1.16
黒薔薇犯罪
早速気を取り直して09年もお世話になりそうな予感のするシネマヴェーラさんへ行き、柛代辰巳監督『黒薔薇昇天』(75年)と崔洋一監督『性的犯罪』(83年)を見たのですが、両方ともフィルムの状態があまりよろしくないらしくぶつぶつ途切れ気味で少し残念な初見体験となってしまったのでした。それでも両方面白かったけど。
ブルーフィルム(という言葉は野坂昭如のエッセイの中でしか知らんから詳しくは分からないけど)の監督が見知らぬ女を映画に出演させるためにひどいことをする『黒薔薇昇天』は、見ながら相変わらず不愉快に楽しかったのでした。撮影場所がほとんど知ってる大阪の町だったので(生まれる前のだけど)なんか不思議だった。自分の男が他の女とセックスしてるのを眺める芹明香はやっぱり泣けるなと思った(って、そんな状況ならどんな女でも泣けるか)。でも大して長くない廊下をローラースケートしながらセックスする意味はまだまだ未熟者の私にはよくわからなかったのであった。
若い頃の崔洋一監督作品は初めて見たのだけれど(そして近年のものもほとんど見てないのだけれど…)、これが中々面白かった。こんなに画面が落ち着いたロマンポルノを初めて見た気が。未熟者の私には河原さぶが何故こんなにモテるのかよくわからなかったが、男と妻と愛人が3人で横になったりお風呂に入るシーンがかっちょよかった。初めて見た三東ルシアンという女優さんは確かに安室ちゃんにしか見えなくてびっくりした(裸体で這って男のところに行く後ろ姿がやたら怖かった)。見た後に知ったけど、実話なんですね。これまたびっくり。
と、二作品ともかなりセックスシーン度高めだったが若い女性のお客さんが結構多くて。えがったえがった。