9.27
『イヴ・サンローラン』
バブル世代でもないのにブランド大好きっ子としては一応見といた方がいいのかなと思って、ジャリル・レスペール監督『イヴ・サンローラン』 をチェックしてみたけど、イヴの映画と言うか、よくある、若くして成功した天才肌の芸術家が酒とドラッグに溺れていった回想録系の映画で、別にこれなら誰でもいいんじゃないのと思えるような残念作だった。
鼻でかで躁鬱の美しいゲイボーイであるイヴが、なぜそんなにデザイナーとして優れた才能を持ち得たのかとか、心身共にぼろぼろになってまでなぜ女性のドレスをデザインすることにとらわれ続けたのかってことへの描写がまったくないもんだから、最後の華々しいランウェイシーンは、そりゃ服はきれいやけど、なんのカタルシスもなく。これはちょっと脚本家にダメ出ししたい。若き日のラガーフェルドが出てたけど、本人的にあの役者でオッケーだったのかは気になる(全然かっこよくなかった)。
しかし劇場は平日の昼下がりだというのにえらく混雑していて、金持ちそうな女性客ばっかりやなと思ったけど、まあ自分もそうなのか。