ハチクロ&SEX旅行
先日の日記を読んだ方から「26歳最後に見た映画が『四谷怪談』はどうかと思う」というご指摘を頂き、そりゃそうだわと思ったので、27歳一発目の映画は派手に!と、暑い中頑張って『MIⅢ』目指して歩くも、上映30分前で既に立ち見…。あまりのショックに呆然とし、半分無意識のまま10分後に上映だった『ハチミツとクローバー』(高田雅博監督)のチケットを購入。27歳初の大誤算。
映画自体は、まあ、結論として、もうCM出身の監督に映画撮らすのとかやめようよー、ってのと、原作の漫画を1回も読んだことがないのでどこまで忠実かわからないけど、今どきこんなへにゃへにゃ青春物語が成立するとどこで誰が信じているのか、っての。よくこんな快晴の日ばっかりに撮影出来たなと感心はするけれど、キラキラしてりゃあいいってもんでもないっすよ。
例えば、若者たちが仲良くなって海に向かうという状況は、「セカチュー」みたくもしかして本気?と不安になる冗談としか思えない映画もいやだけど、この作品みたいにわざわざ「青春してるねー」なんて茶化してみつつ、でもやってる、ってのもなんだかタチが悪い。全てがそんな感じ。いやらしいし幼い。やるなら本気でやれよって突っ込みたくなる。まあそれがある種の少女漫画の世界と言えばそうだし、それを否定するつもりはないけどさ。映画と漫画は違うしさ。
ナレーションがコロコロ変わるのに、群像劇って程脚本がしっかりしてるわけでないのにも疲れたかな。
でもね、いいの。加瀬亮がかっこよかったから許すの。今までいい役者さんだと思ってたけどビジュアルに惹かれることはあんまりなかったのに、眼鏡&ボサボサ頭に初萌え。演技もモチロン唯一良かった。
蒼井優も、ただのアホ(失礼)に見えなくもない紙一重キャラはかなり頂けないけど(「天才少女」のこんなステレオタイプが未だ通用することに驚き)、可愛いから許す。ここまで可愛かったらいいよ、何しても。
伊勢谷友介の、天才に見えない度はすごかった。関めぐみは目がでか過ぎておかしなことになってると思った。桜井翔、始めはちょっといいかと思ったけれど、最後にはびっくりするくらい印象ゼロ。ごめん。それにしても、ちょっと重要っぽい教授(花村、やったっけ…?)のキャラはダメだったー。これが漫画のまんまだとしたら、私には読めないな。
ま、総括として加瀬亮萌えという一言コメントを胸に抱きながら阿佐ヶ谷に移動し、中島貞夫監督の『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』(73年)を見る。数時間前までキスひとつで大騒ぎの映画を見ていたのに、このギャップったらもう。始まって数分後には強姦監禁々々。さすがに男性だらけの劇場で無意味に肩身が狭くなってしまったさ。
作品は、勿論めちゃんこ面白かった。「俳優 荒木一郎の魅力」という特集で、でも全然どんな人か知らなかったんだけど、確かにすごく変。かっこいいわけでも華があるわけでもないのに何とも言えない表情が凄い。暗いんだけど怖いんだけど優しいような可愛いような。どうかと思う程9:1分けの髪型も良し。
爆弾マニアのオタク青年が手違いで出会ったスウェーデン人の女性を自宅に閉じ込めるお話で、監禁モノ(というジャンルがあるのか知らんけど)お決まりの、犯人の男性に対して女性が次第に情を持ち出すという展開は大嫌いなんだけど、こんな映画作られたら面白いと思わずにはいられないじゃんと東京弁にもなってしまう。女優(クリスチナ・リンドバーグ)もよかった。よく頑張った。狭い部屋でのひたすらの2人のやり取り。エロの本気はやっぱりすごいなと改めて感動。
最近日記が手抜きだとお叱りを受けたので、頑張ってみました。