『八日目の蝉』
今イチ安定しないぽんずさんの体調のため動物病院シフトの日々が再び。高かったけどバギー買っといてマジよかった。獣医さんに「この子、天然(=馬鹿)ですよね…」って言われた。
しかし雨も上がって時間もできてやっと映画見れるベーと結構期待して成島出監督『八日目の蝉』を見に行った飼い主の方が馬鹿だったのか。錚々たるスタッフが撮影や照明やとても丁寧に作ってるんだなってことはわかったけど、すっごい久しぶりに途中で退席しようかなと思ってしまいました。
この映画に関して母性だとか家族だとか一見gojoさん大好物みたいなものに首を突っ込む気はまったくない。それは多分原作を語るうえでの問題だろうし、ここでは147分も使ってそれ以前の問題が起こっていて、なんと言うか、不倫相手の子を誘拐して育てる女、育てられたトラウマを抱える女、家族を壊された正妻の女、カルト集団の女たち、その女たちをただ「可哀想な人たち」としてしか扱う気がない、絶対お前にだけは同情されたくないって奴に同情されてる屈辱感、に作ってる側が超無自覚。それがタイトルが出るまでの5分で明確にわかるもんだから後の142分はもう。ここまで男の存在を排除して女を語ってるようで最終的に全部わかってたのは田中みん(漢字が出ない!)でしたってのも、冗談。って言うかこのタイトルに対して物語はひたすら七日間の話で、八日目のふたりが見れるはずのないものを見る瞬間が映ってないって、ずっこけた。
せっかく脇に小池栄子や森口瑤子を使ってるのに主演のふたりに華がなさ過ぎるのもちょっとねえ。井上真央のTV芝居は想像の範囲内とは言え、永作博美がとりあえず号泣してれば熱演なのか(まあ私が個人的に苦手過ぎるってのもあるけどさ)。女優のにわか職人面より地元の人たちの伝統的な舞台の方が絶対大事。あ、でもあの子役の芝居だけは立派やなあと感心した。よくあそこまで他人になついたねー(それなのに彼女の情報を一切載せてないHPもなんだかなあ)。