『4ヶ月、3週と2日』
春なのでなんとなく気分転換に前髪を作ってみました。久々のイメチェンにちょっとテンション上がるもさっき鏡見たらビッチ度は下がったっぽい。あかんかも。
それはともかく。殆どなんの情報も持たずに見に行った『4ヶ月、3週と2日』が中々面白かったのでした。クリスティアン・ムンジウ監督、初耳やけどルーマニアの名匠と呼ばれてるそうな。
見始めは、さすがパルムドールを受賞しただけあって私の想像するカンヌ派(自作)まんまな雰囲気、辺鄙な場所にある寒い国(もしくは冬)の小さな町(もしくは村)に住む救い難く不幸な女(もしくは少年)の不幸な一日(もしくは数日)をひたすら主人公に密着した手持ちカメラが進んでいく感じ、ああこういうノリね決して嫌いじゃないけど今更なあと片付けかけたが、この映画は具体的には1987年独裁政権下にあるルーマニアでは法律で禁止されてる堕胎手術をなんとか受けようとする女とその友人の一日を描いていて、結論としてはとりあえず男は救い難く自分勝手で暴力的で適当、タバコくらい吸わせろバーカと女が涙する非常に正しい物語で、こういう作品は積極的に好きなのでした。とか言うとまた映画の見方が間違ってるとかって怒られるのかしらん。
これを女性が撮ってたら結構普通と思ったかもだけど、監督が40歳男性ってのはかなり意外だった。よくここまで女の微妙ないやらしさ(絶対笑うシーンじゃないけど堕胎手術後の会話はなんかわかるわ的に笑えた)と男性の悪態(エロヤブ医者のキャラよりも妊娠した相手の存在を一切出さないことに感心した)をご存知で。
最後の暗過ぎる夜道のシーンが良いと思った。主役の女の子がお肌つるつるの美人さんだった(微妙な表情がとてもお上手)。千円の日だからか結構混雑していたが、こういう映画がヒットするのはよろしいんじゃないでしょうか。