2.20
『サスペリア 』
アルジェント版になんの思い入れもないもんで、ルカ・グァダニーノ監督『サスペリア』は結構楽しんで見ました。
77年のドイツ、世界的に有名な舞踏団に入団した夢と希望で胸いっぱいのアメリカ娘スージー。しかしそこは不気味で不可解な出来事が頻発する謎の世界で…、という物語は前作通りだと記憶してるのだが、テロリストとかは今作オリジナルか?あと、博士の恋人あんなに重要やったっけ?
女だけの女による集団が実は魔女が支配する世界で、というお話が、全然ミソジニックな方向にはいかないところがよろしい。そしてちょいちょい笑えるのも監督の冷静さが伺えてよろしい(捉えられた警官で遊ぶBBAたち、最後に床を拭いてるBBAたち、めっちゃおもろかった)。操られた身体がダメな方向に曲がるのとかは個人的に苦手過ぎて目をつむってしまったけど、ホラー映画としてはいいんだと思う、多分。最後のコンテンポラリーダンスも素直に感動する迫力でございました。
色々複雑に交錯する場所や時代、はったりとしか思えない凝った編集、細部の謎を解こうと思ったら何回か見ないといけないんだろうけど、そういうのはサブカル好きのオタクにやらせておくとして、全体的には気持ち悪いマニアックさは感じられなかった。後半の血しぶき、少年マンガみたいでしたけど。
ダコタ・ジョンソンちゃんも、カラダ張る系の映画が続いてるわりに下品な野心を感じさせず、瑞瑞しい魅力が炸裂してて素敵。似てるなーと思ったけどまさかあんな役でクロエ・グレース・モレッツが出演してるとは驚いた。最後のカットだけが『君の名前で…』っぽくてちょっと笑った。