9.11
『コッポラの胡蝶の夢』
フランシス・F・コッポラ監督が10年振りに新作を撮ったというのでどれどれどれと『コッポラの胡蝶の夢』をTSUTAYAシアター(いつのまに)に見に行く。
孤独な老人が雷に打たれたことをきっかけに謎の若返りと超人的な頭脳と更には超能力まで身につけて…って感じでSFに進んでいくのかと思いきや途中からナチスを巡るサスペンスになったり謎の女性を巡るロマンスになったりイタコ女の悲劇になったりその間に主人公は老けてんのか若返ってんのか何語を喋っているのか夢なのか現実なのかもうわけわかんないよとなっていったのでした。確かにこのタイトルじゃなかったら監督がコッポラだとは気づかなかったかも。でも妄想系の映画と言っても無駄に画面がごちゃごちゃしてるデヴィット・リンチの作品を見た時のような全身ぐったりな疲労感は全くなく、重いドラマ見たわあ(多分全然話の筋とか理解出来てないけど…)と感動できたのでした。めっちゃおネム状態だったけど一睡もしなかったし。
だいたい、おじいちゃん(監督)が孤独な老人とその若返りと一生の仕事って内容の映画を撮るってだけでなんか泣ける。前半病院での老医師と主人公のやりとりがなんか泣ける。後半どこの国かすら既によくわからなくなってたけどイタコとの逃避行がなんか泣ける。ふたりが波に打たれまくってるシーン(と海のカット)が好きでした。ワインも作ってみるもんですね。
今まで苦手だったティム・ロスが今回は良かった。ラストの顔とかすげかった。初めてちゃんと見たアレクサンドラ・マリア・ララ、どんぴしゃに好みで萌えた(演技も素晴らしかったす)。観賞後初めてロッキーのエイドリアンが監督の妹と知ってびっくりした。私もローマンあたりを口説き落としてコッポラ一族に入ってみたい。