『桐島、部活やめるってよ』(書き直し)
ずるずると夏休みを引き延ばしてたらこんな時間に。いい加減ちゃんとします。多分。
公開前に調子に乗ってボロカス言いまくった吉田大八監督『桐島、部活やめるってよ』 が、どうやらだいぶ評判がよくお客も入ってるらしいという噂がちらほら、おっともしかしてヘタこいたかとヒヤヒヤするも、えーでも絶対そんなたいしたことなかったはずやしと再確認するためにわざわざもう一度見に行ってみた真面目な私。平日の夕方のシネコンがほぼ満席で、口コミ的に人気が出てる感じはわかった。
で改めて見てみて、確かに、『告白』のように単純に学生たちを「馬鹿」と見下してる作品と比べるととても丁寧に作られてるとは思ったし、高校生ひとりひとりの服装や髪型が微妙なところまですごく考えられてて、女子高出身の私には妄想でしかないけど、共学校のリアルな感じってのはめちゃくちゃ上手に出てるんだろうなとも改めて思った。がしかし、やっぱりこの映画が面白くないと思ってしまったのは、『モテキ』のときも思ったけど、そういう学校感とか十代の頃感をいくら上手にあるあるネタとして見せられても、それだけじゃあなあ。観客が登場人物のどれかに「共感」できたとしても、というかそれしかない映画だと思うけど、それって要るのか。
で、最後に主人公が言う台詞が「この世界で生きていかなければならない」とか「自分たちの撮った(自主)映画が好きな映画に繋がる瞬間があるんだ」とか、高校生が言うにしてもガキ臭いもので、ああそうか、この映画には本当に大人の視線というものが欠けてるんだ、だからなんかキモいんだと気付いたりした。なので今作は、最終的に「桐島くん」(=他者)を登場させて(原作と全然違ってくるかも知れんけど)誰か(まあ宏樹か)と会話させて、舞台となってる学校とその外の世界を繋ぐ必要があったはず。桐島に対してもロメロに対しても憧れてるばっかりで、そんな世界、生きていかなければならないじゃなくてオタクしか生きていけないんじゃないかしらん。自分たちが撮ったゾンビ映画と、ロメロが撮ったゾンビ映画の違いについてもっと悩もうよ。
しかしやっぱり二回目にしても、主人公の東出昌大くんは中々良くて、これが映画初出演とのことだがどんどん出てきて欲しい。私も高校生の頃『鉄男』とか見てたし、橋本愛でいいよ。