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9.21

『リヴァイアサン』

確かにこれは、圧倒的な映像と音響体験としか言い様のなかった、ルーシァン・キャスティーヌ=テイラー&ヴェレナ・パラヴェル監督『リヴァイアサン』 。これはラストバウスの爆音で見ればよかったーと激しく後悔。
明らかに労働条件が酷そうな漁船から撮られた海のドキュメンタリー、なんだけど、とにかく、映るものすべてが、知ってるはずなのに初めて見るような、海や魚や鳥や機械の姿で、一切字幕もなくただ荒れ狂う海を目の前に、どうやって撮影してるんだろうって疑問もどうでもよくなるくらい、美しくて怖かったです。
監督のおふたりはハーバード大学感覚民俗学研究所の研究員さんだそうで、私なんかが想像もつかないくらい頭のいい人たちなんだろう。映像が刺激的なだけじゃなく、それと同時に映されるいかつい漁師たちの意外と地味で細かい作業(エイのひれ?を黙々と切るのとか) 、それらを90分以内にまとめることも含め、ドキュメンタリー映画としてもとても良いかと。
ただですね、数年前山形で『ダーウィンの悪夢』を見て以来未だマクドのフィレオフィッシュが食べられない繊細なハートの持ち主である私は、今回改めて、魚の生々しい映像がかなり苦手だということを痛感し、網の中から溢れ出る大量のお魚さんたちが恐怖でしかなく、カモメさんに大変癒されたのでした。