10.23
『玄界灘は知っている』
昨年の特集上映は完全にスルーしてしまったため何気に実は二本くらいしか見たことないキム・ギヨン監督『玄界灘は知っている』(61年)のため再びTIFF (ティフ、って発音するんですね)へ。の前に、ヒルズは喫煙所が少ないけれど警備員がうじゃうじゃいるわけでもないので道端でタバコを吸っても別にどうってことないという事実に気付く。
それはともかく。ギヨン監督といえば勝手に完全に「動く楳図かずお」なイメージで、今回もそんな映画を期待していたところ見てみてびっくり、楳図よりも白土三平だった。
太平洋戦争中学徒出陣で名古屋に配属された朝鮮人兵士たちの激しく熱い映画で、あまりの勢いに何故日本人役の役者まで朝鮮語を話しているのかと秀子さん積極的過ぎるやろとか(母親がやや楳図っぽかった)なんで上司の前でキスせなあかんねんとかいう細かいことはどうでもよくなって、まさかの衝撃のラストにはなんかもう朝鮮人すげえなと意味の分からない感動を抱いてしまったのでした。いやはやすごい映画だった。玄界灘は一切映ってなかったけど。
上映後の高橋洋&青山真治監督のトークで内容のほとんどが史実だという事実も衝撃的であった。気がつけば二日連続朝鮮人(俳優)が外国で戦争相手と腕相撲する映画を見ていたのであった。