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2.17

『フェイクシティ ある男のルール』

おお脚本がジェームズ・エルロイかええでもCMのナレーションは市川海老蔵かよと独りごちながらデヴィッド・エアー監督『フェイクシティ ある男のルール』 (原題は『Street Kings』ですけど)を近所にふらっと。
お話はもちろんエルロイ先生、LAを舞台に汚れきったポリ公どもが金とドラッグの汚職にまみれる中かつての相棒を強盗に殺された狂犬デカ(キアヌ・リーヴス)が復讐に燃えるもそこにも警察仲間の罠がかけられており…的な。合い言葉は当然ファック、男がふたり以上集まればとりあえず下品なエロネタ、黒人のワルはコーンフレークにビールをかけるかっこよさ(笑った笑った)。こういうノリは決して嫌いではない、が、勝手に想像するに多分エルロイ先生は誰が敵で誰が味方かみたいな謎解きにはあんまり興味がないと思われ、だからそういうことに重きを置いて撮ってしまった今作は人間の暗さにも警察組織の仕組みにも中途半端な映画になってしまったような感があり消化不良感が残る。謎解きにしてはオチが簡単過ぎるし。つまんないってわけじゃないから(冒頭のひたすら皆殺しとかかっこよかったし)ちと残念。この地味さはだいぶ好きだけど。
それでも久しぶりに見た人間臭のするキアヌは中々良し。確かにひとりイキってるつもりで実は周りにハミられてたって役どころはお似合い。あと、SATCのエイダン(ジョン・コーベット)がえらく悪人の役で出演してて嬉しいような悲しいような。しかし結局最後までこのタイトルがどの男のどのルールを意味してるのかはよくわからなかった…。余計な邦題反対。