『今日、恋をはじめます』
なんで平日の昼間から女子高生が映画見に来れるんだ?と疑問を抱きながら、ヤングに紛れてこそこそと古澤健監督『今日、恋をはじめます』 を見た。大人気らしい原作漫画はさすがに未読。
いくらなんでもここまでベタベタな少女漫画ノリを楽しめるのか、見る前はかなり不安だったのだけれど、これがびっくりする程面白くてきちんと作られた映画で。もちろんそれは多分に、私が33にもなって少女漫画脳を捨てきれない残念な大人で、普通に、後ろからギュ的演出に本気で胸キュンしてしまったという事情もあるだろうけど(浜辺を駆けながらきゃっきゃと水を掛け合う男女、にはちょっと笑ってしまったけど)、それでも、恋がはじまるまでの前半のテンポよく進むポップな世界と、恋が始まってからの後半のじっくりと一年以上の月日の流れを描くバランスの良さに121分退屈はしない。恋愛以外の要素をぐだぐだ引っぱらず、母親のエピソードとかばっさり切ってしまってるのもよかった。細かいセリフやギャグも結構ちゃんと笑えたし、十代のハートを忘れた哀しい大人でも全然楽しめる作品だと思いました。私の家で全裸になって撮影してた監督がこんな立派な映画を作るだなんて、なんか嬉しいよわたしゃ。
もう、全身の毛穴から若さと瑞々しい魅力がだだ漏れの主演のふたりを眺めてるだけでも楽しいし、このふたりがこんなにちゃんと芝居のできる役者さんだとも初めて知れた。ドSな桃李に萌え。ただ咲ちゃんは、メイクもドレスアップもしない、地味なおさげ姿で既に素材としての魅力があり過ぎて、おしゃれになった変身後の姿よりダサイときの方が個人的には好きでした。
それにしても、私が中学生の頃は少女漫画の最終目的は絶対的にキスだったけど、最近はほんとにセックスするよなあ。ちゃんと性教育はなされてるのか。