10.12
小原の國
昨日は、なんか夕方の空が凄かった。
本日は、さすがに邦画ばっかり見過ぎやなあと反省しつつもついフィルムセンターさんに行ってしまう。数年前から何処かで誰か特集してくれー!と叫んでいた伊藤大輔監督特集だもの。でも一本目は清水宏監督作品『小原庄助さん』(『Mr.ダマー』みたいなもんか。49年)。大河内伝次郎、勝手にすごい二枚目な素顔を想像してたのに冒頭から出ずっぱりの冴えないおじさんが本人だと途中で気づいてちょっとびびった。やっぱりメイクって偉大ですね。
清水宏派の私はいがぐり頭の子どもたちが木に登ってるのとか広い日本家屋を騒がしい部屋から静かな場所までカメラが滑らかに動くのとかを見てるだけで満足だったが、一番ぐっときたのは終演の文字が「終」じゃなくて「始」だったこと(めっちゃ簡単に説明すると、金持ちの地主が没落してくお話)。かっこよくてため息が出た。
で、伊藤大輔監督の『遥かなり母の國』(50年)。始まって数分で主人公のジョーが人を殺すわ女に暴力振るうわでなんちゅー映画やと思うも、登場人物の芝居が揃いも揃って暑苦し過ぎるも(途中で山田五十鈴が杉村春子に見えた)、やっぱり京マチ子には似てないなと心改めるも、すっげー面白かったのでした。現代劇でもやっぱり決闘のシーンがかっこよくてかっこよくて。大好きな齊藤達雄のこんなワルな顔を初めて見たのでだいぶドキドキした。ジョーの、流暢なんだか訛ってんだか微妙な喋り方もだんだん素敵に見えてくるから不思議。出演時の役者の年齢が気になった(一瞬で20年も経つんだもの)。
実は今日はフィルムセンターでいかに浮くかというファッションテーマを自らに課していたのだが中々成功していた様子。でも休日の割には思った程混んでなくてちょと空振り。