4.08
『黄金の馬車』
こんな大荒れの天気の日にフィルムセンターに映画を見に行くような真面目な人間なんて私くらいだろうと雨風に曝されながらも余裕かまして上映ぎりぎりに会場に入ったらほぼ満席でびびった(bunkamuraは毎回空いてたのに)。おかげで指定席(←私の中だけでの)がゲット出来ずやや凹む、が、ジャン・ルノワール監督の『黄金の馬車』(52年)を見て一気にテンションが上がったのでモウマンタイ。カミーラという女優と3人の男を巡る愉快だけど切ない大人の恋物語、映画の冒頭が演劇仕立てで始まる(幕が上がった舞台上で行われてる演劇がそのまま映画になってく)からか映画自体も舞台を見てるような平面的な場面ばかりの様な気がしたけどルノワール先生なのでモウマンタイに面白かったのでした(色眼鏡ではない、と思う)。黄金の馬車の黄金っぷりが京都で金閣寺を見た時に感じた衝撃にも似たえげつないまでの金っぷりだったのは少し予想外でしたが。でもカミーラが最初にその馬車に乗るシーンのかっこよさにはクラクラした。でもラストの残酷さにも別の意味でクラクラしたのでした。こんなことを自分の作品で言ってしまう映画監督ってどうなんだろうと思わなくもない。
それでもやっぱりルノワール万歳ってことでルノワール先生に敬意を表して観賞後は久しぶりにオーバカナルで食事(ルノワールを見た後なんとなく贅沢したくなるのは私だけでしょうか)。相変わらずタルタルステーキは旨かった。