嘆きのワムペ
わーいわーい、朝イチで大阪から無事ヴィトンのネバープル(中)が到着。バッグの為に一ヶ月も待てない私は母親の権力主義にゴロゴロと甘える。早速自慢がてら持ち歩いて街を闊歩したいけれど雨のためデビューは持ち越し。
まあアテネフランセに行くのにそんな最先端気取っても今イチ張り合いないしね、ってことで、特集上映ドイツ映画史展望にしょぼい格好で足を運ぶ。
ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督『嘆きの天使』(30)、恥ずかしながら初見。
堅物高校教師のハゲ親父が美人のクラブ歌手に恋に落ちてプロポーズを受け入れられた、ところまでは、おお脱低開発!歳の差恋愛万歳!!と思ったのに、結婚式の次のカットでは既に夫婦生活が破綻しまくっててショックを受ける…。結婚のせいで職を失いヒモ化した男が健気に若い女房のストッキングをはかすシーンなんて涙無しでは見れず…。マレーネ・ディートリッヒの有り得ない美貌と身のこなしは凄いとしか言い様がないけれど、これはあまりにもその美しさに振り回された男が可哀相で…。こんな女になってみたいとは思うけどさ。
彼女との結婚を宣言した直後のカットとあのラストカットが同じだなんて、あまりにも切ない。結婚式ではアホらし過ぎたニワトリの鳴き声も終盤には涙無しには聞けない。
去年のフィルムセンターさんの特集で薄々感じていたけれど、この年代のドイツ映画ってほんと容赦なくブルー過ぎます。
続いてスラタン・デュードー監督の『クーレ・ワムペ』(32年)を見たのだが、始まって3分位で数年前に同じ場所で見たことを思い出す(こういう時日記って便利ですね。05年11月に見てた模様)。いくら固有名詞に興味がないとは言え、最近見た映画のタイトルくらいは覚えておこうと反省。
勿論何度見てもこの時代のドイツの失業問題をドキュメンタリーの様なフィクションの様なイメージで作られているこの作品は大変面白く、相変わらず自転車やバイクやボートが運動するシーンでは興奮しまくる。でも観賞後はやっぱりちょっとブルー。なんでやろ。