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3.14

『ダークシステム 完全版』

他にも見るべき映画がいっぱいあることはわかってる。でもこの予告を見たらどうしても気になって、幸修司監督『ダークシステム 完全版』を見に行ってしまったら、こ、これは。ある意味ウェス・アンダーソンに匹敵するくらい、完璧な世界を作り上げてしまった凄い映画だった。
親友に好きな女を取られた男がふたりを別れさせるため「ダークシステム」という仰々しいけど大した仕事もしないマシンを開発し闘いを挑み、Ⅱでは別のライバルまで現れて、更にどうでもいいマシンを作って闘い続ける、本当にひたすら馬鹿馬鹿しい岡田あーみん的展開なんだけど、低予算自主映画丸出しの安っぽい映像で113分間という長さを一切退屈させない、どころか10分に一回は爆笑させられて、しかも実は演出や編集がかなりしっかりしてるからちゃんと見れる。作品のコピーは「この世界は…遠慮せんやつが勝つ!」だけど、確かにこの作品自体が誰にも遠慮せず、見事に勝ってたと思う。いやー、笑った。絶妙なキャスティング、監督自作のあの音楽、ダークシステムのナレーション、色々面白過ぎたけど、個人的にツボだったのは目を潰された写真と、ヘドロまみれの指輪と、パリジェンヌ。Ⅱになった瞬間パーマをかけてる主人公にも爆笑してしまった。そのくせセリフにやたらと「常識がない…」って言葉が出てきて、どこまでふざけきってんだか。しかしこの終わり方はまさかのsee you next dark?!
なんだか深刻ぶった 自分探し系自主映画が流行る中、ここまでぶっ飛んだエンターテイメントな映画が見れてなんか安心した。オススメ(でも見終わったあとしばらくは思い出し笑いとダークシステムごっこが止まらなくなるので要注意)。