『レイチェルの結婚』
メエメエ鳴きながら(嘘やけど)ジョナサン・デミ監督『レイチェルの結婚』 を見に行ってみたら大変面白くて満足。
クスリだかアルコールだかの依存症(それが結局どっちなんだかは劇中明らかにはされない)のため入っていた施設から出てきた主人公(アン・ハサウェイ)、実家では2日後に結婚式を迎える姉やその準備に励む友人たち、 その華やかな雰囲気と家族の問題を巡る数日間がほんと他人の結婚式を録画したホームビデオみたく映画は進んでいく。ドキュメンタリー風ってのとはまた違うけど、調べたところ芝居のほとんどはアドリブだそうな。でも脚本はシドニー・ルメットの娘だそうな。
とにかくこのアットホームな結婚式がやたら楽しげで、それを見てるだけでもいいような気分になってくる。常に何処かで音楽が流れていたり勝手に踊ったり唄ったりしてる人がいたり黒人の新婦がニール・ヤングを熱唱したり。食器洗い機で盛り上がるなんてよく思いついたなとつい普通に笑ってしまった。それと同時にトラウマ抱えまくりの妹とエセ常識人の姉と頼りない父親の言い争いが起こったりするのだけれど、式が終わり、再びバラバラになる家族にとって問題が何ひとつ解決されないまま映画が終わるのがまた良かった。さすがにヤク中でもふたり姉妹でもない私が入り込んで感情移入するってことはなかったけど、大嫌いなはずの家族再生系映画なのについ何度か泣いてしまったぜ。
囲み目メイクとヘビースモーカーで頑張ってワルな感じを出してたアン・ハサウェイは、本気な幸薄感が出せない可愛らしさという点でこの役には向いてる気がした(芝居も良かった)。これを熊田曜子みたいな女にやられると痛過ぎて見れなかったはず。お姉さん役のローズマリー・デヴィットという女優さん、どっかで見たことあると思ったらSATCに数回出てた人や。デブラ・ウィンガーがえらく美しくてびっくりした。ロジャー・コーマンが紛れてたとは気付かなかった。