5.26
恐ろしや…
昨日の贅沢を反省し、今日は謙虚にフィルムセンターへ。「映画の教室2006」の、『野いちご』(イングマル・ベルイマン)を見る。
タイトルから、勝手にのどかな映画を想像し、冒頭で「主人公おじいちゃんかよ」とちょっと戸惑うも、1回目の夢のシーンがちょっと不穏やけどあまりにかっこ良くクラクラし、そのまま渋いロードムビーになるかと思いきや、主人公の老人の見る夢たちがあまりにブルーでショックを受ける…。人間って独りじゃ生きられない生き物なのね…。
孤独に他人との関わりを殆ど拒否して生きてきた高名な医師が、なんか偉い賞を貰うため、家から授賞式の行われる場所まで息子の嫁と2人で車で向い、その途中で色んな人と出会いつつ夢を見つつ、という、簡単な物語なんだけど、その夢の内容が、とにかく老人の人生を全否定。怖い、怖過ぎる。こんな歳でこんな夢見るような人生絶対イヤや。更に、夢と現実の絡み方まで残酷。お母さんのキャラクターも怖過ぎるし。一応、ラストの夢と、家政婦さんのエロと、「お父さん」って呼び方の変化で救いはあるんでしょうけど、それにしてもちょっと…。窓の下の若者たちにはグッときたけど。
見ててかなり辛いのに、それでもめちゃくちゃ面白いと思わせられる、映画って怖いですね!