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12.11

『ハード・コア』

原作漫画が好きなんですよ、なので山下敦弘監督『ハード・コア』を見に行ってみた。
結果、ロボオの造形や質感は漫画に忠実でいいんじゃないのと思ったけれど、いましろたかしと狩撫麻礼の描く世界を映画化できると思った性根はやっぱり許されず。あの漫画からびんびんに感じる、ギリギリのヤバさみたいなものから程遠い、というか真逆のヌルさ。「世間なんて間違ってるもんだろ。その中でうまくやっていくんだよ」的なセリフ(それに反抗する主人公)があったけど、それがまさにこの映画のポジションじゃね?と思ってしまったり。でも劇場の若いお客さんたちは優しくケラケラ笑ってて、イマドキはこれくらいがちょうどいいのかね。
底辺の労働者たち、サイテーの社会人がまずそれぞれそこまで酷く見えない。で、彼らがロボオに出会った後も、その3人になんの変化も感じられない。だいたいこの主人公に山田孝之はキレイ過ぎる。そして確かに原作の終わり方はちょっと唐突過ぎて違和感が否めないものの、このオリジナルのラストは絶対いらん。
松たか子の出演シーン(と若者のカラオケ)と「フライデーされた」には本気で笑ってしまったけど。