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7.02

『もどり川』

ついロディック(マルコヴィッチ似)VSヒューイットの熱戦を朝まで見てしまったため本日も一本のみになってしまったシネマヴェーラさん「神代辰巳レトロスペクティブ」、『もどり川』(83年)。全然知らなかったけど中々上映されない貴重な作品だそうな。
大正時代を舞台にショーケン演じる孤独な歌人と彼を巡る女たちの愛憎。よく考えるとただの女好きが度を超して問題起こしまくってるだけの話なような気もしなくもないが、137分間ひたすらテンション高くショーケンが動く、女を押し倒す、女をしばく、女と心中する、その勢いにとにかく圧倒されてすっかりハマってしまった。あまりの迫力に見てるだけでだいぶぐったりしたけど、面白かったです。なんでそんな場所で吐血するのか、なんでそんな場所で欲情するのか、という愚問は途中放棄した。こんなに若い原田美枝子と樋口可南子を初めて見たけど、やっぱりすっごい綺麗。もちろんショーケンもめっちゃくちゃかっこよし。あのトラダンスを習得したいと思った。画面越しにも伝わってくる湿気むんむんな感じ、映画としては大変魅力的だがこの世界には行きたいくないなと思った。
そしてがしかし、別にわざとケチをつけてるわけじゃないけど、この話の流れだとラストは主人公が死なない方がいいやろーと微妙な不満が。ここまでやるなら最後まで最低な人間でいてほしかったというか(実際こんな自分勝手な男は自殺なんかしないだろうし)。散々酷い目に遭ったけど結局最後は妻(女)が勝った、みたいなオチはやっぱり好みじゃない。何をそんなに恐れているのか。
観賞後解説を読んでるとこれは海外の映画賞を狙って作られた作品とのことだが、劇中に頻出する和歌をどうやって外国人に伝えたのかがちと気になった。