6.29
「黄昏映画館」
ついに発売になった上野昂志「黄昏映画館 わが日本映画誌」(国書刊行会)、その刊行記念上映会がシネヌーヴォさんで開催され、初日にはご本人と編集者樽本周馬氏のトークイベントがあるというのでいそいそと駆けつける。
上映されたのは吉田喜重監督『戒厳令』(73年)、20年ほど前にポレポレさんでやってたのを見て以来に見たけど、私の記憶力ゆえ初見のような新鮮さで、あの白と黒の強烈さに圧倒されっぱなし。久しぶりに画面の端っこにしか役者がいない映画を見た気がする。やっぱり若い時の三國連太郎のかっこよさは異常。上映後のトークでは本作でプロデューサーを務められた上野さんによる撮影当時のお話など。やっぱり昼食は大事よね。
そのまま続けてマキノ雅弘監督『昭和残侠伝 死んで貰います』(70年)、見たことあると思ったら初見だった記憶力。でもほんま見てよかった素晴らしさ。高倉健の可愛いこと藤純子の愛らしいこと池部良のかっこいいこと…。一目惚れした若い男女に優しい世界、料亭のボンがアホ過ぎて泣けたけど、最後の大チャンバラのあと健さんが死なないのもなんかよかった。そして二作品ともプリントが非常にキレイだった。
この特集は他にもレアな作品がほぼフィルムで見れるらしく、是非通いたいところ。猛暑が落ち着いてくれれば…。