2.08
『007 慰めの報酬』
昨日のゾーハン熱が冷めやらぬ、今日も諜報員モノが見たい!ってことでマーク・フォースター監督『007 慰めの報酬』 を強風の中。予告の時点でなんか陰惨な香りがすると思ったら『ネバーランド』の監督&脚本がポール・ハギスだったのですね。勝手に納得。
前作『カジノ・ロワイヤル』のラストから一時間後、という設定で始まる今作、でもその前作はTVでぼーっと見た記憶くらいしかなくついていけるか不安だったのですが、意外と大丈夫でした(自己評価)。
冒頭のカーチェイスに始まり足やら船やら飛行機やらを駆使して敵との追いかけ合いを繰り広げる、ゾーハンばり(見てね)に超人的なボンドの身体能力に「んなアホな」とちょっと笑ってしまった箇所もあるけれど、 復讐心のあまり冷静さを失った狂犬ボンド(噛み付くヤツはとりあえず殺す)は中々良かったかな。でもその影の部分があまりにもかっこ良過ぎて乗り切れなかった感も有り。106分間ずっとブルー入られても見てて疲れるっつうか、ひとつくらいギャグ風味があっても許されるんじゃないかしらん。映画的にはオペラ中の銃撃シーンなんかスタイリッシュ過ぎるっつうか。でも最後、炎の中で自分の復讐を終えたばかりのウクライナ女と抱き合いながら会話するシーンは素直にかっちょよかった。
悪人役のマチュー・アマルリック、えらくビックになったなあと感心するも彼に全力疾走はやっぱり似合わない気がする。既に世界は、テロを起こすとかじゃなく貧しい国からお金を搾り取るような犯罪者は容認も有りな状態になってるのかとびっくりした。