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2.16

『マリッジリング』

わたしゃ工藤静香かってくらい微熱が下がらないここ数日で既にこれを見たのがいつのことだったのかまったく思い出せないのだが確かシネパトスさんで開催中の渡辺淳一作家生活40年男と女悦楽の甘き誘いといういかがわしい特集で上映された七里圭監督『マリッジリング』(07年)を見た気がする。場内さすがのおじさん祭りで肩身が狭かった。
誰が言ったか、小説とエッセイを執筆するときだけアホになる「世界のナベジュン」こと渡辺淳一医学博士による不倫小説が原作、ってだけでそれはそれはめくるめく腹上死的エロの世界を過多気味の想像力で妄想して臨んだのだが、その予想は意外な程あっさりと裏切られ、主人公の小橋めぐみ(久しぶりに見たけどやっぱり可愛いね。痩せ過ぎの裸がちょっと怖かったけど) 演じるOLの地味な生活の中に地味に不倫が始まるなんてことない話が一見なんてことなく映画になってる、真面目な作品だった。周りのおじさんたちが満足したかどうかはわからんけど、面白かったです。でも全然違うはずなのに観賞後一番の感想としては『眠り姫』そっくり!だったりする不思議映画でもあった。かわいこちゃんたちが会話してるのに全然映らないんだもの…。
まあ確かに上司として現れたらかっこよく見えないこともないかなと微妙な現実感の保阪尚輝もよかったけど、疲れ過ぎて途中で寝てしまう彼氏には思わず笑ってしまった。結構虚しいのよねこれ。