監督の前作が好きだったので、アスカー・ハルファディ監督『セールスマン』を見に行ってみた。アカデミー賞外国映画賞とってたんですね。
冒頭から、理由もよくわからぬまま自宅マンション崩壊、急いで新居を探す役者夫婦（夫は教師もやってるのか）。ある日夫不在時に妻が入浴中、何者かに襲われる。その日以降引きこもりがちな妻、犯人探しに躍起になる夫だが…。
緊張感のあるサスペンス、と思わせて、夫の行動が愛なのつまらない男のプライドなのか、というジェンダー的問題にじわじわと移行していくスリルはさすが。面白かったです。
イランと日本の状況は違うだろうけど、表沙汰にしてほしくないと訴える妻の気持ち、そんなことにはお構いなしの夫、という図は現代の日本でも全然通用しそうよね。
ととても感心したんですが、いかんせん、劇中でかなり重要なものとして登場するピューリッツァー賞受賞作の戯曲「セールスマンの死」についてまったく知らなかったもんで、面白さの半分くらいしか理解できてないはず…。