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12.21

『ゴモラ』

ずっと見たいと思っていたのになんでか年末ギリギリ上映終了間近に駆け込むことになってしまったけれどようやくマッテオ・ガツローネ監督『ゴモラ』を。劇場にはZ監督のお姿が。
イタリアはナポリに実在するマフィアよりタチの悪い犯罪組織「カモッラ」の実態を容赦なく告発したノンフィクション小説の映画化、その本の著者であり今作の脚本にも参加してるロベルト・サヴィアーノさんはその後「カモッラ」から暗殺指令が出て現在24時間警察の保護化にあるそうです。そんな彼は私とタメです。
ボロボロの団地や狭い路地やしけた店しかないような貧しい町で、権力者が銃を撃ち札束を数えクスリをし貧しいものが殺されこき使われ売人になる、それがただ当たり前のこととして次から次へと映し出される、そして続いていく、でもイタリアの川や光は静かに美しく、大した派手さもない2時間15分が逆に恐ろしい。勝手に懸念していた手持ちカメラやクサい台詞なんてこの世界には無用だったらしく、せめて泣きわめく女たちでもいてくれれば救われたもののヤツらは女だって秒殺、おばあちゃんがくれた桃を捨てる人非人。マジ半端なく悪い、未だに無軌道な若者が怖くて夜のセンター街にびくびくしてる私には無理。
映画が始まったときからラストに向かうからって彼らの何かが変わるわけじゃなく、どうやって終らせるんだろうと思っていただけにこのラストは切ない。カツオみたいな男の子には生きててほしかったなあと思ってしまう甘ったるい日本人には中々厳しい映画です。
しかしこんな滅茶苦茶な映画にカメオ出演するスカーレット・ヨハンソンはちょっと見直した。

と、ファック資本主義な映画の帰りに念願のよろにくさんにてカネにもの言わして高級焼き肉を食いまくるの巻。暫定人生No.1ロースでございました。