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5.13

「成層圏の映画」2

で、続き。

3本目は、某映画監督さんから「絶対見てこい!」と強く言われていたので超楽しみにしていたキャスリン・ビグロー監督の『ラブレス』(82年)。ポマードべったりのばりばりリーゼントで決めたいかにもワルなウィレム・デフォーがハーレーに乗りながら、刑務所で知り合った仲間たちと流れ着いた小さな田舎町で過ごす一日の物語。彼らは一体何処から来て何がしたいのか、ただ櫛で髪型を整えたりラジオに合わせてダンスを踊ったりコーラを飲んだり町の女を口説いたり。怠慢にも感じられそうな映画のリズムの中で、突然ワケのわからないショットが映ったり、役者の顔にいちいちドキッとさせられたりで、これまた何とも言えない変な映画だった。すっごい面白かったけど。ラストの狂騒シーンにちょっと泣いた。

ラスト1本は、今回の目玉であろうトビー・フーパー監督『悪魔のいけにえ』(74年)。実はワタクシこれが悪魔のいけにえ初体験。爆音で初体験てある意味幸せだねと何人かの方に言われる。見てみて、その言葉の意味を深く理解する。

今更「マジ面白い!」とか「マジすごい!」とか言ってもあまり意味のない映画でしょうけど、マジ面白くてマジすごかった。最初から最後まで「ひゃー!ひゃー!」と心の中で叫びまくり。スプラッター映画が大の苦手なのでちょっと危惧していたところもあったのですが、そんな映画じゃなかったんですね。勿論めっちゃ怖かったけど。全編背後に流れている意味不明な轟音が、爆音ならではのお腹に響く感じで怖さ倍増。チェーンソーの迫力も爆音だからか本気で怖かった。あと、役者さんたちの頑張りっぷりに心底感動した。

何回も見ると多分もうちょっと冷静に見れるんでしょうけど、初めて見た身としてはただその恐怖っぷりにやられるだけでいっぱいいっぱいでした。面白かったー。

本日の教訓、今後オールナイト上映に行く際は眼鏡を持参すること。眠気には一切襲われなかったが、コンタクトレンズの乾燥による眼の痛みがひど過ぎて途中退場しかけた。