6.11
『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
御親切な知人さまからチケットを頂戴していたのにぼーっとしてる間に上映終了間近になっていたので、急いで今更松岡錠司監督の『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』を見に行く。
リリー・フランキーの原作を読んだ時は、途中で何回も本燃やしたろかと思う程むかむかしたのだけれど、まあ松岡監督やし周りの評判もそこまで悪くないしってことでちょっと油断してたんですが…。結果、ダメでした。いや、これは明らかに映画のせいじゃなく、原作とそれに対する私の個人的な嫌悪感が勝ってしまっただけのことなんですけど。
こんな物語をそれなりの映画に仕立てる松岡監督はやっぱり偉いと思ったし、後半の樹木希林の芝居には本気で凄いと思ったけど、それでも「お前が変態レベルのマザコンってことはわかった。だから!?」としか感じれなくて…。でもこれがヒットする世の中ってことは私の感覚が異常なのかしらん…。なんつーか、母親を大事に思うことが悪いんじゃなくてさ、それをアピることがキモイ。
映画的には、ナレーションとスローモーションの必然性がよくわからなかった。エモジュンが面白くてかっこよくて嬉しかった。松たか子のキャラと芝居が妙にうっとおしくて、こんな女にだけはなりたくないと思った。
そして、これは小説を読んだ時点で抱いた感想なのだけれど、仮にこれが現実に即した物語だとしたら、ここまで自分が愛してる母親を悲しませたり苦労させた父親に対して殺意を抱かない息子は相当な馬鹿である。いくら母親がずっと父親を愛してたからとは言え、一度くらいは心底憎むでしょ、と思うんですけど。と、久々に毒づいてみました。
ああ、とうとうネイルサロンで「巻き爪の病院行って下さい」と言われてしまった。イヤです。