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5.11

収穫×2

時間的に丁度いいから、という消極的な理由でフィルムセンターに行き、吉村公三郎監督の『喜劇 嫉妬』を見たのだが、これがかなり面白かった。1949年の作品なのに、現代でも全然笑える&笑えない辛辣なコメディで、この時代にこんな脚本を書いた新藤兼人はやっぱりすごいかも、と改めて思ったり。

「喜劇」なだけに、主人公夫婦の亭主関白っぷりの描写はかなり極端な男尊女卑で、最初はそれをわかってるつもりでも見てるだけで不愉快!だったのに、途中から、旦那のあまりの情けなさ&アホさに笑い止まらず。いつの時代もほんま、男ってどうしようもない生き物ですね。

自分には若い愛人がいるくせに、無下に扱っている妻にちょっとでも男の影が出てくると狂気じみた疑いをもって探り出す夫。途中の、夜の廊下と壁越しに妻を見つめる突然のクローズアップが異様過ぎて、そこだけ完全にホラー。が、それ以外は夫の滑稽な嫉妬っぷりと離婚を言い出されたときの慌てっぷりにただ笑ってたら、ラストはほんとに笑えない妻の決断と横顔。メリハリきき過ぎ。夫に見切りをつけた瞬間に変わる妻(高峰三枝子)の表情の変化は凄かった。佐分利信、ダメ男過ぎるけどかっこいいから憎めず。

「一作品、2・3回は上映するから」と余裕こいてた新藤兼人特集も今月末までですね。これから真剣に通わなきゃ…。

映画後、なんとか10分遅刻を友だちに許してもらい、吉祥寺にてくものすカルテットのライブを初体験。

猫がトランペットを吹いていた。

それだけで個人的には満足やねんけど、ライブ自体も演奏は楽しくMCは面白く、大満足。舞台を見てるだけで、バンドの人たちのサービス精神とバンド内の仲の良さ(最年少のメンバーをいじる時の盛り上がりに泣きそうになったよ)が伝わってくる、素敵なバンドでした。久しぶりに聴いたけど、やっぱりビッグバンドは生が良いねえ。

ライブ後、美味しい焼き肉を食べたり、道すがらクドカンとすれ違ったりしながら帰宅。