7.18
『1978年、冬。』
見たのは昨日のことなんですけどね、大して話題にもなってない映画をこんな鬼暑い日に見に行く私を誰か褒めてと思いながらリー・チーシアン監督『1978年、冬』を見てみたら、これが予想以上に良い映画で驚いたのでした。
タイトル通り1978年の冬中国の田舎町にて、原題でもある西幹道という古びた鉄道の限られた土地を舞台に、そこに突然現れた北京から越して来た少女と少女に恋した兄弟たちの淡い物語。78年の中国が時代的に混乱期であることはなんとなく伝わってくるが、特に大きな出来事によって物語が動くわけでもなく、でもこの時代が故の悲しい結末となっております。あまりに古典的な悲恋がえらく泣ける。不器用が故お兄ちゃんが好きな女のためにとる奇妙な行動が可愛らしくて泣ける(そのひとつひとつがめちゃくちゃあっさり流されるのがまたよろし)。後半、小学生の弟が主役に変わり(というかそこでこの映画が彼の回想だと気づくんですけど)、彼が学校で苛められて事故を起こした後普段は乱暴な母親がとった行動がなんかようわからんけど泣ける。出てる役者はほぼ全員素人だそうで、でもみんなすごいいい顔してるのも魅力的でした。
『鉄西区』を思わせる電車からの風景がやたら美しくて感動してたら撮影監督が田荘々作品の人だった。たまに挟まれるロングショットがちょっとしつこいと感じなくもなかったが、まあ良しとする。でっかい肉まんがたまらなく食べたくなった。
と、意外な掘り出し物に出会えてルンルン気分のまま某若手映画研究者さんのお誕生日会に乱入し、テンション高いまま朝の5時にポニョをフルコーラス唄い上げた結果、本日は撃沈。