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3.11

『戦火の馬』

ようやっと見ました、スティーブン・スピルバーグ監督『戦火の馬』。予告の時点で、ええこんな馬押しでいいの?と抱いた不安がアホらしい程、とにかく馬の存在と芝居が素晴らしすぎて、昔から動物が活躍する映画に弱いgojoさんはそこだけで満足しかけた。生まれたての子馬のあとにタイトルとか、ずるいやん。
映画が始まってしばらくは、イギリスの農家で貧しいながらも両親と慎ましく暮らす青年と馬のほのぼのストーリー、しかし数分後には「戦争体験なんて誇るべきことじゃないんだ… 」と真面目なメッセージを装ってもやっぱり戦争勃発でばたばた殺されていく戦士たち、こき使われまくる馬たち、撒かれまくる毒ガス、と視覚的にだいぶ陰惨な世界が広がる。そんな中でも徹底して何かしらどこかにいい人がいるという展開にはちょっと都合良過ぎるんじゃないのと呆れなくもないし、いくら過去の映画への思いを詰め込まれても140分越えはちょっとしんどいなと思わなくもなかったし、色々意味ありげな伏線が最終的に大したことなかったんかいなとか突っ込みたいこともあるけれど、でもとにかくお馬さんが。ほとんどCGを使ってないとのことだけど、あの演技力、特にタイトル通り戦火の中を走るシーンなんてほんとどんな仕掛けになってるのか、あまりのかっこ良さにその姿を見つめてるだけでうるうるしてしまった。ひひーん。隣の中年夫婦は後半老眼鏡をかなぐり捨てて泣いてた。
と、基本的に羊の出てくる映画に悪いものはなし派のgojoさんは、大好きなラム肉も馬刺もしばらく自粛しようと静かに決意したのでした。馬飼いたいー。