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11.12

『真木栗ノ穴』

ただ西島秀俊を眺めたいという下心のみで深川栄洋監督の『真木栗ノ穴』 を見に行ったらこれが意外と(失礼)面白くてちょっと驚いたのでした(『狼少女』は未見)。
売れない小説家が謎の女と部屋の穴に翻弄される、現実なんだか妄想なんだかわからない怪談みたいなファンタジーみたいな110分。まず、近頃の映画では見てて不安になってしまうことが多い所謂昭和の空気漂う時代感(部屋のカレンダーは思いっきり07年やったけど)が 鎌倉の雰囲気と細かい美術(メインのアパートがよろしい)によってとても落ち着いていることに感心。こんなに若い監督さん(76年生まれだと観賞後知った)の仕事とは思わなんだで、十分立派に怪しくてエロかったです。気持ち悪い自意識が目につかなくて。しかも微妙にちゃんと笑えて。
そして、私の欲望をじゅうううぶんに満たしてくれた、ちょっぴりエッチでおとぼけ課長(ほんにゃらごっこ)な西島さんのお芝居が素晴らしく。 これは『さよならみどりちゃん』以来の久々の超私的ヒットでした。パジャマ姿もヨガポーズも見ててにやけた。キムラ緑子の登場シーンには泣けた。お風呂入るとかさあずるいって言うかさあ羨ましいとは言わんけどなんだかなあと冒頭5分から悶々としてました。泣けたからいいんですけど。ただ、重要な存在にしてはヒロインがえらく弱いかなとは思った。脚はキレイやったけど。いっそ中谷美紀くらいが良かったんじゃないかと想像してみたり。
と、どうしてもいつも以上に個人的感情が先走りがちですが、映画としても大変気に入ったので 次回作も是非拝見してみたいと思ったのでした。

思考回路が一周して、ハワイ帰りの私をセールに向かわせるなんて西武はヒドいヤツらだ二度と応援しないと悔し涙で帰宅。