10.16
『私の中のあなた』
予告を見た時点で半泣きになったので本編では渾身の下まつげを犠牲にする覚悟で臨んだニック・カサヴェテス監督『私の中のあなた』 。結果的にはそれほど泣きはしなかったけれど十分に感動的な良い映画でございました。
白血病の長女のドナーになるため遺伝子操作で生まれた妹と母親と父親と失語症の長男と。期待を裏切らないニックさんの「家族」を巡る物語は人工生殖技術と臓器移植に関する倫理にも非常に真摯でまっとうな、映画としても非常に真面目で優しい、「ニックさんええ人〜」というポイントで涙してしまうような作品。もちろん内容自体も涙を誘う感動ストーリーだけどどうやら原作小説とは大幅に違うらしい。
長女が同じ病気の男の子(初めて見たけどすっごい美しくていい俳優)と恋する場面の可愛らしさがほんとに憎めない。ノーメイクやぼさぼさ頭で頑張ってたキャメロン・ディアスは「母親」の普遍的なクレイジーさを上手く演じていたとは思うが、それより何よりやっぱりアメリカの10代ってほんと恐ろしいなとしみじみ思った。姉妹役の二人の芝居がすご過ぎる。榮倉奈々ちゃんなんかで満足してる場合じゃなかったと反省。歌詞付きの歌が流れるタイミングとその存在感が面白いなと思ってたら音楽は『SATC』の人だった。
で話変わるけどニックさんといえば先日WOWOWで偶然日本未公開の『アルファ・ドッグ 破滅へのカウントダウン』を見たんですけどやたらと豪華キャストなドラッグもので中々面白かったです。 でもこれももちろん家族映画。