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2.17

『サファリ』

「トロフィーハンティング」なるものを知ったときのショックと衝撃は相当でかく、そのドキュメンタリーということで、具体的には一体どんなことなんだと知りたい一心で、ウルリヒ・ザイドル監督『サファリ』を見てみた。
この監督(オーストリアの方なのね)の映画は初めて見たけど、ドキュメンタリーというには計算されたキレイな画面に、インタビューに答える白人たちがみんな見事に最低野郎ども(「合法なので問題はない」とか「現地の人間はおかげで潤ってる」とかばっかり言ってる。合法な狩猟場で働いてるのは原住民でも経営してるのは白人だったりするのに!)なのは、どこまで作り手の恣意的なものが働いてるのかはわからないけど、とりあえず、首がぐにゃっとなった瀕死のキリンの前で記念撮影してた一家は地獄に落ちればいいのになと思いました。キリンの解体はかなり凄まじいので一見の価値はあるかと思いますが、でもちょっとこの映像からは冷静に「人間が動物を殺す/食べることとは…」とか冷静に考えられない。辛い。
ナレーションを入れずに淡々と狩りを楽しむ人間の姿を映すことでそれこそ人間サファリパークを見てるみたいな奇妙な面白さがあるのかもしれないけど、でも絶対サファリパークの動物ほど美しくないじゃんね人間って。
これから見に行く人へのアドバイスとしては、いくらフェイクファーとはいえヒョウ柄の毛皮を着ていくと死にたくなるので要注意(でもヒョウは「美しすぎるから殺せない…」んだって)。