則文祭
絶対にNHKアナウンサー登坂淳一(12時のニュース)の急激な白髪の増え方はおかし過ぎる、と独りごちながら、一部で話題沸騰のシネマヴェーラさんの鈴木則文監督特集に向かう。以前別の特集で『エロ将軍と二十一人の愛妾』を見た時の衝撃は未だ新鮮に残っております。毛沢山。
今日もそんな衝撃を受けれるのかしらとワクワクしながら劇場に入ると、受付に私の大好きな漫画、上村一夫の「黄金街」(新宿ゴールデン街の意)が置いてあり、その原作が鈴木監督だと知って映画の前にでかい衝撃を受ける。全然知らなんだがな。
と、若干動揺しながら『緋牡丹博徒 一宿一飯』(68年)。藤純子が主演の女ヤクザもので、シリーズ何作目からしく前から続いてる風の内容だけど前作は見ていない。が、そんなことほんまどうでもいいくらい、最初から最後まで痺れるシーンの連続でやられまくってしまいました。てか、藤純子の顔を見てるだけで満足。加藤泰の映画に出てくる若い頃も可愛いけど、ちょっと大人になった今回みたいなのも美し過ぎてやばい。着てる着物も全部めちゃくちゃきれい。特に海のシーンで水色の着物。帯の結び方も独特で面白かった。
そんな凛として常に超マット肌の藤純子のライバル女博徒がなんだかいつもテラテラしてて、エロい場面があるわけじゃないのにエロくてドキドキした。あと、賭博とか討ち入りとか大事なことが始まる前に一瞬音がなくなるのも地味にかっこよくてドキドキした。あと、藤純子と鶴田浩司の最後の会話のシーンが最高だった。あと、菅原文太がかっこよかった。あと、山城新伍がかわいかった。と言い出すとキリなく95分を分刻みで褒めることになるので、映画見た方が早いと思います。是非どうぞ。
そして2本目は今回の特集で一番見たかったかも知れない『徳川セックス禁止令 色情大名』(72年)。女嫌いの将軍をなんとか嫁とセックスさせるために周りの部下が頑張った結果無事性に目覚めた将軍が、何故か「俺が今まで知らなかった快楽を下々どもが楽しんでるなんて生意気だ!許さん!」とセックス禁止令を出して村は大騒ぎ、という、内容だけで既に衝撃盛りだくさん感いっぱいなんですが、映画がこれまた衝撃に次ぐ衝撃の面白さで、やばかったです。安っぽいラブホテル風の部屋にちょんまげ姿の侍と黒人女と白人女が絡んでる図を見れる日が来るなんて思わなかった。お花畑で日本人女とフランス人女が全裸で走ってる図を見れる日が来るなんて思わなかった。「セックスやらせろ!」と人々が一揆を起こす図が見れる日が来るなんて思わなかった。こんなことを考えて映画にしてしまう人がいるなんて。人生何が起こるかほんとわからないものですね。
女が切腹する結構悲壮なシーンの音楽がなんでめっちゃくちゃメルヘンチックなのかすごく気になった。怖かった。そして、この映画の公開当時の位置づけもすっごく気になった。いくらエッチなシーンの連続とは言え、こんな映画が男性にとってエロ映画として成立するのかしらん。
ってか、ゴールデンウィークは映画見る暇ない予定で、この特集に通いきれなさそうなことが今からめちゃくちゃ悔やまれる。うー。