『カメラを止めるな!』
TOHOシネマズ新宿の一番でっかいスクリーンで、上田慎一郎監督『カメラを止めるな!』を見ました。座席が揺れるから地震!?と思ったら、IMAXでした。
「ネタバレ禁止!」的な宣伝により、見る前から、まあ後半にびっくりする仕掛けがあるんだろうなと思ってたので、冒頭から続く話題の長いワンシーンワンカットの不自然さも、なんかしらのネタなんだろうと思いつつ、その後の展開も、特別面白いとも感じないけど全然つまらないってわけでもないし、この作品全体からにじみ出てる上田監督ご自身のいい人感も含め、ここまで大ヒットする理由はやっぱり全然わからんけど、映画というより長めのコントとして見ると(監督が最も尊敬する人は松本人志って言ってたし)、まあこれはこれでいいんじゃないの、と思いかけたんですが、ほんとに最後、ラストの娘と父の2カットでずっこけた。これはちょっとお花畑が過ぎないか。いい人なのかもしれんけど無邪気が過ぎて逆に邪気を感じる。これは私がほんのちょっと撮影現場の現実を知ってるからとか関係なく、最近のディズニープリンセスでももうちょっと世間の苦汁味わってんちゃうかな。いや、そういうことを忘れさせてくれるユートピアを日本国民はこの映画に求めた結果のヒットなのかもしれんけど、個人的には乗れないな。
しかし、これは素晴らしい!と感心した点もあって、「主演」女優がタンクトップ&ホットパンツという出で立ちなことに本当に「暑い場所で動きやすい」以外の意味がなくて、こういう日本の映画オタクが作った系自主映画ならラッキースケベ的なネタがつきもの(で、殺意を覚える)が常なのに、それが皆無だったことと、仕事場では赤ん坊の泣き声より酔っ払いのおっさんの方が迷惑だとはっきり伝えてたこと。だからやっぱり監督さんはとてもいい人、なんだとは思ってます。がんばってください。