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10.30

『逃亡くそたわけ 21才の夏』

本日は岸川真さんの連載が更新されました。個人的には自分の勉強不足を痛感する内容となっておりますが、素敵な文章なので読んでみましょう。

絲川秋子さんの原作小説が好きだったので映画はどんなもんかいなと本橋圭太監督『逃亡くそたわけ 21才の夏』を見に行く。21歳の躁病少女が精神病院からの脱出に少し年上の鬱病男子を道連れに逃亡を企て、彼の車で九州を逃げ回る物語。

大概の場合原作が面白いとその映画化なんて大したことないのよねーと殆ど期待せず鑑賞したのだが、美波の体を張った精神病患者の芝居と、意外な可愛さにうっかり恋に落ちそうになってしまった吉沢悠、この二人の掛け合いの瑞々しさと、九州のとんでもない空と山の映像は結構良く(阿蘇行きてーー)、原作とはまた違う爽やかさが中々面白かったのだが、ちょいちょい挟まれる美波が見る幻覚の我修院達也に頼るようなダサさ(と、病院のシーンのしつこさとタクシー運転手の芝居)がやや興醒めで残念な感じが残る。変に奇を衒わなくても十分面白いのになー、と(ガッツ石松のキャスティングは予想外過ぎて驚かされたけど)。でも決して退屈というワケはなく、よく出来た青春映画だとは思いました。九州弁に対する不親切さも中々やるなと思わせられたり。ラストに関しては原作を読んだ人がどう感じるのかはちょっと微妙だけど、個人的には可愛らしくてこれも有りかなと。予想外の掘り出し物でそれなりに満足。

でもどうしても文句を言いたい其の1、白のルーチェは死ぬ気で探そうよ。其の2、撮影するカメラのレンズはもうちょっと磨こうよ。

夜は渋谷にて友だちと、友だちの友だちと会食。『ミスター・ロンリー』を見たという彼らに大嫉妬。