1.18
『海炭市叙景』
好きな監督だし出演してる俳優陣も魅力的だしジムの音楽も良さそうだしとだいぶ期待して熊切和嘉監督最新作『海炭市叙景』 を見に行ってみたんですがね、うーんこれがだいぶ残念な結果に。このわかりやすさは本当に苦手。
何かと有名らしい原作小説を読んでないので何とも言えないんですけど、この、廃れゆく街に生きる人々にのしかかる不幸な問題があまりにもわかりやすいお話過ぎて、こんなこと別に海炭市じゃなくても世界中のどこにでも転がってる話やろと突っ込まずにはいられず、映画自体もそのわかりやすさを伝えるためだけのものにしか感じられず。出来のいいオムニバス形式のドラマ見てるみたいやった。 せっかくあんなでかい船と竹原ピストルがいるんだから坑夫の話だけで152分の方がよかったんじゃないかしらん。それでも、やっぱり元ヤンキャラの加瀬亮が素敵だったりダミ声の孤独な頑固ばあさんが猫の名前を呼び続ける姿はあまりにも他人事と思えずどきどきしたんですけど。最近の日本映画を見てたまに思う、何もそこまで人を不幸に追い込まなくてもええやんかって気持ちを、加瀬亮の奥さん役の女優さんの顔が代弁しているようだった。
前から苦手だったけど近藤龍人って方の撮影ってさ、スピッツの音楽みたいだよね。一瞬何かあるかなと思わせて実際びっくりするくらい空っぽだったって感じが。