2.07
『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』
先日お会いしたとき数年ぶりだというのに私のことを覚えててくれたいい人、瀬田なつき監督『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』 を拝見。監督の今までの作品では(全部見てるわけじゃないけど)『とどまるかなくなるか』が一番好き派。
原作は大ヒット小説らしいが全然知らず、予告で見た映画の雰囲気からは想像もつかないくらいヘビーなお話でびっくりした。それとは真逆にこれでもかってくらいポップでとにかくポップで何もここまでってくらいポップで、役所広司のいない『ユリイカ』の宮﨑あおいが声を出すことすら既にしない世界でそれが完全に成功してるかと言われれば私にはよくわからなかった。もちろんわざとなんだろうけど学校や病院やマンションや出てくる部屋の全てが白過ぎるその空っぽ感が本当の空っぽにしか感じられなかったというか。主人公が空を飛んだり無茶苦茶な回想シーンはほんとに可愛らしくて素敵だったけど。そして色々変わったことをやっているのに全然怖くないのは監督さん真面目な方なんだろうなあと思った。
主人公の大政絢クンが柴咲コウにしか見えないのに主題歌を柴咲コウが唄っているからくりにひとりで動揺。染谷将太くんは私の幼少期に激似だと気付いた。誰か「嘘つきで壊れたよっちゃんとみっちゃん」でも撮ってくれないかしらん。ただの救いようのない女たちの話。