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6.07

『こわれゆく女』

どうやら週末は立ち見が出る程の盛況らしいが本日も平日の夕方はガラガラで少し寂しかったジョン・カサヴェテス レトロスペクティブ に再び、『こわれゆく女』(75年)ニュープリント版をGUCCIさんに感謝しながらでもセリーヌのバッグ持参で鑑賞。号泣。
多分ハタチくらいの頃、今はなきシネセゾン渋谷さんで初めてこの映画を見て心の底から打ちのめされていたら、当時の彼氏に「ああ、自分に似てるからでしょ」と言われたときには「え、私こんなにイカれてるの」とショックを受けたのものですが、32歳になって見直してみてもやっぱりさすがにここまでヒドくないだろうと改めて思ったりしたのですが、愛する夫と子どもにか囲まれながら精神のバランスを崩していくジーナ・ローランズのはちゃめちゃな靴下の丈(記憶の中では白いイメージだったのに実際はどピンクだった)や白鳥の湖にはこみ上げる涙を抑え切れず。もちろん夫婦役のピーター・フォークの顔を見てるだけでも泣けるんだけど、今回初めて、この夫の行動もだいぶ意味不明で、ギリギリな設定だったんだなと気付けた。精神病院から退院する日にパーティー開くとか有り得なくないか。そんな両親の元、半年も家を空けた母親に対して「わからないけど愛してる」と泣きつく幼い子どもたちの姿は、本当にやばい。あと、冒頭から流れるピアノとか、音楽がこんなにオシャレだったんだと再発見。
せっかく表参道まで来たんだから時間はあるし次の上映作品も見ていこうかと思ったけれどまだまだ私にはカサヴェテスを二本連続見る精神的肉体的体力はなかった、これだけで膨満感に消化不良。それにしてもジーナ姐さんは母親似。