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7.22

『日本春歌考』

だってこないだハスミ先生がドゥルーズは大島渚を見てないからダメだって言ってたもん、ってことでフィルムセンターさんにて開催中のぴあフィルムフェスティバル「大島渚講座」にいそいそと。ドゥルーズなんて読んでないけど。
上映作品は『日本春歌考』(67年)、の前に黒沢清監督による講義あり。例の如く自分を過信した結果お話の詳細は忘却の彼方に消えつつあるが、蝉の幼虫と日食の謎とオールアフレコで撮られている今作の映画から解放された音たちについて話されてたような気がしなくもない。
この作品についても例の如く見たことがなければどんな内容なのかも全く知らずでもまあ大島渚っぽいのかなとぼんやり想像していたのだけれど、 黒沢監督が典型な歌合戦映画だとかジャック・ドゥミとか旅芸人の記録だとか言うからおおミュージカルかそれは予想外と思ったら、なんかまんまと騙された気分に。いや勿論大変面白かったんですけど。
男子学生が3本も4本も一気に煙草を吸う冒頭から彼らが雪の中を並んで歩くシーンとか教室を舞台の女学生を犯す妄想シーンとか、それこそ不思議な音の効果もあってか異様に怖かった。黒い日の丸も勿論怖かった。唄われている春歌や軍歌の意味が正確にわかったわけじゃないけれど、性の解放から朝鮮人から騎馬民族説まで、ひたすらすげえなと思わされた117分であった。撮影されてるロケ場所もみんな面白かった。
主演の荒木一郎の9:1な分け目が気になった。フォークソングを唄っている青年たちがみんなオードリーの春日に見えた。