佐藤泰志の小説は一冊も読んだことないのに、これまでの佐藤泰志原作映画化シリーズは見事に全部苦手で、でも予告を見る限り今回はいつもと雰囲気が違うなと結構期待して臨んだ三宅唱監督『きみの鳥はうたえる』ですが、色々回り道をした結果、やっぱり今までのものと同じような感想を抱いてしまった。
函館郊外に住むフリーターの若い男女3人、微妙なバランスのまま酒を飲みクラブで踊り、終わりの予感と背中合わせに永遠のひと夏を生きる青春映画。
柄本くん染谷くん静河ちゃんはそれぞれ大変素晴らしく、撮影や照明の技術も的確で申し分なく、ビリヤードやカラオケのいかがわしい感じもとても良かった全然ダメじゃない立派な映画なのだが、だが、たかだか青春の1ページをそない大げさに語らんでも…と途中で思ってしまった。青春とはかけがえのない輝きと理解してるつもりでも、私はもう若者のバイブスに完全についていけてないんですわかってます（でもこれは、いい意味でも悪い意味でも「男の子」の青春だと思うぞ）。だからなのか、この萩原聖人のくたびれ具合にはだいぶ動揺した（「はいすくーる落書」の頃からのファン）。あんなに優しくもなれないけど。