃない方がよかったはず...(日本映画にもトロピック・サンダーの法則が適用されるとは!)。となると主役もブッキーじゃない方がいいんだろうし頑張ってるのはわかるけどだからウチの組にはこんなイケメンでスリムな解体工いません。深っちゃんも今更脱がないんだとびっくりした。セックスシーンはもうちょっと色っぽくてもいいんじゃないか。主役以外の役者さんが樹木希林も光石研も塩見三省もすごい良かったのはよかった。みんなが大絶賛の満島ひかりは、ほんまごめん、ほんまに無理。頼むからあと三分の一毛量減らしてくれ。でも彼女が持っていたヴィトンのバッグが私の私物かも知れないというトリビア。
しかしすっかり大ヒットしてるのかと思ったら既にバルト9の一番小さい劇場なのな。すっかり流行の波がわからない。
「映画から、いっさいの光を取り去ったら、いったい何が現れるのだろう?」って、知らんがなどういう意味やねんと「闇の中の眠り姫」 なるイベントに参加。七里圭監督作品『眠り姫』(07年)をスクリーンはそこにあるものの一切光のない暗闇の中で音響(サウンドトラック)だけを聴く、80分の上演会。普段はあまり映画館で見かけないようなおしゃれで可愛い女性客で場内は満員御礼。
闇の中で聴くと言って思い出されるのはもちろんひふみよツアーの「流れ星ビバップ」とNY大停電、暗闇で聴いた音楽を僕たちは忘れないとは小沢くんのお言葉ですが、完璧な闇の中(実は微妙に光があったらしいが私には気付けなかった...)で映画を聴くのはさすがに初体験だったので最初の数分は戸惑ったけれども徐々に慣れてくるもんで。これもしかしたら本編を未見のままで体験した方が意味わからな過ぎて面白かったかもとちょっと思った。しかしまあけったいな問題作であることは確か。
以前に一度映画とは全然関係ないイベントでそれは本当の暗闇の中で色々動いてみるというのを体験したことがあるのですが、真っ暗になって何が怖いって周りとの距離感が一切掴めないことだった。だから今回も見ながら体勢を変えたりしたいけど隣の人がどこにいるのか、ぶつかってしまって変な音を立てたりするんじゃないかと妙な緊張感でございました。『眠り姫』の通常上映は10月23日からだそうな。
終了後には七里圭監督クラムボンPV「ASPEN」未公開バージョンの上映とそれに出演されてるダンサーの黒田育代さん(『告白』のお母さん)と佐々木敦さんと監督御本人によるトークイベント。最終的には映像と音のない上演会をするという話になっていた。
ひょこひょこついて行った打ち上げの場で何度も「ビッチめ!」と罵られ、しめしめと思う。
home