BLOG

2.11

『東京家族』

そりゃ高校生のときから小津安二郎ファンの私ですからもちろん山田洋次監督『東京家族』は見に行く。祭日とはいえ渋谷の映画館がかなり高齢な客層で8割以上埋まっていた(そして終盤場内にすすり泣きの合唱が響く)のは結構不思議な光景だった。
この作品さ、ただのじいさんが道楽で作ったなんてことないよくあるヒューマンドラマとしてご老人たちが見て楽しむ、程度になら別に文句を言う気も起こらない、どうでもいい映画として片付けることもできそうなんだけど、いかんせん「小津先生に捧げるのか……」という前振りがあるもんだから、おかげで冒頭二カット目(なんか、鉄塔のある風景)から辛くなってそのまま146分、途中で戦争の代わりに震災ネタまで挟んじゃうって、ちょっとないわ。中途半端な階段とかカウンターの飲み屋とか歌舞伎の舞台とか廃品回収車とか、微妙過ぎて半笑い、どうせならガス・ヴァン・サントくらい狂ったリメイクしたらいいのにと思いました。てかこれを見る限り、終盤の蒼井優のセリフとか、絶対山田監督は大して『東京物語』に興味ないはず。
どう考えてもミスキャストの橋爪功(逞し過ぎるやろ)やゴルフ焼けし過ぎな小林稔侍やいい加減もうちょっと芝居の幅を広げてほしい妻夫木聡の中で、ひとり、完全に小津調でも原節子でもない、謎のリズムで芝居を展開する夏川結衣は中々ホラーでよかった。旧こぶ平のうざ過ぎる存在と、助監督さん何考えてんの?ってくらいイケてないエキストラの真意は最後までわからなかったです。あー疲れた。