6.08
『アジャストメント』
やっと飼い猫の鼻炎が落ち着いてきたと思ったら飼い主の結膜炎が再発したりして、地味に厄年実行中。でもふらっと近所に見に行ったジョージ・ノルフィ監督『アジャストメント』 が想定外に面白かったのでまあいいや。
フィリップ・K・ディックが原作と言うからガチガチのSF映画(&揺れまくるカメラ)を想像してたんだけど、冒頭、若手政治家の主人公が男子トイレで謎の美女と出会うシーンの出来の良さ(後半の女子トイレに主人公が現れるシーンも中々)になんや大好物のラブストーリーかと合点。原作ファンの方がどう感じるかは微妙だけど、その後もそのふたりのドラマがメインで進むんだけど、ひとりでめっちゃキュンキュンしたんだけど、でも、基本的には運命と偶然を巡る物語が風に飛ばされた帽子ひとつで左右してしまう映画の主演がマット・デイモンって、ねえ。これでもかってくらいドアを開けたり閉めたりすること(だけ)で人生と闘うマットは今回もかっこいいんだかただのおっさんなんだかよくわからない存在感で、やっぱり私を裏切らなかった。相手役のエミリー・ブラントという女優さんもほぼ初めて見たけど鍛えられた体が美しく。世界を管理してるはずの調整役アジャストメントが微笑ましいくらいおっちょこちょいだったのは気の利いたギャグと受け止めた。ちょっと拍子抜けするくらいまるく収まってしまうラストも個人的には好みで、これがデビュー作というジョージさんの今後に期待。