2.06
『みんなのアムステルダム国立美術館へ』
わたしゃ美術館そのものより美術館を巡る映画の方が好きだったりするもんでね、楽しみにしていたウケ・ホーヘンダイク監督『みんなのアムステルダム国立美術館へ』。04年に改修工事開始、当初は5年で終わるはずの計画が、色々揉めにも揉めて時間も予算も膨れ上がるばかり、その10年間を追ったドキュメンタリー。
前作『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』(10年、大好き)が裏方で地味に働く人たちにスポットを当てていたのに比べ、今回は、思いっきりかっこいい音楽や編集を使って、人間模様のドラマ仕立てになっており(オークションのやりとりとか)、果たしてこれをドキュメンタリーと呼べるのか微妙だなとも思ったけど、疲れ果てた館長が途中で「俺には美術館より大事なことがある」と退任したり、デザイナーが仕事ほっぽり出したり、噓みたいな本当の事件はやっぱり面白い。そして相変わらず、お偉い大人たちがピリピリする中、ライフル片手に寡黙な管理人と、日本オタク全開の学芸員の姿に癒された。日本のお坊さんって異国の地でこんなことやってるんだとお勉強にもなった。
しかし、最初から最後まで国立美術館を悩ませる自転車問題、これがアムステルダムなんてお上品な土地でよかったなと。もしこれが大阪のおばはんだったら意見言う前にバリケード破ってるよね…。