8.23
『Virginiaヴァージニア』
まさか24時間前は24時間後もまったく同じ目的で同じ場所にいるなんて想像してなかったけど、懲りずに本日も一時間前にチャレンジして無事座席を確保、ここまでじらされてつまんなかったらしばくと思いながらフランシス・F・コッポラ監督最新作『Virginiaヴァージニア』 を見てみたら、その努力も納得の面白さで満足でございました。
アメリカの小さな町で起こった大量殺人事件を巡り、サイン会でそこを訪れたミステリー作家の男が巻き込まれる謎の体験…。基本的には美少女吸血鬼もの、なのかな。
ファーストカットから漂うただ事じゃない雰囲気、その後も映画が進むにしたがって、夢なのか現実なのか妄想なのか正気なのか美しいのか残酷なのか。美しい金髪の少女が三人出てくるんだけど、それすらも途中からひとりなのか三人なのか。映画自体も、ボロボロの保安官事務所やバイクで疾走する若い男女、カラーとモノクロ、フィルムとデジタルの質感の違いなんかに色々混乱させられて、主人公は一応iPhoneを使っていたけどいつの時代の作品なのかわからなくなって。同じように過去に実在した作家を登場させタイムトリップする映画を作っても、ウディ・アレンとのこの違いは凄い。多分これは一度見たくらいじゃ全然細かいことを把握できない作品だと思うから、デジタル上映に再チャレンジしたいかも。そしてみんな絶対思うことだろうけど、ヴァル・キルマー、太り過ぎ。
音楽や細かい音もめっちゃかっこよくて、いやあコッポラおじいちゃん素敵だわあと観賞後へらへらしながらパンフレットを読んでたら、これ、一部のシーン(時計台に入るところ)はほんとは3Dらしいっすね(日本上映版は2D)。 お元気そうで何より。